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医師「異常のサインかも」→実は『黄色い爪』は放置すると危険…見落としがちな“2つの原因”とは?【医師の監修】

  • 2025.5.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

私たちの体には、健康状態を示す多数のサインが潜んでいます。日常生活では見逃しがちな変化が、実は体からの大切なメッセージかもしれません。その中でも「爪の色」は重要な指標です。

特に爪が黄色くなってきた場合、それは身体のどこかに潜む異常のサインかもしれないのです。さっそく、その理由を医師の解説も交えてみていきましょう。

爪が黄色くなるのは病気の兆候?

爪が黄色くなる原因はいくつか考えられます。

1つ目は、ムレや乾燥、足先への負担があげられます。乾燥や足先への負担は、病気とは関係性がありませんが、足のムレには注意が必要です。足はムレやすく、さまざまな雑菌やカビが増殖することがあります。その結果、爪に感染して黄色い変色を引き起こすことがあります。

2つ目は前述のムレなどとも関係がある、病気による変色です。

爪白癬(つめはくせん):爪白癬は、白癬菌というカビの一種が爪に感染することによって引き起こされる病気です。この白癬菌は、湿気の多い場所を好んで繁殖する特徴があります。ですので、足元が湿気を持ちやすい靴の中は、彼らにとって絶好の繁殖地なのです。この症状は爪が白く濁ったり、黄色く変色したり、厚みが出たり脆くなったりと、爪の見た目が明らかに変わることで気付きやすいです。

爪が白く濁るのは爪甲(そうこう)が壊れ、爪床(そうしょう)との密着性を失い透明度を失うためです。また、傷んだ爪に物理刺激が加わると弱く出血し壊れた爪や爪の成分に染み込み黄色やオレンジ色に見えます。爪白癬の方の中には、爪の肥大や割れが生じている場合があり物理刺激の影響を受け易く爪が黄色に変化し易くなります。

黄色爪症候群(おうしょくそうしょうこうぐん):黄色爪症候群はその名の通り、爪が黄色く変色してしまう症状が特徴で、しばしば爪の成長が遅くなったり、爪が厚くなることも伴うことがあります。リンパ液の流れが悪くなっている場合や、呼吸器疾患などが関係していることがあります。

それでは、なぜ爪が黄色くなってしまうのでしょうか?1つの要因として考えられているのが、リンパ系の循環不良です。リンパ液は体の老廃物を運び出す働きをしていますが、その流れが滞ることで、爪に必要な栄養素が届かず、黄色くなってしまうことがあるのです。

他にもさまざまな病気の可能性がありますが、見た目だけでは他の爪の病気とも混同しやすいため、自己判断するのは危険です。症状が気になる場合には、皮膚科などの専門医に相談することをおすすめします。

病院を受診するサインは?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

爪の色の変化はよくみられる症状のため、「いつものこと」と医療機関を受診せずにそのままにしている人も多いでしょう。

特に、爪の変形や、痛みやかゆみを伴う場合、爪以外の皮膚などが黄色い場合、その他にも倦怠感などに症状が出ている場合は早めに病院を受診する必要があります。

基本的には皮膚科や整形外科の受信となりますが、全身に症状がみられる場合などは内科での相談も視野にいれておきましょう。

健康のサインを見逃さないで

私たちの健康状態は、体からの様々なサインによって知ることができます。爪が黄色くなった時や、他のさりげない変化に気づいた時、それを放って置かずに適切に対応することが非常に重要です。

特に変化が続く場合は、医師や専門家に相談することで早期発見と対処が可能になります。

日頃からセルフチェックを心がけ、異変を感じたらすぐに相談することで、病気の早期発見やその他の健康問題を予防することができますよ。


監修者:医療法人社団日進会 院長、理事長
平岩 亮一(ひらいわ りょういち)

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1995年、埼玉医科大学医学部卒業。2017年、医療法人社団日進会開設、にっしん皮フ科・形成外科開業。今年で開業20周年。所属学会(日本形成外科学会他)。平成28年より【生体皮膜剤】【痒み防止剤】にて日本・アメリカフランスを含む13件の特許を取得し現在に至る。