1. トップ
  2. 24年前、日本中が口ずさんだ“国民的な応援歌” 昭和38年の名曲を平成に蘇らせた“リバイバルの傑作”

24年前、日本中が口ずさんだ“国民的な応援歌” 昭和38年の名曲を平成に蘇らせた“リバイバルの傑作”

  • 2025.6.4

“あの名曲”を、ウルフルズが再び輝かせた

2001年、テレビCMで流れた軽快なメロディと、ポジティブな歌詞で綴る「明日があるさ」。あの懐かしいメロディを歌っていたのは、ロックバンド・ウルフルズだった。

この楽曲は、もともと1963年(昭和38年)に坂本九が歌った昭和の名曲。

それをウルフルズが新たなアレンジでカバーし、サラリーマンの悲哀とユーモアをコミカルに描いたCMの世界観と相まって、瞬く間に話題に。CDとしてリリースされた後はオリコンでも上位にランクインし、2001年の音楽シーンにおいて異彩を放つヒットソングとなった。

“真面目すぎる毎日”に、ちょっとした余白をくれた歌

歌詞の内容は、平凡なサラリーマンの心のつぶやき。誰もが一度は思ったことのある“小さな本音”が、ポップにユーモラスに歌われていた。日常のストレスを、ただ笑い飛ばすのではなく、包み込んでくれるような優しさがある。

がんばらなくても、笑っていい。そんな空気を届けてくれるような一曲だった。

重くならず、でも芯があるーーそんな絶妙なバランスが、多くの共感を呼んだ理由だった。

日本中が口ずさんだ“国民的な応援歌”

undefined
(C)SANKEI

この時代、日本はちょうど“就職氷河期”や“景気の停滞”といった不安や閉塞感のただなかにあった。そんな中で、「明日があるさ」は老若男女、誰が聴いても元気が出る稀有な楽曲だった。

そして何より、ロックバンド・ウルフルズが持つ“熱さ”と“優しさ”が、この楽曲をただのリバイバルに終わらせず、新しい命を吹き込んでいた。

希望なんて口にするのも照れくさい時代に、それでも“明日がある”と歌う声は、どこか頼もしくて、救いだった。

名曲を平成に蘇らせた“リバイバルの傑作”

あれから24年が経ち、時代は大きく変わった。でも今も、「明日があるさ」はあらゆる場面で歌われ続けている。小学校の音楽会、カラオケ、企業の余興、さらにはSNSでもーー。

歌そのものが持つ明るさと、昭和と平成と令和を繋ぐ懐かしさ。それはまさに、“スタンダードナンバー”として定着した証と言えるだろう。親から子へ、世代を超えて受け継がれていく歌。何気ない日常にふと差し込む“光”のような存在になっていた。

そして、ふと疲れたとき、心が折れそうなときに、あのメロディを思い出す。

「明日があるさ」

その言葉の持つ魔法は、きっとこれからも色あせることはない。


※この記事は執筆時点の情報です。