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医師「隠れている病気があるかも」 『健康診断』の結果をそのままにしないで…気をつけたい“3つの項目”とは?

  • 2025.5.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

健康診断は、年に一度の“健康の棚卸し”みたいなものですよね。でも、結果を軽視しがちな方も多いのではないでしょうか?「ちょっとしたことだから大丈夫だろう」と思って放っておくと、思わぬ深刻な病気に発展することも…。

今回は、健康診断で引っかかりやすい項目がどんな病気につながる可能性があるのか、そしてその背景について医師の観点から詳しく解説します。

健康診断の“異常”が警告してくれること

まずは、健康診断でよく耳にする「異常」という言葉。これが何を意味するか、少しお話しします。「異常値」とは、統計的に設定された「基準範囲」から外れていることを示しますが、必ずしも病気を意味するわけではありません。ただし、継続的に異常値が続く場合は、病気の可能性を含めて医師の評価が必要です。

例えば、血糖値が正常値を超えた「高血糖」や、血圧が高めの「高血圧」などは、すぐには症状が現れないことも多いですが、そのままにしておくと糖尿病や心血管疾患のリスクが増します。健康診断でこれらの項目にチェックが入ったなら、早めに生活習慣を見直すことが大切です。

背景と具体例:知っておきたい健康診断のチェック項目

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、具体的にどんな項目が病気に関係するのでしょうか。ここからは、健康診断の中で特に注意すべきいくつかの項目についてお話ししていきます。

1. 血液検査で見られる変化

血液検査では、白血球や赤血球の数、ヘモグロビン、血糖値、コレステロールといった多くの情報が得られます。例えば、白血球数が増加している場合は、感染症など体内に炎症が起こっている可能性があります。また、コレステロール値が高いと動脈硬化を引き起こす恐れがあるため、定期的なモニタリングが大切です。

2. 肝機能検査

肝機能の指標であるASTやALTが高値を示す背景には、脂肪肝やアルコール性肝疾患に加えて、ウイルス性肝炎や薬剤性肝障害なども含まれます。継続的に高値が認められる場合は、腹部超音波検査や肝炎ウイルス検査などの精密検査が推奨されます。日本では、肝疾患は自覚症状が現れにくいので、健康診断は重要な第一防波堤です。

3. 心電図の異常

心臓の健康状態を示す心電図の異常も見逃してはいけません。心拍数やリズムが乱れていると、不整脈や心臓病の前兆である可能性があります。特に、不整脈は放置すると命に関わる場合もあるため、早期発見が鍵となります。これらの項目は、適切な治療や生活習慣の改善によってリスクを管理することができます。医師と相談してから具体策を考えることが大切です。

もちろんこれ以外にも、再検査や要注意の項目があればそのままにせず、必ず再検査や医師や専門家と相談をしましょう。隠れている病気や、病気の初期症状を見逃さないことが重要となってきます。

健康診断の結果をしっかり確認しよう

以上のように、健康診断の結果は私たちに貴重な「体からのサイン」を送ってくれています。異常値を見たときは、それが何を示しているのか、どんな病気につながる恐れがあるのかを理解することが重要です。そのためには、結果をそのままにせず、日常の健康管理に役立てることが必要です。

診断で引っかかった項目があれば、早期に医師と相談し、適切な対策を講じましょう。


安江千尋/天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック 院長

防衛医科大学校医学科卒業後、防衛医科大学校病院、自衛隊横須賀病院・舞鶴病院で内科・消化器内科に従事。防衛医科大学校病院で専門研修を修了後、がん研有明病院・下部消化管内科副医長として大腸がんや炎症性腸疾患、内視鏡治療など高度専門医療に携わる。2024年12月に大阪・天王寺で開院。内視鏡専門医として、苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査を得意とし、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群など機能性疾患に対する生活指導や腸内環境の改善にも力を入れている。

【天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック 公式サイト】https://www.tennoji-naishikyo.com/