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医師「放置しないで」→実は違う別の病気かもしれない…『口内炎』に似ている“舌がん”の症状とは【医師の監修】

  • 2025.6.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

口内炎ができたときのあの不快感。一度できると、つい舌で触ってしまい、治りが遅くなることもありますよね。しかし、なかなか消えないなら要注意。本当にそれは単なる口内炎なのでしょうか?

一見すると口内炎に見えたとしても、もっと怖い病気である可能性の場合もあります。医師による監修の元、その病気について詳しく解説します。

口内炎と舌がんの違いって?

口内炎は、ストレスや栄養不足、噛み合わせなどが原因でできる小さな潰瘍です。通常は数日から2週間程度で治ります。しかし、それが3週間以上も続く場合、あるいは明らかに大きくなっている場合は、医師に相談したほうが良いでしょう。

触れると表面が硬い場合や、どんどん大きくなる場合は舌がんの可能性があります。

舌がんは、早期発見が鍵となります。初期の症状は口内炎と非常によく似ているため、気づきにくいのが厄介です。「ただの口内炎だろう」と放置しているうちに進行してしまう例も少なくありません。特に中高年の男性に多く見られる傾向がありますが、若くても発症する場合は十分にあります。

舌がんの原因は明らかになっていませんが、飲酒か喫煙などの化学物質による刺激や歯並びの影響、入れ歯のかみあわせの影響や虫歯などにより誘発すると考えられています。

舌がんを見逃さないために

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

舌がんは口腔がんに分類され、放置すると他の部位に転移する恐れがある、侮れない病気です。ごく初期の舌がんであれば、発見が早ければ早いほど完治する可能性が高まるといわれています。

初期症状は前述のとおりですが、口内炎と違って自然に治癒しないのが特徴なので、2週間以上口内炎のようなものが消えない場合や大きくなってくる場合は医師や専門家を受診しましょう。

何より、定期検診を受けることで早期発見につながるため、舌がんに限らず、口腔内の健康を維持するためには定期的なチェックがとても重要です。

放置しないことと早期発見がカギに

「まさか自分が」と思うかもしれませんが、どんな病気も他人事ではありません。まずは、放置しないことが大切です。身体が発する違和感のシグナルを見逃さずに、早めの相談を心がけましょう。

また、定期検診などで早期発見することも大切です。早めに医師や専門家の判断を仰ぎ、自分の体を守っていきましょう。


越智 英行(おち・ひでゆき)
医師(歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医)

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昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院(歯科口腔外科)入局後、昭和大学大学院歯学研究科(臨床系歯科麻酔科学)修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。現在はコンパス内科歯科クリニック赤羽(https://www.compass-dc.jp/akabane/)の院長も兼任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。