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「日本人の約8割が当てはまる」→実は『歯ぐきの出血』を放置すると危険…意外と知られてない“怖いリスク”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

歯ぐきが少し出血すること、ありますよね。「歯磨きのときにちょっと血が出たけど、大丈夫でしょう」とそのままにしている方も多いのではないでしょうか?実は見過ごしてはいけない身体からのサインかもしれません。

今回は、歯ぐきからの出血の原因や放置してはいけない理由を分かりやすく解説します。

歯ぐきの出血、何が原因?

まずは歯ぐき出血の原因からお話ししましょう。一番よくある原因は「歯周病」です。

実は、日本人の成人の約8割が歯周病もしくはその予備軍だと言われています。

歯周病は、歯と歯ぐきの間に歯垢が溜まることから始まります。歯垢に細菌が停滞してしまい、歯肉が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりします。この状態が進行すると膿がでるなど、最終的には抜歯の可能性が高まります。

痛みはほとんどないことが多いので、気づきづらい歯周病。その症状の1つとして口臭や歯磨き後の出血があげられます。

また、歯磨きが原因で出血することもあります。ブラッシングが強すぎたり、不適切な磨き方をしていると歯ぐきが傷つき、血が出やすくなります。さらに、ホルモンバランスの変化、薬の影響などが原因の場合もあり、心配な場合は医師や専門家を受診しましょう。

出血が続くようなら放置は避けて!

「ただの出血でしょ?」と思って放置していると、実は悪化してしまうことも。

歯周病は口腔内の問題だけに留まらず、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

例えば、糖尿病と歯周病との関係も指摘されています。

糖尿病になった場合、歯周病になりやすいといわれており、さらに歯周病になると血糖のコントロールが悪くなるともいわれています。糖尿病は、高血糖状態が続くことによって歯を支える骨が破壊される「骨吸収」が進みます。

逆に、歯周病があるとサイトカイン(細胞間の情報伝達を担うタンパク質)が歯肉の毛細血管から血流にのって全身に運ばれ、インスリンのはたらきを悪くします。そのため、相互に影響を与えあっていると考えられるのです。

症状が深刻化する前に、医師による診察と適切な治療を受けることが重要です。日常的に歯磨きやフロスで口内を清潔に保ち、定期的な歯科検診を受けることが歯周病の予防につながります。

歯ぐきの健康は全身の健康に!

「いつもの出血、大丈夫かな…」と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。

歯ぐきからの出血は、実は身体全体の健康を守るための重要なサインかもしれません。放置せず、早めに対応することで、適切な治療を受けることができます。

ぜひ、今日からできることに取り組んでみてくださいね。歯科検診の機会が近いうちにある方は、ぜひその際に歯ぐきの状態をチェックしてもらいましょう。


監修者:まつむら⻭科クリニック 院⻑ 松村賢(まつむら・けん)

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「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015(平成27)年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学⻭学部卒(医師免許取得)
東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(歯学博士)
仙台市内⻭科クリニック 分院⻑
まつむら⻭科クリニック開院