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プロ「一歩間違えると、家族がバラバラに」→実は『争族』を引き起こす…遺言書を作るときの“NGポイント”とは?【プロが監修】

  • 2025.5.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

あなたは今、何かあったときのために「遺言書」を書かなきゃと思っていませんか?

でも、一歩間違えると、家族がバラバラになることがあるかもしれません。

そうです、遺言書の内容によっては“争族”を引き起こす原因になってしまうんです。今回は、そんな悲劇を避けるための遺言書作成のNGポイントについてお話しします。

曖昧な内容はトラブルの元

遺言書を書くとき、注意が必要なのは「内容が曖昧」であることです。

例えば「愛する人に遺産を全て譲る」と記載してみても、「愛する人」が一体誰なのか、これでは、家族全員が「自分だ」と主張し始め、もめ始める可能性があります。

また、特定の財産について具体的に書かれていない場合にも、トラブルが起きやすいです。我が家の思い出のある土地を売る場合は、その後どうするべきか、といったところまで書かれていることが重要です。

日本では、口頭での遺言書は法的効力を持たないため、きちんとした文書にする必要があります。

そして、その内容が具体的・明確でなければ、法的にはもちろん誰にとっても理解しにくいものになります。結局のところ、専門家の手を借りてでも明確な内容にまとめることが、トラブルを防ぎ、争族を回避するための第一歩です。

お金だけじゃない!揉めないための工夫

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

遺産と聞くとまず思い浮かぶのがお金ですが、それだけではありません。

特に大事なのは、「形見分け」についてです。家族それぞれにとって思い入れの異なる物品、例えば祖父母から引き継ぎたいくつかの品は、円滑に分けないと感情がもつれる要因になりがちです。

例えば、息子が「どうしてもその指輪を」と切望しているのに、娘がその遺品を家宝として思っているという状況。

こうした不動産以外のものも含め、分配の仕方を事前に考え、遺言書の中で示しておくことが望ましいです。

また、家族間で一定のコミュニケーションをとりつつ、誰に何を残したいかについて事前に相談しておくことも、後の争族を防ぐため有効な方法です。

心を込めた遺言書を

このように、遺言書には多くの慎重な配慮が必要です。

明確で具体的な遺言書を書くことが、後々の家族のトラブルを未然に防ぐ最善の策です。加えて、遺言書を書くという行為そのものが、残された家族への最後のメッセージともなります。

そこにしっかりと自分の思いを込め、誠意ある形で残すことができれば、家族もそれを受け止め、円滑に手続きを進めることができるでしょう。

だからこそ、一筆一筆に心を込め、将来の家族のためにしっかりと遺言書を用意しておくこと。ただの“書面”ではなく、“未来への贈り物”にするのを忘れないでくださいね。


監修者:原田 如庵
主任介護支援専門員(ケアマネジャー)・社会福祉士。
医療福祉の現場で15年以上にわたり、高齢者やそのご家族への相談支援に携わる。地域包括支援センターや在宅介護の現場での経験を活かし、終活やエンディングノート、相続準備など人生のしまい方に関する情報を、現場目線でわかりやすく伝えることを心がけている。