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「おしっこが漏れる…」産後の女性に多い『尿もれ』悩み → 医師が教える“意外な改善方法”とは?【医師解説】

  • 2025.5.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

妊娠中や出産後に尿もれを経験する女性は、実は多いんです。「まさか自分が」と驚く方もいるかもしれませんが、これは決して珍しいことではありません。

正しい知識や対処法を知っていれば心配はいりません。医師の解説を元に、なぜ産前・産後に尿もれが発生するのか解説します。

「骨盤底筋」の伸びが原因に

まず、尿もれの原因として知っておきたい「骨盤底筋」について解説します。この筋肉は、妊娠中に大きくなった子宮を支え、出産時には赤ちゃんが産道を通るのを助けてくれるもの。

この重要な役割を担う骨盤底筋が、妊娠や出産の過程で伸びたり、時にはダメージを受けたりすることで、産前・産後に尿もれが発生しやすくなります。

妊娠中の体はお腹が大きくなるだけではなく、さまざまな変化が。例えば、ホルモンバランスの変化で筋肉や結合組織が柔らかくなり、その影響で骨盤底筋が緩みやすくなるのです。

尿もれの改善方法と対策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、どうやってこの尿もれ問題を改善できるのでしょうか?ポイントは、骨盤底筋を再び鍛えることです。

具体的な方法として、ケーゲル体操が非常に効果的だといわれています。

ケーゲル体操は、骨盤底筋を意識して締めたり緩めたりする運動で、日常生活の中で場所を選ばずできるのが嬉しいポイント。ただし、身体の状態によっては体操を控えたほうがいい場合もあるので、まずは必ず医師と相談をしてください。

ケーゲル体操のやり方はとてもシンプル。まずリラックスした状態で座り、骨盤底筋をゆっくりと締め付けるように意識してください。このとき、腹筋やお尻の筋肉は使わないように注意しましょう。息を止める必要はなく、自然な呼吸を続けながら行ってください。1回の締め付けを3〜5秒ほど持続し、その後ゆっくりと筋肉を緩めます。これを1セット10回とし、1日に3回を目安に行うと良いでしょう。

初心者は、最初は推奨のセット数を達成するのが難しいかもしれませんが、焦らず自身のペースで増やしていけばOKです。すべての動作を正確に行うことが大切なので、無理をせず行ってみてください。

また、産後の体調や生活スタイルに合わせたフィットネスもおすすめです。ヨガやピラティスなど、骨盤底筋を意識した運動を取り入れることで、全体の筋力バランスを整えながら改善を目指すことができます。

自分にあった対策を見つけて、前向きに取り組もう!

産前・産後の尿もれは、多くの人が悩んでいる問題です。

まずは、どのくらいの頻度で起きるのかなどをメモし、担当医や専門家などに相談をしてみてください。特に妊娠中は、赤ちゃんや母体の状況に応じて安静が必須な場合もあります。

自分の状態を把握し、それにあった対策を相談することが何より大切です。1人で悩まず、まずは相談してみてくださいね。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。