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医師「放置しないで」→『子どもの肩こり』が急増中…親ができる“3つの対策”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

スマホやタブレットが当たり前になった現代、大人だけでなく、子どもたちの生活も大きく変わりました。実は子どもでも肩こりに悩んでいる人が増えているそうです。何故こんなことが起きているのでしょうか?

ただの肩こりだと思って放っておくと、危険な状態に陥ることもあると言われています。ここでは、その原因と予防方法についてお伝えします。

子どもの肩こり、急増の背後にある原因

子どもの肩こりが増えている背景には、いくつかの原因があります。最大の要因は、何といってもスマホやタブレットといったデジタルデバイスの使用時間の増加です。同じ姿勢を取り続けることだけでなく、目を動かさないことによる眼精疲労なども肩こりの要因になっています。

また、運動不足も大きな問題です。コロナ禍以降、外で遊ぶ機会が減ったり、遊ぶ内容が変化したことで、身体を動かす機会が大幅に減っているといわれています。身体を動かす機会が減ってしまうことで、肩の筋肉や周辺の柔軟性が失われ、ちょっと疲れても回復しにくい状態に。

また、教科書やノートに加え、重いタブレットを毎日持ち運ぶ子どもも多く、肩こりを感じる場合もあるようです。

肩こりを放置するリスクと家庭でできる予防策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、この肩こりを放置するとどんな問題が起きるのでしょうか?特に成長期の子どもにとって、肩こりをそのままにしておくと姿勢が悪化し、首や背骨にまで負担がかかる恐れがあります。また、放っておくと肩こりによる頭痛や疲れやすさなどの症状がでることも。

そこで、家庭でできる簡単な予防策がいくつかあります。

まず、定期的に休憩を入れること。ゲームだけでなく、勉強をしている際も長時間同じ姿勢を取ることは避けたほうが良いでしょう。30分を超えたら5分程度の休憩を取ることを心がけてください。その時に簡単なストレッチを加えると効果的です。特に、首や肩(肩甲骨)を軽く動かすストレッチを日常化すると、筋肉の緊張を和らげることができます。

また、座っている際に骨盤を立てるように意識することで、背骨や首がまっすぐになるので、普段の姿勢も気をつけてみましょう。背筋に力が入りすぎてしまうと、反り過ぎてしまう場合があるため、反りすぎている場合は、その位置から少し背中を丸める方向に動かし、背筋の力が抜けた位置が理想的です。

また、長時間同じ姿勢でいるのを避けるために、デスク環境を工夫することも大切です。椅子と机の高さを調整し、正しい姿勢で座る習慣をつけましょう。顎や顔を突き出した姿勢で、デジタルデバイスを見続けると眼精疲労が起こりやすくなります。顔とデジタルデバイスの距離をできるだけ離し、眼精疲労も予防しましょう。

少しでも気になったら対策を

子どもの肩こりは、大人になってからの健康にも大きく影響する可能性があります。しかし、ちょっとした工夫と注意で回避することができるのです。親としては、子どもの生活習慣を注意深く観察し、肩こりの兆候が見られる場合は積極的にストレッチや休憩を心がけましょう。

ただし、既に肩こりの症状がひどい場合や気になる場合は早めに医師や専門家に相談してみてください。大人だけと思わず、子どもの肩こりとしっかり向き合いましょう。


監修者:鞆 浩康(とも・ひろやす)

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整形外科医
オルソグループ会長

大阪府出身。高知医科大学医学部卒業後、岸和田徳洲会病院や大阪市立大学附属病院で整形外科医として経験を積む。手技療法に強い関心を持ち、2004年12月24日にオルソグループを設立。「医療と健康を通じて、笑顔と元気を届ける」を理念に掲げ、健康寿命の延伸と平均寿命との差を縮めることを使命とし、休息・栄養・運動・手技療法・地域医療を連携させた「究極の医療グループ」を目指して活動している。
オルソグループ:https://ortho-g.co.jp/