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『身近な人が亡くなったら…』“スマホ”はどうする?!→ 死後に備えておくべき、“遺品の整理法”とは?【プロが監修】

  • 2025.5.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

インターネットと共に生活する現代社会。私たちは見えないデータの海に、写真やメール、SNSの投稿など、さまざまな形で日々の活動を記録しています。ところで、皆さんは「デジタル遺品」という言葉をご存じでしょうか。これは、インターネット上やデジタルデバイスに残された故人の情報を指します。この概念が重要視されるようになってきている背景には、実は大切な理由があるんです。今日はその核心に迫ってみましょう。

デジタル遺品の重要性とは?なぜ対策が必要なのか

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

私たちが生前に使っているスマホやパソコンには、大量のデジタルデータが保存されています。

例えばスマホには、家族や友人との写真、思い出のメッセージ、銀行アプリのデータなど、多くの重要な情報が詰まっています。

しかし、パスワードという“鍵”がかかっているこれらの情報にアクセスするのは、当事者以外には簡単にはできません。もし持ち主が急に亡くなってしまったら、これらのデータはどうなるのでしょうか?

遺族が故人のデジタル資産にアクセスするのは、法律やプライバシーの問題が絡み合ったり、相続トラブルに発展したり、一筋縄ではいかない場合があります。

例えば、SNSアカウントの存続やデータの削除を望んでも、管理会社の規約によっては対応してもらえないこともあります。これがデジタル遺品が抱える難しさの一例です。

具体例とデジタル遺品整理の手法

デジタル遺品には、単なる思い出以上の価値があることがあります。

たとえば、故人の銀行口座へのアクセス情報や、業務上の重要なメール、はたまた暗号資産のウォレット情報などが含まれているかもしれません。

これらが残された場合、家族は故人の資産を適切に管理したり、法律手続きをするためにアクセスが必要不可欠となることがあります。

このような事例に備えて、デジタル遺品整理の考え方が注目を集めています。まず、普段使っているアカウントやパスワードのリストを作成し、家族や信頼できる第三者とその管理方法を共有することが推奨されています。

また、多くのメールサービスやSNSは、事前にアクセス委任できる機能(Googleでは「不在通知」やFacebookの「メモリアル化」機能など)があるため、これらをうまく活用することも一つの手です。

デジタル時代になお一層重要になる家族との共有

デジタル遺品の問題は、一見すると未来の遠い課題と思われがちですが、「備えあれば憂いなし」というように、今まさに向き合っておくべき課題です。

スマホやパソコンのパスワードを家族と適切に共有し、必要な情報へのアクセス方法を前もって考えておくことで、いざという時に大きな安心感を得ることができます。

私たちの生活はますますデジタル依存度を高めています。これからもその傾向が続くでしょう。

だからこそ、一人一人がこの問題を他人事と捉えず、デジタル遺品についての対策を考え、家族と話し合ってみることをおすすめします。しっかりとした備えをすることで、より良い時代に向けて、家族の絆を深められるのではないでしょうか。


監修者:原田 如庵
主任介護支援専門員(ケアマネジャー)・社会福祉士。
医療福祉の現場で15年以上にわたり、高齢者やそのご家族への相談支援に携わる。地域包括支援センターや在宅介護の現場での経験を活かし、終活やエンディングノート、相続準備など人生のしまい方に関する情報を、現場目線でわかりやすく伝えることを心がけている。