1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 賞味期限切れの油は使える?【サラダ油・オリーブオイル】種類別、食べると危険な状態や処理の仕方を専門家が解説

賞味期限切れの油は使える?【サラダ油・オリーブオイル】種類別、食べると危険な状態や処理の仕方を専門家が解説

  • 2025.4.30

野菜や肉と違い、「古くなったかどうか」の見分け方が難しい油。知らないうちに賞味期限切れの油を使い続けてしまうことも……。実は、酸化して傷んだ油を使い続けると、思わぬ健康被害を招くことになる可能性があるというから注意が必要。今回は、油の賞味期限と見極め方や管理栄養士の荒井名南さんが徹底解説!(下記「」内、荒井さん)

油の賞味期限が切れる原因とは?

Women's Health

「油は、空気中の酸素や光、熱の影響を受けて少しずつ劣化していきます。この現象を『酸化』と呼び、時間の経過とともに風味や見た目が変わるだけでなく、体に悪影響を与える物質が生成されることがあります。油に含まれる不飽和脂肪酸が酸素と結びつくことで、『過酸化物(ハイドロパーオキシド)』が生成され、これが分解されて『アルデヒド』や『ケトン』など、刺激臭のある物質が生まれます。いわゆる油くさいニオイや苦味の原因となる物質です。酸化がさらに進むと、油は褐色に変色し、ねばり気も増します。消化器に負担をかけるだけでなく、健康リスクを高める有害成分を多く含ことがあり、食用には適しません」

未開封と開封後で変わる油の保管期限

Women's Health

油の保存期間は、容器の材質や保管環境によっても変わるという。容器別の賞味期限の目安を見ていこう。

【プラスチック容器】

未開封:1年以内が目安。

光や酸素を通しやすく、比較的劣化しやすいという特徴がある。

【缶】

未開封:2年が目安。

プラスチック容器より遮光性・密閉性が高い。

【瓶】

未開封:2年が目安(※遮光瓶の場合)。

透明瓶の場合は劣化が早くなるため注意が必要。

開封後は……? どの容器であっても、開封後は1〜2ヶ月以内を目安に使い切るのが理想。

賞味期限切れ油の見分け方:色・におい・味

「こうなったら食べない方がよい」という見分け方を、油の種類別に解説。どの油も、匂いや味に違和感を覚える場合は使用を中止しよう。

【サラダ油】

「色が濃くなる(黄褐色に変化)、刺激臭がする、食べると舌にピリピリした苦味を感じるます」

【オリーブオイル】

「フルーティーな香りが消える、異臭がする、粘度が高まるといった状態になります」

【ごま油】

「香ばしさが薄れ、不快なにおいがする、色が極端に濃くなる粘り気が増すといった状態になります」

【亜麻仁油】

「亜麻仁油は酸化しやすく、酸敗すると酸味や苦味を感じるようになります」

【ココナッツオイル】

「酸化に強いという性質を持ちますが、古くなると白濁し、酸っぱいにおいがすることがあります」

健康リスクは?酸敗した油を摂取した場合の影響

Women's Health

「酸化した油には『過酸化脂質』や『アクロレイン』など、細胞を傷つける『活性酸素』を発生させる成分が含まれます。これら摂取すると、腹痛や下痢といった胃腸の不調が見られたり、継続的に摂取すると動脈硬化肝障害発がんのリスクが高まることが指摘されています」

賞味期限切れでも使える?上手な再利用のアイデア

Women's Health

こちらについては、油自体の安全性が担保できるか不確定なため、無理せず正しい方法で廃棄するのがおすすめ。

安全に捨てるための正しい廃油処理方法

使った油やもし油が余ってしまった場合に、安全に捨てるための方法を紹介。

①市販の凝固剤を使う

パッケージの表記に従って油に凝固剤を入れて固めて処分する。

②新聞紙や布に吸わせて処分

冷めた油を新聞紙やキッチンペーパーに吸わせ、ビニール袋に入れて処分する。

③自治体の回収制度を利用

使用済み食用油の回収サービスを実施している自治体もある。資源としてバイオ燃料に再利用されること。お住まいの自治体の対応について調べてみよう。

まとめ

いかがでしたか?油はつい大きなボトルで買ってしまいがちで、気づかないうちに賞味期限が切れていることも。実は、古くなった油を使い続けると、思っている以上に体に悪影響が。この機会にぜひキッチンの油をチェックして、安全に使えるかどうか確認してみて!

Women's Health

荒井名南(あらい・めいな)さん

管理栄養士、健康食育ジュニアマスター、離乳食アドバイザー1992年、千葉県生まれ東京医療保健大学卒業後、保育園で5年間給食管理に携わり、独立。現在は「親子のしあわせごはん」をテーマにWEB媒体の記事執筆・監修・レシピ提供をする他、地元の農産物を使った商品開発などを手がける。2児の母。

元記事で読む
の記事をもっとみる