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「登場人物全員クズ」「まるで救いのない映画」“後味が悪すぎる脚本”に戦慄…なのに大絶賛された名作

  • 2025.5.31

予想外の展開が続く作品は視聴者の感情を大きく揺さぶり、強烈なインパクトを与えます。今回は、そんな“予想外の展開”に度肝を抜かれる名作5選をセレクトしました。

本記事では第2弾として、2017年公開の映画『愚行録』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

名作映画『愚行録』

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『愚行録』
  • 公開日:2017年2月18日

あらすじ

貫井徳郎作の同名小説を原作に、石川慶監督、向井康介脚本で映画化。

閑静な住宅街で起きた田向一家惨殺事件から一年。大手デベロッパー勤務のエリートサラリーマン・田向浩樹(小出恵介)、上品な美人の妻・友季恵(松本若菜)、そして娘・(渡辺彩恵)という理想的な家族は、未だ犯人不明のまま風化しつつありました。週刊誌記者の田中武志(妻夫木聡)は、改めて事件の真相を追うべく取材を開始します。

田中は田向夫妻の同僚、学生時代の同級生、かつての恋人など、関係者たちにインタビューを重ねていきます。そこで語られるのは、誰もが羨む表向きの姿とは裏腹に、夫婦の意外な素顔や人間関係でした―。

あまりにもリアルな人間の愚かさを描く…映画『愚行録』の見どころ ※ネタバレあり

映画『愚行録』は一家惨殺事件の真相を追う主人公を描いたストーリーなだけあって、終始重く暗い雰囲気が漂っています。そのため、SNSなどでは「人間の嫌な部分を全面的に見せられているような、まるで救いのない映画でした」「登場人物全員クズ でも人間なんてあんなものだよな」など、一部の視聴者からは厳しい声も寄せられていたようです。

一方で、人間の愚かさや心の闇を容赦なく描き出す展開が好評を集めていました。決してスッキリしない、むしろ救いがない結末であるものの、それこそが本作にリアリティや深みを持たせています

「嫌なやつっぽいけど、もっと裏があった…絶望感を感じさせる妻夫木聡の演技がすごい」「満島ひかりの狂った演技に夢中になった」と、主演陣への演技の評価も高く、「ここまでリアルに、人間の愚かさと生々しさを描ききった映画はそう存在しない」「人間の奥底に眠る攻撃意識がムクっと起き上がる瞬間を淡々と映像化してて面白い」「キャスティング最高」など、多くの方から絶賛の声が寄せられていました。

言葉を交わさずに完璧な兄妹役を演じる演技力…

映画『愚行録』にて、複雑な関係ながらも強い信頼関係で結ばれている田中武志・光子の兄妹役を演じた妻夫木聡さんと満島ひかりさん。難しい役柄でありながら兄妹役を好演した2人ですが、役作りのための打ち合わせはどは一切しなかったのだとか。

話さないことが良いことにつながるという匂いがあったから、現場でもそんなに話していないんです。(今作では)お互いを分かっているなかで発するひと言ひと言がすごく重要だったりする。距離がすごく近いんだけれど遠いみたいな。出典:映画.com『愚行録』インタビュー内

上記のように、役作りについてコメントした妻夫木さん。さまざまな現場で素晴らしい演技を披露してきた2人の経験値が織り成せる技だと言えるでしょう。その演技力を評価され、満島ひかりさんは第41回日本アカデミー賞で優秀助演女優賞を受賞されています。

まだ映画『愚行録』を観たことがない方、また本記事を読んで映画『愚行録』に興味を持っていただけた方は、“覗いてはいけない人間の深淵”をぜひ目撃してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です