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「限りなく胸糞」「強烈な鬱映画」ヒロインすら“ドン引き”した狂気の衝撃作…でも傑作と絶賛されるワケ

  • 2025.5.31

衝撃のバッドエンドに、思わず「見なきゃよかった」と後悔してしまいそうになる作品。しかし、バッドエンド作品は私たちの感情を深く揺さぶり、忘れられない体験を与えてくれます。今回は、そんな“救いのない結末”に心が揺さぶられる名作5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、2022年公開の映画『神は見返りを求める』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

名作映画『神は見返りを求める』

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(C)SANKEI
  • 作品名:映画『神は見返りを求める』
  • 公開日:2022年6月24日

あらすじ

イベント会社に勤める・田母神尚樹(ムロツヨシ)は、合コンで動画クリエイターとして活動する大学生・川合優里(岸井ゆきの)と出会います。いわゆる底辺動画クリエイターの川谷を気の毒に思った田母神は、彼女の動画制作の手伝いを始めるのでした。

「いいね」やコメントといった分かりやすい見返りを餌に、田母神は川合の承認欲求を巧みに利用し、彼女の日常を切り取った動画をSNSに投稿していきます。予想外にも動画は共感を呼び、フォロワー数は急増。川合は、一躍インフルエンサーとなりました。

人気が高まるにつれて、求められることに喜びを感じる川合。次第に、人気の火付け役となった田母神の恩を仇で返すように、彼に対して冷たい行動を取るようになります。そんな川谷に裏切られた田母神の愛情は歪み始め、狂気的な行動に出るようになるのでした―。

予想外の展開と描かれる人間の狂気※ネタバレあり

映画『神は見返りを求める』では、岸井ゆきのさん演じるYouTuberの川合のキャラクターに対し、批判が集まっていたようです。川谷はムロツヨシさん演じる田母神の恩をすべて忘れ、調子に乗って後先を考えず、最後には衝撃の事件に巻き込まれてしまいます。

そんな川合に対し、一部の方からは「終始YouTuberをバカにしたような感じな気がした」「浅はかさにこいつが天狗になる前から苛立ちが止まらない」「落ち込むくらい強烈な鬱映画だった」などの声が寄せられていたようです。

一方で、主役を演じたムロさんと岸井さんの演技力は高く評価されていました。特にこれまでコミカルな役柄のイメージが強かったムロさんが、シリアスで狂気にも似た執念を見せる演技は、観る者の心を掴みます。

SNSでは「ムロツヨシの怪演も見どころで良作」「狂気と哀愁に満ちたムロツヨシの芝居は圧巻。限りなく胸糞ながら心震える傑作」「ムロツヨシも岸井ゆきのも演技がうますぎる」など、絶賛の声が多く寄せられていました。

名演女優「…嫌だったぁ」同作への思いを吐露

映画『神は見返りを求める』で恩を仇で返す女・川合優里を演じた岸井ゆきのさん。監督の吉田恵輔さんとは映画『銀の匙 Silver Spoon』以来のタッグであり、当時から岸井さんの演技力を高く評価していました。

そんな岸井さんは、インタビューで映画『神は見返りを求める』について次のように意外な本音を吐露しています。

取材受けるにあたって、映画を観返したんですけど……嫌だったぁ。嫌な気持ちしたぁ(笑)。観る日のテンションによっても、誰に自分を投影するかによっても、ラストの感じ方も違うんです。出典:ぴあニュース『神は見返りを求める』動画インタビュー内

ヒロインを務めた岸井さんですら、「嫌だったぁ」とドン引きしてしまうほどの同作。まだ映画『神は見返りを求める』を観たことがない方、また本記事を読んで映画『神は見返りを求める』に興味を持っていただけた方は、“面白くも愚かな人間模様”をぜひ目撃してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です