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「自分たちの時代は〜」「空気読め」→ 実は“ハラスメント”に該当しているかも?!…職場で避けるべき“NGワード”とは?

  • 2025.5.16
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「そんなつもりじゃなかったのに、なぜか空気が悪くなった」「部下が明らかに距離をとっている気がする」――。職場でそんな違和感を覚えたことはありませんか?
近年、ハラスメントへの意識が高まる中で、「何がNGなのか分からない」「昔は普通だったのに」と戸惑う声も多く聞かれます。しかし、上司や先輩が発する“無意識のひと言”が、部下を深く傷つけたり、職場の信頼関係を壊したりしてしまうことがあるのです。
今回は、「つい言ってしまいがち」だけれど、実はハラスメントと受け取られる可能性のあるNG表現を取り上げます。

「昔はこうだった」は価値観の押しつけになっていないか?

部下の働きぶりや考え方に対して、「自分たちの時代はもっと厳しかった」「自分なんて寝ずに働いたよ」といった言葉を口にしていませんか?
これは“ジェネレーションギャップ”を埋めるどころか、逆に溝を深める原因になりかねません。

背景には、「若手が甘えている」「努力が足りない」といった先入観があることが多く、無意識に“価値観の押しつけ”が行われてしまっているのです。
こうした発言は、受け手にとっては「自分を否定された」「認めてもらえない」と感じる原因となり、やる気を削ぐだけでなく、職場への帰属意識を弱める可能性もあります。

また、「自分の時代はこうだった」という回顧は、現代の働き方や価値観を否定することにもつながります。

今の職場環境は、多様性やワークライフバランスが重視される時代。過去の成功体験を絶対視するのではなく、目の前の部下の個性や状況に寄り添った指導が求められています。

「気を遣え」「空気を読め」は曖昧すぎてパワハラに発展も

もう一つ、つい口にしてしまいがちなフレーズに、「もっと気を遣えよ」「空気読めないのか?」といった言葉があります。

これらは、具体性がなく、部下からすると「どうすればいいのか分からない」ままストレスだけが残る、非常に危険な言い回しです。

たとえば、業務上の連携がうまくいかなかったときに「お前が気を利かせればよかった」と言われても、部下は何をどう改善すればいいのかがわかりません。それどころか、「自分の存在を否定された」と感じてしまうこともあります。

このような“曖昧な要求”や“精神論”による叱責は、近年の労働トラブルにおいてパワーハラスメントの一因と見なされるケースが増えています。

また、「気を遣え」と言う側には悪気がなかったとしても、受け手が「理不尽」と感じれば、それはすでにハラスメントの予備軍。
上司として大切なのは、“感じ方”を尊重することです。

「どうしてそうしたのか」「どこでつまずいたのか」を丁寧に聞き出し、必要なポイントを具体的に伝える姿勢が、信頼を築くうえで不可欠なのです。

小さな言葉が、職場の空気を変える

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

上司や先輩の立場になると、どうしても「指導しなければ」「正してあげなければ」と思いがちです。

ですが、その“ひと言”が、無意識のうちに部下を追い詰めていないか、立ち止まって考えることが求められる時代になっています。

大切なのは、「昔はこうだった」と語ることではなく、「今、どう伝えたら伝わるか」を考えること。叱るよりも、気づかせる。否定するよりも、対話する。
そんなコミュニケーションが、部下の成長を支えるだけでなく、職場全体の信頼関係や生産性を高めていく鍵になります。

「それ、もしかしたらハラスメントかも…」と思ったときこそ、自分の言葉を見直すチャンスです。

誰かを傷つけるためではなく、支えるための言葉を選びましょう。小さな言葉の積み重ねが、健全な職場の空気をつくっていくのです。


監修者:川谷潤太(かわたに じゅんた)(株式会社脳レボ 代表)

兵庫県の大手学習塾において、当時最年少で校⻑に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う学習塾に発展させ、講師研修や入試特番テレビのコメンテーターなども務める。

その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革とスポーツメンタル指導を担当。史上最速、創設1年、全員1年生で甲子園に出場した硬式野球部では3季連続甲子園出場を果たし、6名のプロ野球選手が誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部では日本一や世界一の選手も輩出した。

2019年に株式会社 脳レボを創設し、オリンピック選手やプロ野球選手など、アスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども‧保護者‧教員向けの教育講演、企業の人材育成マネジメントや研修などを手がけ、講演回数は8年間で1,500回以上、受講者は12万名を突破。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした、具体的かつ実践的な手法により、多くの方の願望目標達成をサポートしている。