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『実は嫌われてる上司』には“意外な共通点”があった…→当てはまったら要注意!部下への“NG指導”とは?【プロが監修】

  • 2025.5.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「なんだか最近、部下の様子がよそよそしい気がする」「急に退職の話を切り出されて驚いた」——そんな経験を持つ上司は少なくありません。
職場の離職理由にはさまざまな要因がありますが、実はその多くが「人間関係」、中でも「上司との関係」が影響していると言われています。とくに厄介なのが、上司自身に自覚がないまま、部下に“辞めたくなるほどのストレス”を与えてしまっているケースです。
今回は、上司がついやってしまいがちな“NG指導”のパターンを紹介しながら、部下との関係を良好に保つためのヒントを探ります。

「指導」と「否定」を履き違えていないか?

部下がミスをしたとき、指導するのは上司の大切な役目です。

しかし、この「指導」が「人格の否定」や「感情的な叱責」になってしまっているケースは少なくありません。

たとえば、「こんなのも分からないの?」「前にも言ったよね?」といった言葉は、相手にとっては単なる指摘ではなく、自尊心を大きく傷つけるものになります。
特に今の若手社員は、「理不尽な怒られ方」を非常に敏感に感じ取ります。一度「この上司とはもう無理だ」と思われてしまうと、その後どんなに良いアドバイスをしても、心には届きません。

指導の基本は、「何がどう問題だったのか」「どうすれば改善できるのか」を、冷静に、具体的に伝えること。
「失敗してしまったのは〇〇の手順が抜けていたからだと思う。次からはこのチェックリストを使ってみよう」といったように、“改善策にフォーカスした対話”ができるかどうかが、信頼関係を築く鍵です。

「見て覚えて」は時代遅れ。“放置型”も信頼を損なう

もうひとつのNG指導の典型が、“放置型”の育成スタイルです。
「新人は見て覚えるもの」「聞かれたら教えるスタンスでいい」といった考え方は、もはや時代遅れ。特にテレワークの普及やオンライン環境が整った現代では、部下が何につまずいているのかを“見えないまま放置してしまう”リスクも増えています。

「最初に説明したよね?」「マニュアルに書いてあるよね?」と突き放す前に、「困ってることない?」「この部分は一緒に確認しようか」と声をかけるだけで、部下の安心感は大きく変わります。

また、進捗をまったく把握せず、いきなり締切前に詰めるような関わり方も、部下にとっては「管理されていない」「見捨てられている」と感じる原因に。適度な“フォロー”と“関与”のバランスを取ることが、上司に求められるスキルになっています。

今どきの部下にとっての理想の上司像は、“ほっといてくれる人”ではなく、“見守ってくれる人”。この違いを意識できるかどうかで、育成の成果も人間関係も大きく変わってきます。

“辞めたくなる”職場から“ここで働きたい”職場へ

上司と部下の関係は、職場の空気を大きく左右します。ちょっとした言い方や接し方ひとつで、信頼を深めることもあれば、関係が一気に冷え込んでしまうこともあるのです。

重要なのは、「自分の指導が正しい」と思い込まず、常に“伝わり方”や“受け取られ方”に意識を向けること。「相手の立場に立つ」ことは、単なる美徳ではなく、現代のマネジメントにおける必須スキルです。

部下の成長を支える存在でありたいなら、「叱る」より「支える」、「命じる」より「伴走する」。
辞めたくなる原因をつくらないためにも、まずは自分の指導スタイルを見直してみませんか?


監修者:川谷潤太(かわたに じゅんた)(株式会社脳レボ 代表)

兵庫県の大手学習塾において、当時最年少で校⻑に就任後、1教室で1,000名以上の生徒が通う学習塾に発展させ、講師研修や入試特番テレビのコメンテーターなども務める。

その後、岡山県の創志学園高校へ赴任し、学校改革とスポーツメンタル指導を担当。史上最速、創設1年、全員1年生で甲子園に出場した硬式野球部では3季連続甲子園出場を果たし、6名のプロ野球選手が誕生。ソフトボール部では3季連続日本一、柔道部では日本一や世界一の選手も輩出した。

2019年に株式会社 脳レボを創設し、オリンピック選手やプロ野球選手など、アスリートやスポーツチームへのメンタル指導、子ども‧保護者‧教員向けの教育講演、企業の人材育成マネジメントや研修などを手がけ、講演回数は8年間で1,500回以上、受講者は12万名を突破。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした、具体的かつ実践的な手法により、多くの方の願望目標達成をサポートしている。