1. トップ
  2. 医師「歯が欠けたりすることも…」→睡眠中の『歯ぎしり』は危険だった…知られざる“意外な原因”と対策とは?【医師が監修】

医師「歯が欠けたりすることも…」→睡眠中の『歯ぎしり』は危険だった…知られざる“意外な原因”と対策とは?【医師が監修】

  • 2025.5.19
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

「あれ?最近、歯がちょっと痛い…」「朝起きたら顎が疲れてる…」そんな経験、ありませんか?もしかしたら、知らず知らずのうちに、睡眠中に歯ぎしりをしているかもしれません。

今回は、気づきにくい歯ぎしりの症状や、その原因、そして効果的な対策について医師の意見を元に詳しく解説します。

歯ぎしりは寝ている時だけではなく…

歯ぎしりとは、歯を食いしばったり、上下の歯を擦り合わせたりする習慣のことです。

寝ている時だけでなく、起きていても何かに集中している時に起こる場合もあります。

多くの人は寝ている時に歯ぎしりをしていることが多いため、自覚がなく、朝起きた時の顎の痛みや頭痛で初めて気づくケースが多いようです。

主な原因は『ストレス』

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

歯ぎしりの主な原因として挙げられるのが、ストレスです。現代社会は仕事や人間関係など、ストレスを抱えやすい環境ですよね。

コロナ禍で歯ぎしりの患者数がより増加したとも言われています。

ストレスを感じると、交感神経が興奮し、睡眠中に無意識に歯を食いしばったり、擦り合わせたりしてしまうのです。

他にも、不規則な生活習慣やカフェインの過剰摂取なども、歯ぎしりを悪化させる要因として考えられています。また、常日頃のくせで食いしばってしまう人もいるので、食いしばっていないか?と意識してみるとよいでしょう。

歯ぎしりによって引き起こされる症状と対処法

軽度の歯ぎしりは問題ないこともありますが、歯ぎしりをすることで、顎の痛みや、歯の痛み、頭痛、耳鳴りなどの症状が出る場合も。

さらに、歯の表面がすり減ったり、歯が欠けたり、歯が敏感になることも考えられます、 また、顎関節に負担がかかることで、口を開けづらい、顎がカクカクするなどの症状が現れる場合もあります。ひどくなると歯周病、顎関節症などの深刻な問題を引き起こす可能性も。放置せず、早めの対処が大切になってきます。

歯ぎしりの解決方法はいくつかありますが、代表的なのは『ナイトガード』を使った方法です。

ナイトガードは、睡眠中に使用するマウスピースのことで、装着して眠ることで上下の歯が直接当たらないようにします。近年では咬む筋肉(咬筋)にボツリヌス菌から抽出した成分を注射し、筋肉の緊張を緩和する「咬筋ボツリヌス治療」も注目されてきています。歯科や専門医に相談してみましょう。

また、この他にも睡眠環境を整えたり、リラックスした環境での睡眠を心がけたり、ストレスを緩和させるための自己ケアなども効果があるといわれています。

歯ぎしりかもと思ったら放置しないで!

歯ぎしりは、放置すると様々な健康問題につながる可能性があります。

まずは、日頃から自分の身体のサインに注意を払うことが大切です。自分ではなかなか気づきにくい症状ですが、適切な対策をすることで、健康な歯を守ることができます。

放置すると歯以外にもさまざまな不調を感じることがあるので、少しでも気になる症状があれば、歯科や専門医を受診しましょう。


越智 英行(おち・ひでゆき)
医師(歯科・日本口腔外科学会 認定医・日本外傷歯学学会 認定医)

undefined

昭和大学歯学部卒業。東京女子医科大学病院(歯科口腔外科)入局後、昭和大学大学院歯学研究科(臨床系歯科麻酔科学)修了。同大学歯学部全身管理歯科学歯科麻酔科助教を経て、コンパスメディカルグループ「医療法人社団コンパス」の常務理事に就任。現在はコンパス内科歯科クリニック赤羽(https://www.compass-dc.jp/akabane/)の院長も兼任。患者さんのQOL向上に寄与し、患者さんが笑顔になれる様な治療を心がける。歯学博士。日本口腔外科学会認定医、日本外傷歯学会認定医。