『炭水化物抜きダイエット』には“意外な落とし穴”があった…→逆に太りやすくなる「NG行動」とは？【医師監修】

「炭水化物抜きダイエットで、あっという間に5キロ痩せた！」なんて話を聞くと、ついつい自分も始めてみたくなりますよね。でもちょっと待ってください！医師からは「気を付けて」という声が上がっています。

一見効果的なように見える炭水化物抜きダイエットですが、実は思わぬ落とし穴が潜んでいるんです。この記事では、医師の意見も踏まえながら、その落とし穴と安全にダイエットを進めるための対策法を詳しく解説します。

炭水化物抜きダイエットとは

炭水化物抜きダイエットは、ご飯やパン、麺類といった炭水化物を制限することで、摂取カロリーを減らし、体重を落とすダイエット方法です。

初期段階では、体内のグリコーゲン（糖の貯蔵物質）が消費されるため、体重が短期間で減少する効果が見られます。

これは、水分が減ったことによる効果も含まれており、実際の脂肪減少とは異なります。

しかし、この初期の体重減少は、必ずしも健康的なダイエットの成功を示しているわけではないといわれています。

炭水化物には、脳のエネルギー源となるグルコースの他に、ビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含まれています。

炭水化物を極端に制限すると、これらの栄養素が不足し、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。実は野菜や果物も炭水化物の分類に含まれています。

具体的には、倦怠感、集中力低下、便秘、肌荒れ、免疫力の低下などが挙げられます。

また、長期的に炭水化物を摂取しないことで、吐き気や頭痛などの症状が現れる人もいます。さらに、タンパク質や脂質の過剰摂取につながる可能性もあり、肝臓や腎臓への負担も懸念されます。

そのため、過度な制限によりビタミンやミネラルを十分に摂取できなくなった場合、栄養バランスの崩れにより、健康を害するリスクが高まります。

炭水化物を制限したダイエットは、一時的に体重を落とすことはできても、長期的な成功には繋がりません。

なぜなら、極端な食事制限は、体に大きなストレスを与え、基礎代謝を低下させるからです。

ダイエット終了後、元の食生活に戻すと、基礎代謝が低下しているため、少量のカロリー摂取でも太りやすくなり、リバウンドしやすい体質になってしまいます。さらに、炭水化物を完全に抜くことで、精神的にストレスを感じ、暴飲暴食に繋がり、リバウンドを招くケースも少なくありません。

炭水化物抜きダイエットのリスクを理解した上で、健康的にダイエットを進めるためには、炭水化物を完全に排除するのではなく、質と量に気を付けることが重要です。

白米やパンなどの精製された炭水化物よりも、玄米や全粒粉パン、さつまいもなどの未精製穀物や根菜類を選ぶようにしましょう。これらの食品には、食物繊維が豊富に含まれており、満腹感を得やすく、低GI食品といわれています。

また、野菜や果物、良質なタンパク質（魚、肉、大豆製品など）、健康的な脂質（オリーブオイル、ナッツなど）をバランスよく摂取することも大切です。

無理な食事制限ではなく、少しずつ食生活を見直すことで、健康的なダイエットを実現しましょう。適度な運動も忘れずに！

炭水化物抜きダイエットは、短期的な効果は期待できるかもしれませんが、栄養不足やリバウンドのリスクが非常に高いダイエット方法です。

健康を損なうことなく、理想の体型を手に入れるためには、バランスの良い食事と適度な運動を継続することが不可欠です。

ダイエットとは単に体重を減らすことではなく、筋肉や骨量を増やし脂肪を減らす、体のリモデリングです。医師や管理栄養士などの専門家のアドバイスを受けながら、自分に合ったダイエット方法を見つけてみましょう。

監修者：近藤惣一郎（ロンリー侍ドクター） SO グレイスクリニック院長

京都大学医学部卒医学博士(京都大学) 日本美容外科学会専門医日本脳神経外科学会専門医・評議員日本抗加齢学会会員
2010年に美容外科・SOグレイスクリニック（東京・大阪）を開院。
「美は健康の上に成り立つ」をモットーに健康を大切にしたアンチエイジング美容医療を長年にわたり実践