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「夜中に目が覚める」「寝つきが悪い」→実は『更年期』が原因かも?! 眠れないときの“意外な対処法”とは?【医師が監修】

  • 2025.5.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

最近、夜中に何度も目が覚めて、朝までぐっすり眠れない…なんて経験、ありませんか? 年齢を重ねると睡眠の質が悪くなるのはよくある話ですが、もしかしたらそれは単なる加齢による現象だけではないかもしれません。

今回は、更年期と睡眠の意外な関係性について、詳しく見ていきましょう。

更年期と睡眠の深い関係性とは?

更年期は、女性ホルモンの分泌量が減少する時期といわれています。

このホルモンバランスの変化が、睡眠に大きな影響を与えることが分かっています。

具体的には、エストロゲンという女性ホルモンの減少が、睡眠に関わる脳内物質のバランスを崩すことが原因の1つと考えられています。エストロゲンは、睡眠の質を良くするメラトニンというホルモンの分泌を促す働きがあるため、エストロゲンが減少すると、メラトニンの分泌も減ってしまい、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりするのです。

さらに、エストロゲン減少は自律神経にも影響を与え、交感神経が優位になりやすくなります。 交感神経は活動状態を司る神経なので、夜になっても興奮状態が続き、なかなか眠りにつけない、という状況になりがちなのです。

更年期特有の睡眠にまつわる症状

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

更年期の睡眠に関する症状は、単に「寝つきが悪い」だけではありません。

夜中に何度も目が覚めてしまう中途覚醒、朝早く目が覚めて二度寝できない早朝覚醒、熟睡感がないなど、さまざまな症状が現れます。

特に、更年期特有の症状である『ホットフラッシュ』は、睡眠を大きく妨げているといえます。

『ホットフラッシュ』は起きているときはもちろん、寝ている間に急に顔が火照ったり、汗をかいたりする症状です。

『ホットフラッシュ』により、快適な睡眠が妨げられて、再び眠りにつくのが困難になることがあります。 また、更年期には、不安感やイライラといった精神的な症状も現れやすく、これらの症状も睡眠の質を低下させる一因に。

これらの症状に心当たりがある方は、更年期障害の可能性を疑ってみる必要があるかもしれません。

睡眠の質が気になったらどうしたらいい?

眠ってもすぐに起きてしまったり、眠れない日々が続くと「今日も眠れないのでは」と不安になり、焦れば焦るほど目が冴えてしまうことがあります。これが続くと『不眠症』になってしまったりするなど、日常生活にも支障をきたす可能性があります。

生活習慣を改善してみるなど、対策をしてみても睡眠の質が改善されない場合は、専門医やかかりつけ医に相談してみましょう。

場合によっては睡眠薬や漢方が処方されたり、その他の症状に応じて適切な治療を受けることができます。

睡眠と更年期の関係性を理解して、適切な対策を

「最近、眠りが浅い」「朝起きても疲れている」と感じている方は、もしかしたら単なる疲れなどではなく、更年期が原因かもしれません。

適切な対処法を知らずに過ごすと、日常生活に支障をきたすほどの不眠に悩まされる可能性もあります。

まずは、自分の症状をきちんと理解し、適切な医療機関を受診することが大切です。

1人で悩まず、医師や専門家に相談することで、より良い睡眠を取り戻し、快適な生活を過ごすことができるでしょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 峯 陽子

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大学病院にて乳癌診療に従事する傍ら、地域のクリニックでは内科、皮膚科、泌尿器科を担当。女性の健康や体の不調に関する診療経験が豊富で、幅広い知識に基づいた診療を行う。

浅草橋西口クリニック(https://asakusabashi-mo.jp/