歯科医「梅雨時期は強くなるかも」→ “口臭”と“梅雨”の意外な関係…今日から試したい予防法とは？【医師が解説】

「なんだか最近、口のニオイが気になる」「マスクをしていて自分の口臭にハッとした」そんな悩みが、梅雨の時期になると増えているのをご存じですか？

口臭といえば食べ物や歯みがき不足が原因と思われがちですが、実は湿度と気温が高くなる“梅雨”という季節が、口臭を強める一因になっていることがあるのです。
この記事では、梅雨時期に口臭が悪化しやすい理由と、口臭が強くなる人に共通する生活習慣や口内環境の特徴、そして効果的な対策について解説します。

なぜ“梅雨”に口臭が強くなるのか？その仕組みとは

梅雨時期は気温と湿度が高くなりやすく、体調や自律神経にもさまざまな影響を及ぼしますが、口腔内にも思わぬ変化を引き起こします。
その大きな要因となるのが、唾液の分泌量の低下と口内の細菌バランスの乱れです。

唾液は、口の中を潤し、細菌を洗い流す重要な働きを持っています。
しかし、梅雨時期は気圧の変化や湿度による自律神経の乱れ、冷房などによる体の冷えが重なることで、唾液の分泌が減りやすくなるといわれています。

また、梅雨時期は運動不足や水分摂取の減少、ストレスなどが重なりやすく、体全体の代謝や循環機能が低下し、口内の環境も悪化しやすくなるのです。

こうした条件がそろうことで、口の中で揮発性硫黄化合物（VSC）と呼ばれるニオイ成分が増加し、結果として口臭が強く感じられるようになります。

口臭が強くなりやすい人の“意外な共通点”とは？

では、梅雨時期に口臭が悪化しやすい人には、どのような共通点があるのでしょうか？
歯科医が指摘するのは、以下のような生活習慣や体質的な特徴です。

共通点1：口呼吸のクセがある

梅雨は気圧の影響で鼻づまりを起こしやすく、知らないうちに口呼吸がクセになっている人が増えます。
口を開けたまま呼吸をしていると、口内が乾燥しやすくなり、細菌が繁殖しやすい状態に。これが口臭を引き起こす大きな原因のひとつです。

共通点2：朝食を抜く・水分を摂らない

朝の口臭が強いのはよくあることですが、そのまま朝食をとらずに仕事や家事を始めてしまうと、唾液が増えないためニオイが長引く傾向にあります。
さらに、水分補給を忘れると唾液の量が減り、さらに乾燥が進みます。

共通点3：舌の汚れを放置している

舌の表面には「舌苔（ぜったい）」と呼ばれる白い汚れが付着することがあり、これは口臭の原因物質を含んでいます。
ブラッシングだけで満足している人や、舌ケアの習慣がない人は要注意です。

共通点4：ストレスを抱えやすい

ストレスを感じると交感神経が優位になり、唾液の分泌が抑えられます。梅雨時期は気圧や湿度の変化によって自律神経が乱れやすいため、ストレスによる口臭リスクも高まります。

これらの共通点に心当たりがある方は、梅雨時期に口臭が強くなる可能性が高いと考えて良いでしょう。

【まとめ】「湿度と口臭」は意外な関係。季節に合ったケアで口内環境を守ろう

口臭は誰にでも起こりうる現象ですが、「いつもより気になる」「人と話すのが不安になる」と感じたときは、季節や体調の変化が影響しているサインかもしれません。

とくに梅雨のように気温・湿度・気圧の変動が大きい時期は、唾液の減少や生活リズムの乱れが重なりやすく、口内環境も不安定になりがちです。

以下のポイントを意識して、梅雨時期の口臭予防を始めましょう。

• 朝食は必ずとり、唾液の分泌を促す
• 水分はこまめに摂り、口内の乾燥を防ぐ
• 舌の汚れは専用ブラシやガーゼでやさしくケアする
• 鼻づまりやアレルギー対策を行い、口呼吸を防ぐ
• ストレス対策（軽い運動・深呼吸・良質な睡眠）を心がける
• 歯科での定期クリーニングや口臭チェックも有効

梅雨の不快感とともに感じる口臭の悩みも、少しの意識とケアでぐっと改善できるものです。
“季節に合わせた口内環境の整え方”を取り入れて、快適に過ごす習慣を手に入れましょう。

---

監修者：まつむら⻭科クリニック 院⻑ 松村賢（まつむら・けん）

「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015（平成27）年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯（入れ歯）・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学⻭学部卒業(医師免許取得)
東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(⻭学博士)
仙台市内⻭科クリニック 分院⻑
まつむら⻭科クリニック開院