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医師「湿気が多い時期は注意して」→ 『白髪染め』が台無しに…やめた方がいい“4つのNG行動”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.12
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「せっかく染めた白髪がすぐに色落ちした…」「なんだか色ムラが気になる」――
そんな白髪染めのトラブル、実は“湿気の多い季節”に多く発生しているのをご存じでしょうか?

梅雨時期や夏の高湿度環境では、髪の水分バランスやキューティクルの状態が変わりやすく、普段なら問題ない習慣でも白髪染めに悪影響を及ぼすことがあるのです。

この記事では、湿気の時期に特に避けたい“白髪染めが台無しになるNG行動”と、その理由を医師が解説します。

湿気で髪は“染まりにくく、落ちやすい”状態に?

髪の毛は、湿度に大きく左右される性質を持っています。特に日本の梅雨や夏場は、空気中の水分量が高く、髪が過剰に水分を含みやすくなります。

この状態で白髪染めを行うと、以下のようなトラブルが起こりやすくなります:

■キューティクルが開きやすく、染料が定着しにくい

髪の表面を覆っているキューティクルは、湿気や熱によって開きやすくなります。
キューティクルが開いた状態では、染料が髪内部に浸透しづらく、また染まっても色素が抜けやすくなるため、色ムラや退色が早まる原因になります。

■頭皮が汗や皮脂で覆われやすく、薬剤が浸透しにくい

湿度が高い日は、頭皮の皮脂分泌も活発になりがちです。汗や皮脂が染料の浸透を妨げることで、染まりにムラが出たり、持ちが悪くなる可能性があります。

■髪のpHバランスが乱れ、発色が不安定に

白髪染めには、髪の内部構造とpH(酸性・アルカリ性)のバランスが深く関係します。
湿度で髪の状態が不安定になると、本来の色よりもくすんで見えたり、予期せぬ色味になることもあるのです。

このように、「湿気の多い日は染まりにくい・落ちやすい」環境になっているという前提で、白髪染めの方法やその後のケアを工夫することが大切です。

医師が止める“湿気が多い時期のNG行動”とその対策

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

湿気の多い時期に特に避けたいのは、染めた当日に髪を濡らす・熱を当てすぎる・頭皮をこするといった行動です。以下にその理由と、正しい対処法をまとめました。

1.白髪染め後24時間以内に髪を洗う

染料は、施術直後から数時間かけて髪に定着していきます。
特に湿気が高い日は染料の安定が遅れるため、当日のシャンプーは避けるのが鉄則です。
どうしても汗が気になる場合は、ぬるま湯で軽くすすぐ程度にとどめましょう。

2.染めた日に雨や湿気の多い外気に長時間さらす

湿った髪や開いたキューティクルは、外気の湿気を吸いやすくなっています。
染料が安定する前に雨に濡れると、色素が流出しやすくなり、退色の原因に。
染めた日はなるべく外出を控えるか、帽子や傘でしっかり保護しましょう。

3.高温のドライヤーやヘアアイロンを多用する

染めた直後の髪はとてもデリケート。
高温の熱を当てると、キューティクルがさらに開き、染料が飛び出すリスクがあります
ドライヤーは低温〜中温で、毛先よりも根元を中心に乾かすのが基本です。

4.ヘアオイルやスタイリング剤のつけすぎ

湿気対策としてオイルを多用しがちですが、染めた直後の髪に重い油分を乗せると、酸化による変色や、ベタつきからのトーンダウンが起きやすくなります

湿気と白髪染めは相性が悪い。時期に合わせたケアで美しい髪色をキープ

湿度の高い季節は、髪のコンディションが変化しやすく、白髪染めにとっても**「最もデリケートな時期」**です。
せっかく染めた白髪も、ちょっとした習慣のミスで色持ちが悪くなったり、染まりが浅くなることは少なくありません。

だからこそ、以下のようなポイントを意識して、湿気時期のヘアケアを見直しましょう:

  • 白髪染めはなるべく天気の良い・湿度の低い日に
  • 染めた日は髪を濡らさず、汗や湿気からも守る
  • ドライヤーは低温、アイロンの使用は48時間控える
  • トリートメントや保護ミストで髪を守り、色を定着させる

白髪染めは“染めて終わり”ではなく、その後の環境とケアの積み重ねが美しい髪色を左右するのです。
湿気の季節こそ丁寧なケアを意識し、色落ち知らずの艶髪をキープしていきましょう。


監修:林 瑠加
慶應義塾大学形成外科学教室に約10年間在籍し、一般形成外科、小児、再建分野を幅広く担当。慶應義塾大学大学院医学研究科では毛髪再生の研究に取り組み、医学博士を取得。2015年からは4年半、カンボジアに居住し現地での臨床にも従事した。帰国後は形成外科に加え皮膚科、美容皮膚科の経験を積み、2024年11月に品川区西五反田に「LIKKAスキンクリニック」を開業。患者様の身近なお悩みに対応すべく、保険・自由診療双方からのアプローチで診療を行っている。形成外科専門医、抗加齢医学会専門医、臨床毛髪学会評議員。