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プロ「ビジネスシーンで使うのはNG」→『なるほどですね』は敬語ではない?! “NGの理由”をプロが解説

  • 2025.5.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

上司や取引先と話していて、つい「なるほどですね」と相づちを打ってしまうことはないでしょうか? でもその言葉、敬語としては間違っています。その理由をご説明しましょう。

「なるほど」とはどういう意味を持つ言葉?

「なるほど」という言葉を漢字で書くと、「成る程」となります。意味としては「相手の意見を受け入れた上で同意する」ことです。

「成る程」の「成る」には、「ものごとが完成する」「何かが実現する」という意味があります。「程」は「経過」や「道すじ」といった意味です。つまり「成る程」とは本来「ものごとが完成するまでの道すじ」という意味の言葉なのです。

ものごとが完成してしまえば、それ以上は何もする必要がありません。そこから「なるほど」という納得を示す感嘆詞になったのです。

感嘆詞には「なるほど」のほかに、「ああ」「ふーん」「へぇ」といった言葉があります。

「なるほどですね」は話し言葉で敬語ではない

先述のとおり「なるほど」は感嘆詞です。感嘆詞は本来、それ単独で意味を成すため「です」や「だ」をつけるのは文法上不自然です。つけてしまうと、文法的に間違った使い方になってしまいます。

「なるほどですね」はあくまで話し言葉です。「です」がついているからといって敬語になっているわけでもありません。ですからビジネスシーンで使うのはNGなのです。

「なるほど」だけだったらOK?

「なるほど」は「相手の意見を受け入れた上で同意する」という意味だと言いました。多くの人は、相手の話に感心した時、好意的な意味で使っていると思います。

しかし「なるほど」と言われると、「相手の話の価値を上から目線で評価している」と感じて、不快に思う人もいます。そのため、目上の方に対しては「なるほど」という相づち自体も控えるのが無難です。

「なるほどですね」をほかの言葉に置き換えるなら

「なるほどですね」を言い換えるなら、どんな言葉が考えられるでしょうか。

相手の発言を肯定したいなら「おっしゃるとおりです」「そのとおりだと思います」といった言い換えをするのがいいでしょう。

自分が知らないことを教えられたら「そういうことでしたか」「勉強になりました」がベターです。

自分の意見が同じであることを伝えたい場合は、「私も同じように考えておりました」「仰るとおりだと思います」といった表現が適切です。

ビジネスで使える相づちを用意しておこう

「なるほどですね」は文法的に間違っているので、ビジネスシーンで使うのはNGです。でも交互としてはかなり浸透してきているのではないでしょうか。

上司や取引先にうっかり「なるほどですね」と言わないよう、普段から気をつけておきたいものです。また、ビジネスで使える相づちのバリエーションを増やしておけば、「なるほどですね」と言わなくても済むのではないでしょうか。


監修者:鮎永麻琴

元国際線CA。「コミュニケーション帝王学®」開発者。
自分らしいコミュニケーションの在り方や関わり方を伝えるオンラインアカデミーを開校。