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プロ「失礼にあたります」 『座布団』の正しい座り方知ってる?恥をかいてしまうかもしれない“NGマナー5選”

  • 2025.5.28
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

近年は和室のない家が増えたため、座布団にあまりなじみがないという人も珍しくありません。でも座布団は、古くから伝わる日本のおもてなしアイテムです。訪問先で和室に案内された時にとまどわないよう、座布団の使い方をマスターしておきましょう。

NGマナー1:勧められる前に座布団に座る

通された和室に座布団が置いてあっても、勝手に座布団の上に座ってはいけません。その家の人から「どうぞ座布団をお使いください」といったように勧められてから、座布団に座るのが和室のマナーです。

勧められる前に座ると、「自分の方がその家の方よりも立場が上」と受け取られる場合があります。

料亭など飲食店の和室では、目上の人が勧めてきてから座布団を使います。自分が一番目上の場合は、同席者に対して「どうぞお座りください」と勧めるのを忘れないようにしましょう。

NGマナー2:座布団を踏む

座布団は、歓迎やもてなしの気持ちを表すものです。そのため座布団を足で踏みつけるのは、招いた人の気持ちを踏みにじる大変無礼なふるまいです。

座布団に座る際にも、座布団の上に立ってはいけません。いったん座布団の後ろに膝をついてから、膝の横に軽くこぶしをつき、膝でにじるようにして静かに座布団の上に進みます。

NGマナー3:座布団の位置を動かす

座布団は、招いた側からの「ここに座ってください」という意思表示です。勝手に座布団の位置を動かすのは、招いた側のお願いを無視していることで、これも無礼な行為です。

ただ座る人の体格によっては、座布団の位置が座卓に近すぎたり、反対に座卓から遠すぎたりすることもあります。その場合、座布団の位置を前後に少しずらすのはOKです。

座布団をずらす場合、挨拶などで一度座布団から離れた際に、さりげなく位置を調整すると自然です。そして退去する際には必ず、座布団の位置を元に戻します。

NGマナー4:座布団を裏返す

近年は両面使用できるものが多くなりましたが、本来は座布団にも表と裏があります。そのため、座布団を裏返すのは失礼な行為です。

人に座布団を譲る際、座布団が体温で暖まっていると失礼なのではと裏返す人がいます。寄席では演者が交代する際に座布団をひっくり返す慣習があるため、同じ感覚で裏返してしまうのかもしれません。でもそれは、寄席独特の風習です。

誰かに座布団を譲る際には、座布団から降りて、ほこりや汚れを払う意味で座布団の表面を手でさっと撫でればOKです。

NGマナー5:座布団に座ったまま挨拶をする

座布団は、柔らかい綿の上で座った人に寛いでほしいという、もてなしの心を示すものです。そのため、座布団に座って寛いだ状態のまま挨拶をするのは失礼にあたります。

基本的に挨拶は、座布団に座る前に済ませましょう。座布団に座った後で挨拶をする必要が出てきた時は、必ず座布団から降りて挨拶をします。

座布団は日本ならではのおもてなし

座布団には、日本人ならではのもてなしの心が詰まっています。その意味を理解していれば、座布団のマナーも簡単に覚えられることでしょう。いざという時にスマートにふるまえるよう、普段から座布団の使い方を意識してみるのもいいかもしれません。


監修者:鮎永麻琴

元国際線CA。「コミュニケーション帝王学®」開発者。
自分らしいコミュニケーションの在り方や関わり方を伝えるオンラインアカデミーを開校。