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《プロに聞いた》大皿の料理をすぐに取り分けるのはNG? 気遣いが実は逆効果に→知らないと恥をかくかも…!

  • 2025.5.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

居酒屋に行くと、料理の取り分けなど細やかな気遣いを見せる人がいます。でもその配慮、同棲した人やお店のスタッフにとって迷惑になっているかも? 気遣ったつもりが逆効果になるケースと、その理由をご紹介します。

料理が来ると、すぐに全部取り分けてしまう

居酒屋では、料理の大皿や各自の取り皿などで、テーブルの上がごちゃごちゃしがちです。そのため料理が来ると、すぐに全部取り分けて大皿を片付けてしまいたいと思うかもしれません。でもそれは、あまりおすすめできない行為です。

そもそも居酒屋は、好きな物を好きなように味わって楽しむ場所です。勝手に取り皿に盛りつけられると、食べたくないものまで食べるはめになってしまいます。

取り分けをするなら、まず「取り分けましょうか?」と声をかけてからにしましょう。さらに「苦手なものはありますか?」と確認するのがベターです。

食べる分量も、人によって違います。取り皿に盛るのは2口分か3口分程度にして、もっと食べたければ追加で取り分けられるよう、大皿に半分から1/3程度は残しておくようにするといいでしょう。

上司や取引先の人と同席している場合は、役職の高い人から取り分けていき、自分は最後に取り分けるのが基本です。

スタッフの持つお盆から飲み物や料理を取る

スタッフが飲み物や料理を運んできた時に、重くて大変だろうと、お盆の上から下ろすのを手伝ってしまう人がいます。でもそれは絶対にやってはいけません。思わぬトラブルの原因になってしまうこともあります。

店舗スタッフが飲み物や料理を運ぶには、自分が持ちやすいようバランスを考えて、お盆の上に乗せています。他人がいきなりお盆の上からグラスやお皿を取ると、バランスが崩れてお盆を落としてしまうリスクがあるのです。

飲み物や料理が運ばれてきたら、テーブルの上を素早く整理して置くスペースを作るのが、本当の気遣いです。料理なら、すぐに手をつけられるようテーブルの中央にスペースを作るのがいいでしょう。飲み物はすべてテーブルの端に置いてもらって、頼んだ人に回すのもいいですが、あまり多人数の手を介するのは考えものです。

空いた皿やグラスを隣のテーブルに置く

隣のテーブルが空席だと、空いたグラスやお皿を空きテーブルにまとめて置く人がいます。たしかに、まとまっていたほうがスタッフも下げやすいのですが、いくら空席だからといって、隣のテーブルを勝手に使ってはいけません。

空席は、いつでもお客様をお通しできるようセッティングされています。そこに空いたグラスやお皿を置くと、スタッフはテーブルを拭くなどして再度セッティングをし直さなければならなくなってしまいます。

同じように、座敷席で畳敷きの床に空いたグラスやお皿を置いてしまう人もいますが、これも絶対NGです。畳に汚れがつくだけでなく、床の上は目が届きにくいため、蹴ったり踏んだりして大きなトラブルにつながる可能性があるからです。

最後の一口をいつまでも残しておく

大皿の料理を各自で取り分けて食べていると、最後に一口分だけ取り分けられず残ってしまうことがあります。全員が「もっと食べたい人がいるのでは?」「最後の一口を取ったら卑しいと思われるのでは?」といった気遣いをした結果といえるでしょう。

大皿に残った最後の一口分を、関西では「遠慮のかたまり」、関東では「関東のひとつ残し」、九州では「佐賀んもんのいっちょ残し」「庇護のいっちょ残し」、青森では「津軽衆」と呼ぶこともあります。それほど日本全国でよく見られる光景なのです。

一口分だけ残っていると、テーブルの上が片付きません。また、温かい料理は温かいうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べるものですから、残っているとどんどん美味しくなくなってしまいます。さりげなく自分で取ったり、誰かに勧めたりして、大皿を片付けられるようにしたほうがスマートです。

居酒屋に過剰な気配りは似合わない

居酒屋は気取らずに飲食できる場所ですから、過剰な気遣いは周囲の負担になってしまうこともあります。周囲に気遣いと感じさせないような、さりげない気配りにとどめるのがマナーの達人といえるでしょう。

社会人になると居酒屋での宴席に出る機会も多いはず。さりげない気配りで、スマートに宴会を楽しみたいものです。


監修者:栗栖 佳子(株式会社 宙 代表取締役・ビジネスコーチ)

大学卒業後、人材サービス会社パソナで法人営業およびコーディネーターとして1万人以上の採用・面接・キャリアカウンセリング並びにスタッフや部下の人材育成に取り組む。2009年ビジネスコーチとして、株式会社 宙(sora)を設立。
【コミュニケーション次第で人が変わり、組織が変わり、人生が変わる!】をモットーに、コーチング、アンガーマネジメント、「1on1」マネジメント等、レゴブロックやインプロなど多彩なワークショップを取り入れながら社員や管理職の意識改革、組織風土改革の研修やセミナー、講演活動を年間120回以上行っている。また、3人の子どもを育てながら働いてきた経験から、ワーク&ライフマネジメント、リカレント研修、女性活躍推進アドバイザーとしてお互いの価値観にとらわれず、同感しなくても共感し合える組織作りを目指して活動中。

著書:才能を伸ばす人が使っているコミュニケーション 増補改訂版 ペンコム出版社