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『おしぼりで口を拭く』のはマナー違反?! 知らなきゃ恥ずかしい【おしぼりのNG行動】とは?

  • 2025.4.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

飲食店に入った時、あるいは個人宅を訪問した時、おもてなしとしておしぼりを出されることがあります。でも、おしぼりの使い方を間違っていませんか? この記事では、正しいおしぼりのマナーをご紹介します。

おしぼりは日本ならではの文化

日本では、ファミリーレストランでも使い捨てのおしぼりが用意されています。しかし、飲食店でおしぼりが出てくるのは、世界でも珍しい日本独特の文化といっていいでしょう。

欧米では、食事の前に手を洗うことはあっても、水で湿らせた布で手を拭く習慣はありません。アジアにはおしぼりを出す飲食店もありますが、これは現地の日本料理店から伝わったようです。

一説によると、日本では奈良・平安時代からおしぼりが使われていました。来客につくろいでもらうため、湿らせた布で手足を拭いてもらったというのです。

高温多湿な気候と、清潔好きな国民性のおかげか、日本に根付いているおしぼり文化。ぜひ正しいマナーを覚えて、次の世代に伝えていきたいものです。

おしぼりの使い方の基本

おしぼりが出されたら、右手で取り上げておしぼりを広げ、両手を拭きましょう。手渡しでおしぼりが出された場合は、右手で受け取ります。

拭き終わったら、汚れた部分が内側になるようにたたみ、おしぼり受けに戻します。使用済みのものをおしぼり受けに戻すのは抵抗があるかもしれませんが、テーブルやクロスをおしぼりの水気で湿らせないためだと考えましょう。おしぼり受けがない場合は、自分の右手側のテーブルの上に置きます。

おしぼりが何度も出される場合もある

日本料理のコースでは、最初だけでなく、食事中にもおしぼりが出されることがあります。それは「これから出てくる料理は、手を使って食べてもいいですよ」という合図なのです。

最初に出てくるおしぼりは、手を拭いてさっぱりと清潔にするためのものです。しかし、2回目以降のおしぼりは手が汚れた場合に使うものなので、手が汚れなければ使わなくてもかまいません。使った場合は、最初のおしぼりと同じように、汚れた部分が内側になるようにたたんで、おしぼり受けに戻します。

汚れた口元をおしぼりで拭いてもいい?

おしぼりで拭いてよいのは、基本的には手指のみに限られます。

顔や口、腕など、手以外の部位を拭くのはマナー違反とされています。

ただし、汚れた口元を軽く押さえる程度であれば、許容されるとする見方もあります。口元の汚れを拭く場合には、たたんでおいたおしぼりの内側を使い、おしぼり受けに戻す際には汚れた部分が見えないようにしましょう。

もっとも格式のある日本料理店では、そもそも口元が汚れるような料理は出てきません。そのためマナーを要求されるような場では、おしぼりで口元を拭くのは控えたほうがいいでしょう。

格式のある場に列席するなら、事前に懐紙を用意して、口元が拭きたくなったら懐紙で押さえるようにすると上品です。懐紙がなければ、ハンカチやティッシュを使うといいでしょう。

テーブルの汚れをおしぼりで拭いてもいい?

醤油や水滴などをこぼしてしまった際、ついおしぼりで拭きたくなるかもしれませんが、絶対にNGです。おしぼりは手指を拭くものなので、台拭きのように使ってはいけません。

布製のおしぼりは、何度も洗って使います。醤油の汚れなどはシミになりやすく、洗っても簡単には落ちないので、場合によってはおしぼりを廃棄することになってしまいます。

テーブルの汚れが気になる場合は、店員さんにお願いして拭いてもらいましょう。

おしぼりを出す際のマナー

自宅に来客があった際には、おしぼりを出すこともあります。その際のマナーも覚えておきたいところです。

おしぼりは、ほぼ正方形の布を二つ折りにして、端からくるくると丸めるようにたたむと広げやすくなります。お客様に出す際には、最初に二つ折りにした輪のほうが相手側に向くように出します。

おしぼりを置くのは、相手の右側が基本です。手渡しをする場合にも、なるべく右側から渡すようにしましょう。ただ、スペースがないといった事情があれば、臨機応変にしてかまいません。

近年は抗ウイルスおしぼりも登場

コロナ禍の折には、手指を清潔にするおしぼりの文化が再評価され、抗菌・抗ウイルスおしぼりも登場しました。

日本に根付いた文化だからこそ、マナーを大切にしながら、感謝の気持ちをもって使いたいものです。


監修者:鮎永麻琴

元国際線CA。「コミュニケーション帝王学®」開発者。
自分らしいコミュニケーションの在り方や関わり方を伝えるオンラインアカデミーを開校。