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【白金台】東京都庭園美術館「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」

  • 2025.3.23

戦後西ドイツのグラフィックデザインの魅力に注目!

東京都庭園美術館で開催中の「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」[ 2025年3月8日(土) - 5月18日(日)]を見て来ました。

第二次世界大戦後の東西ドイツ分断から1990年の東西ドイツ統一までの時代、戦後西ドイツ時代のグラフィックデザイン資料とその他の資料類を中心に収集された「A5コレクション デュッセルドルフ」の日本初公開となる展覧会です。

世界のモダンデザインに大きな影響を与えたドイツのバウハウス(1919‐1933)のモダニズムの思想と教育の理念は、ウルム造形大学(1953‐1968)に継承されます。さらにモダニズムの思想は、戦後の西ドイツ(ドイツ連邦共和国)で新しいデザイン表現へ受け継がれて行きます。

本展は、「A5コレクション デュッセルドルフ」からポスター約130点を中心にその他グラフィック関連の資料約250点から戦後西ドイツのグラフィックデザインの魅力を紹介する展覧会です。

※本展会期中は、本館(旧朝香宮邸)の一部展示室および新館において作品の写真撮影が可能です。 撮影の際は注意事項を必ずご確認いただき、館内スタッフの指示に従ってください。

 

出典:リビング東京Web

東京都庭園美術館

初公開!イェンス・ミュラー氏とカタリーナ・ズセック氏収集の「A5コレクション デュッセルドルフ」

「A5コレクション デュッセルドルフ」は、デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナー、イェンス・ミュラー氏とカタリーナ・ズセック氏が収集した主に戦後西ドイツのグラフィックデザインのコレクションです。1,000点以上のポスターや、10,000点以上の関連資料からなり、現在も収集は続けられているそうです。

本展では「幾何学的抽象」、「イラストレーション」、「写真」、文字をデザインする「タイポグラフィ」の4つのカテゴリーに分かれて展示されていました。

ドイツの航空会社ルフトハンザ(Lufthansa)の鎌倉の大仏がメインビジュアルの《ルフトハンザ‐日本》ポスターや、「七人の侍」など日本映画のポスターなど西ドイツのグラフィックデザインで表現された日本のイメージも見ることが出来ました。

 

出典:リビング東京Web

右側、ルフトハンザ宣伝部 《ルフトハンザ‐日本》 1964-65 A5コレクション デュッセルドルフ蔵

戦後西ドイツのモダニズム、グラフィックデザインが果たした役割

戦後の西ドイツでは、1950年代末にGDPが世界第2位となり「経済の奇跡」と称されるように。 ミュンヘンオリンピック(1972)や世界最古のセーリング・フェスティバル「キール ウィーク」、4~5年に一度開催されるカッセルの現代美術展「ドクメンタ」などの国家的イベントのイメージ形成に、グラフィックデザインが大きな役割を果たすようになります。

会場に入った第一印象は、本館、旧朝香宮邸のアール・デコ様式の室内装飾と戦後西ドイツのグラフィックデザインのポスターとの自然なコラボ感でした。

アール・デコ様式の幾何学的で直線的なデザインを背景にすると、展示されたポスターに当時のモダニズムの息吹がよみがえったかのように感じられました。

ポスター《ミュンヘン・オリンピック1972》、《エルコ(ピクトグラム)》

大客室に展示された《ミュンヘン・オリンピック1972》(左側3点)のポスターと《エルコ(ピクトグラム)》(右側3点)。

戦前、とりわけ国の統制を受けていた戦中から、戦後の「西ドイツのグラフィックデザインは、1970年代初めに真の近代化の波を経験した」(図録『戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見』イェンス・ミュラー)とされています。

特に重要な国家的イベントとなったのは1972年のミュンヘン・オリンピックのビジュアル・アイデンティティで、ドイツ社会にとりとても重要なプロジェクトとなりました。 プロジェクトを担ったオトル・アイヒャーと彼のチームのデザインは、当時の他のデザインを時代遅れに感じさせるほどモダンなものに。

ミュンヘン・オリンピックのポスターは、経済発展する西ドイツの躍動感と上昇思考を感じさせ、ピクトグラムは今ではイベントや日常に欠かせないデザインになっています。

 

出典:リビング東京Web

左側3点、オトル・アイヒャー 《ミュンヘン・オリンピック1972》 1971ほか、「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」展示風景 すべてA5コレクション デュッセルドルフ蔵

 

出典:リビング東京Web

右側3点、オトル・アイヒャー 《エルコ(ピクトグラム)》 1985ほか、「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」展示風景 すべてA5コレクション デュッセルドルフ蔵

《イスニー・イム・アルゴイ》のピクトグラム

オトル・アイヒャーの《イスニー・イム・アルゴイ》。

イスニー・イム・アルゴイとは、ドイツ南部のバーデン・ヴュルテンベルク州東南部の町だそうです。 モノトーンでデザインされているのは、イスニー・イム・アルゴイの象徴的な風景や建物、動物、習慣など。 オトル・アイヒャーが観光局からのビジュアル・アイデンティティの依頼を受けて制作したそうです。

当初は先鋭的なデザインで物議をかもしたそうですが、今ではグッズにもなり親しまれているそうです。

暖炉のレジスター装飾と、アンリ・ラパンの壁画が上下を飾るような展示が作品をさらに引き立てています。

 

出典:リビング東京Web

オトル・アイヒャー 《イスニー・イム・アルゴイ》 1977 すべてA5コレクション デュッセルドルフ

《展覧会「バウハウス50年」》の幾何学的抽象ポスター

ヘルベルト・バイア―の《展覧会「バウハウス50年」》のポスター。

展示されていたのは、曲線を描く張り出し窓のある若宮寝室でした。

ポスターは、丸や四角や三角の単純な色面で構成された平面と球体などの立体を組み合わせた幾何学的抽象の図像で表され、バウハウスのロゴも含めて無駄のないすっきりしたデザインです。

 

出典:リビング東京Web

左から2番目、ヘルベルト・バイア―《展覧会「バウハウス50年」》1968年 ポスターほか、「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」展示風景 すべてA5コレクション デュッセルドルフ蔵

戦後西ドイツのグラフィックデザイン、レトロな温もりと風合い

新館では、イラストレーションと写真を主にしたイベントのイメージポスターや商品の広告宣伝ポスター、映画ポスターなどが様々な資料とともに展示されていました。

戦後西ドイツのグラフィックデザインのポスターは、まだデジタル化が普及していない時代の温もりと質感がありました。 手書きの原画だったのか、レトロ感のある風合いに魅力を感じました。

日本のデザインとのつながりを感じさせるポスターも。ミュンヘン・オリンピックのビジュアル・アイデンティティをデザインしたオトル・アイヒャーは1960年に来日し、世界デザイン会議に参加しているそうです。モダンデザインを介して両国の交流にも興味がわきます。

 

出典:リビング東京Web

「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」新館展示風景 すべてA5コレクション デュッセルドルフ蔵

東京都庭園美術館の多彩なプログラムを楽しむ

会期中のプログラムとしては、講演会やコンサートなどの他に、どなたでもゆったり鑑賞できるフラットデーや赤ちゃん連れのご家族のためのベビーデーがあります。(※予約が必要なプログラムがあります。最新の情報はホームページでご確認ください。)

東京都庭園美術館「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」は5月18日(日)までです。 春を迎えた庭園の散策も気持ちの良い季節です。是非お出かけください。

ミュージアムショップ

ミュージアムショップではアクリルコースター「キール ウィーク」の1974と100周年キールウィーク1982(各770円)、庭園美術館オリジナルドリップパックコーヒー(450円)を購入。 コースターは今見てもモダンで日常使いに丁度良い色味とデザインです。

 

出典:リビング東京Web

ミュージアムショップで買いました! 東京都庭園美術館

チーズ専門店 FERMIER(フェルミエ白金台店)ほか企画展にちなんだメニューを楽しむ

チーズ専門店 FERMIER(フェルミエ白金台店)ではチーズガレット ブラックペッパー味(702円)、チーズ、ロビオーラ 白糠酪恵舎(535円)を購入。チーズのガレットは香ばしくてパリッと軽くワインに合いそうです。

本企画展にちなんだ数種類のチーズが楽しめるイートインメニューNEUE―ノイエ―(1‚500円)もあります。こちらは幾何学的抽象デザインのポスターをイメージした盛り付けです。

他にもcafé TEIEN(カフェ庭園)の企画展特別デザート、ガトー オ フレーズ ブルーマカロンとミルクジェラートを添えて(900円)や、TEIEN Restaurant comodo(庭園レストランコモド)の企画展特別コース(6‚000円)などがおすすめです。

※価格は全て税込みです。

 

出典:リビング東京Web

チーズ専門店 FERMIER(フェルミエ白金台店) チーズガレット ブラックペッパー味(702円)とチーズ、ロビオーラ 白糠酪恵舎(535円)

〇東京都庭園美術館
URL:https://www.teien-art-museum.ne.jp
東京都港区白金台5-21-9
ハローダイヤル 050-5541-8600
開館時間:10:00–18:00(入館は閉館の30分前まで)
※3月21日(金)、22日(土)、28日(金)、29日(土)は夜間開館のため20:00まで
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始 ※ただし5月5日(月)は開館、5月7日(水)は休館

・交通:JR山手線「目黒駅」東口/東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩7分
都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩6分
※白金台駅のエレベーターは2番出口

〇戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見
Back to Modern - Graphic Design from West Germany
会期: 2025年3月8日(土) - 5月18日(日)
観覧料
*オンラインによる日時指定制を導入しています。
一般=1,400(1,120)円/大学生(専修・各種専門学校含む)=1,120(890)円
中・高校生=700(560)円/65歳以上=700(560)円
※( )内は団体料金。団体は20名以上(事前申請が必要)
※小学生以下および都内在住在学の中学生は無料
※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその介護者2名は無料
※教育活動として教師が引率する都内の小・中・高校生および教師は無料(事前申請が必要)
※第3水曜日(シルバーデー)は65歳以上の方は無料
※4月23日・30日(フラットデー)は、無料・割引対象者以外は要予約
※展覧会のチケットで庭園にも入場可

〇Museum Shop Lumière(ミュージアムショップ リュミエール)
営業時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
定休日:月曜日、及び美術館休館日
※美術館営業時間に準ずる
お問い合わせ先:Museum Shop Lumière(ミュージアムショップ リュミエール)
TEL 070-1534-4878

〇チーズ専門店 FERMIER(フェルミエ白金台店)
東京都港区白金台5丁目21-9(東京都庭園美術館敷地内)
TEL. 050-1741-6154
営業時間:10:00 – 18:00
定休日:月曜日、及び美術館休館日
メール shirokanedai@fermier.co.jp

〇café TEIEN(カフェ庭園)
東京都港区白金台5丁目21-9(東京都庭園美術館新館併設)
TEL:03-6721-9668
営業時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
定休日:月曜日、及び美術館休館日(展覧会が開催されていない日)
※美術館営業時間に準ずる

〇TEIEN Restaurant comodo(庭園レストランコモド)
東京都港区白金台5丁目21-9(東京都庭園美術館正門横)
※美術館に入らず食事のみでの利用も可
全席禁煙
営業時間:
ランチ 11:00~15:00(ラストオーダー14:00)
カフェ 15:00~16:30(フードラストオーダー16:00)
ディナー 17:30~21:00(ラストオーダー20:00)
定休日:月曜日

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