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上司に対して『大丈夫です』はNG?! 知らなきゃ恥ずかしい【正しいビジネス用語】とは?

  • 2025.4.14
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出典:photoAC(※写真はイメージです)

上司や先輩から声をかけられたとき、つい「大丈夫です」と返答していませんか?

実は、ビジネスシーンでは「大丈夫です」は避けたほうがよい言葉です。
その理由と適切な言い換え表現を見ていきましょう。

「大丈夫です」は敬語として間違いではないが…

「大丈夫です」は、「大丈夫」に「です」をつけた丁寧語であり、言葉として誤りではありません。

「大丈夫」という言葉自体には、「安心してよい、問題がない」といった意味があります。
しかし、使い方によっては正反対の意味に受け取られることがあり、注意が必要です。

たとえば、上司から「今日、私のおごりで飲みに行かない?」と誘われたとします。
このとき「大丈夫です」と返すと、「行けます」という肯定の意味なのか、「お誘いは遠慮します」という否定の意味なのか、相手に伝わりにくくなります。

「大丈夫です」は若者言葉の代表で、親しい間柄でフランクな会話では問題ありませんが、基本的にはあいまいな表現になるためビジネスでは誤解を招く可能性があります。
特にお客様や目上の方との会話では、「大丈夫」という表現がフランクすぎると感じられることがありますので注意が必要です。

ビジネスシーンでは、あいまいな返答が誤解を招き、トラブルのもとになります。
そのため、目上の人への返答として「大丈夫です」はふさわしくないのです。

「大丈夫です」と同じく避けたい「結構です」

「大丈夫です」と同様に、肯定にも否定にも受け取られる言葉に「結構です」があります。

「結構」という言葉は「十分である」「満足できる状態」という意味ですが、使い方によっては「不要」「遠慮する」といった否定の意味にもなります。

たとえば、同僚が「お茶をお持ちしましょうか?」と尋ねた際、「結構です」と答えると、「ありがとう、いただきます」という肯定の意味なのか、「いりません」という否定の意味なのか、相手にとって分かりにくくなります。

このように、解釈が分かれるあいまいな表現は、ビジネスシーンでは避けるのが無難です。

「大丈夫です」を適切な表現に言い換えるには?

「大丈夫です」は、ニュアンスによってさまざまな意味を含む言葉です。
そのためシチュエーションによって、どのように言い換えたらいいのか変わってきます。

相手の意見に同意する、賛成する場合には

  • 「問題ありません」
  • 「賛成です」

了承したこと、可能であることを伝えたい場合には

  • 「承知しました」
  • 「かしこまりました」

相手から気遣いに対しての返答なら

  • 「お気になさらないでください」
  • 「ありがとうございます」

相手の提案を断る場合には

  • 「できかねます」
  • 「お断りいたします」

といった言葉に置き換えるといいでしょう。

ポイントは意思をはっきり伝えること

「大丈夫です」は便利な言葉ですが、多用すると誤解を招く可能性があります。

ビジネスシーンでは、相手に伝わりやすい表現を選ぶことが重要です。

「大丈夫です」と口にしそうになったら、「自分は今、何を伝えたいのか?」を意識し、TPOに合った言葉に言い換えてみましょう。
そうすることで、より円滑なコミュニケーションがとれるようになりますよ。


監修者:栗栖 佳子(株式会社 宙 代表取締役・ビジネスコーチ)

大学卒業後、人材サービス会社パソナで法人営業およびコーディネーターとして1万人以上の採用・面接・キャリアカウンセリング並びにスタッフや部下の人材育成に取り組む。2009年ビジネスコーチとして、株式会社 宙(sora)を設立。
【コミュニケーション次第で人が変わり、組織が変わり、人生が変わる!】をモットーに、コーチング、アンガーマネジメント、「1on1」マネジメント等、レゴブロックやインプロなど多彩なワークショップを取り入れながら社員や管理職の意識改革、組織風土改革の研修やセミナー、講演活動を年間120回以上行っている。また、3人の子どもを育てながら働いてきた経験から、ワーク&ライフマネジメント、リカレント研修、女性活躍推進アドバイザーとしてお互いの価値観にとらわれず、同感しなくても共感し合える組織作りを目指して活動中。

著書:才能を伸ばす人が使っているコミュニケーション 増補改訂版 ペンコム出版社