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「こんなタワマンには気をつけろ!」プロが断言する、知らなきゃ損する7つの“要注意ポイント”

  • 2025.5.16
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

高層階からの美しい眺望や豪華な共用施設が注目され、多くの人の羨望の的となるタワーマンション(以下タワマン)

しかし、タワマンは外観やイメージだけで購入を決めてしまうと、後々後悔する可能性も。居住性や資産性といった側面も十分に考慮することが大切です。

この記事では、20年以上にわたり不動産関連の仕事に従事している筆者がタワマン購入時に避けるべきポイントを紹介します。

管理費・修繕積立金が適正でない

まず1つ目が、管理費・修繕積立金が適正でない物件です。

区分所有建物であるマンションは、物件価格以外にも毎月管理費・修繕積立金がかかります。管理費・修繕積立金は低過ぎても高過ぎても問題があるのです。

新築時の段階では修繕積立金が低く抑えられ、購入者の負担感を低減させる方策が採用されている場合があります。こうしたケースでは、大規模修繕を迎えるという時期になって積立金が足りなくなる事態が予測されるため、数年後に大幅な値上げが行われるケースも少なくありません。

逆に、相場よりも管理費・修繕積立金が高過ぎると、物件を売却したい際に条件が近い周辺マンションと比較されて敬遠される問題が起きます。高い管理費・修繕積立金のせいで、資産価値が低下してしまうのです。

なお、マンションの修繕積立金は専有部分の面積によって異なります。また、一般的にタワマンは低層マンションと比較して管理費・修繕積立金が割高とされています。

国土交通省のサイト (※)では専有面積あたりの修繕積立金の平均額の目安を掲載しているので参考にしてみてください。

もし購入予定の物件の修繕積立金が相場よりも低い・高いということがあれば、販売会社に問い合わせてみましょう。

ジムやプール、ラウンジなどの充実した共用施設はタワマンの魅力の一つです。ただ、豪華過ぎる共用施設がある物件も警戒するポイントです。施設が充実している分、維持費が管理費・修繕積立金に反映されます。購入前に長期的な管理費・修繕積立金の見通しを確認し、負担が大きくならないか慎重に検討しましょう。

駅から10分以上の距離

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出典元:photoAC(画像はイメージです)

2つ目が、駅から遠い物件です。

タワマンといえば、駅近の立地が多いイメージですが、実際には駅から遠い物件も存在します。納得して購入するのであれば問題はありませんが、駅からのアクセスが悪いと資産価値の観点でみると下落リスクが高まります。おおよそ駅から徒歩10分圏内がおすすめできる立地です。購入予定物件が駅から遠い場合は、慎重に判断するようにしましょう。

駅から遠い物件を検討する場合、代替交通手段の有無を必ず確認しましょう。住民専用のシャトルバスが運行している場合などは選択肢に入るかもしれません。また、周辺環境も大きな影響を与えます。仮に駅から遠くても、利便性の高い商業施設が隣接していると、資産価値が保持できる可能性が高まります。

現在は駅から遠く不便を感じるものの、将来新駅ができたり、新線が開通したりする予定があれば、資産価値上昇の期待ができます。そんな物件を比較的手が届きやすい価格で入手できるとすれば、むしろお買い得といえるでしょう。

防音性・遮音性が悪い壁・床

3つ目は、防音性・遮音性が悪い壁・床が設えられている物件です。

高層マンションでは建物の軽量化を目的に「乾式壁」が採用されることが多く、低層マンションに使われる「湿式壁」に比べて防音性が劣る場合があります。そのため、隣室や上下階からの生活音が気になる可能性があります。

購入を検討する際は、モデルルームや内覧時に壁や床材の構造を確認しましょう。遮音性能を測る基準として、TLD値55以上であることが望ましいとされています。それ以下の物件は、防音性能に不安があるため注意が必要です。

日差しが強過ぎる

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出典元:photoAC(画像はイメージです)

4つ目が、日差しが強過ぎる向きの物件です。

日本では、一般的に南向きの住宅が日当たりが良く、歓迎されているのですが、タワマンは少し事情が異なります。タワマン高層階の南向きは、遮るものが何もなく直射日光が強過ぎるというデメリットを感じることがあるのです。夏場は日中の室温が大幅に上昇し、エアコンの使用頻度が増えてしまいます。また、西日が差し込む西向きも敬遠されがちです。

窓ガラスが複層ガラスや二重窓になっているかを確認し、遮熱フィルムや遮光カーテンなどの対策が可能かも検討しましょう。内覧時には、実際の日光の入り方を確認します。

スマホの電波が届かない

5つ目は、スマホの電波が届きにくい部屋です。

タワマンの高層階では、携帯電話の電波が届きにくい場合が見られます。特に電波状況が悪い物件では、日常生活に支障をきたす可能性があります。

内覧時には、実際に携帯電話を使用して通信状況を確認しましょう。また、必要に応じてフェムトセル(小型基地局)の導入が可能かを調べておくと安心です。マンション管理組合を通じて、電波改善の要望を出すのも選択肢の一つです。

エレベーターの台数が少ない

6つ目は、エレベーターの台数が少ないことです。

タワマンは住戸数が多いため、エレベーターの台数が不足していると朝や夕方のラッシュ時に長時間待たされる可能性があります。特に40階以上の高層階にある住戸では、エレベーターの稼働状況が住み心地に直結します。

タワマン、特に高層階はどうしても生活がエレベーターに依存します。こればかりは住民の努力ではどうにもならないため、購入前には、住戸数に対してエレベーターの台数が適切かを確認しましょう。実際に待ち時間を計測するなども必要です。目安として50戸あたり1基以上のエレベーターが設置されている物件が望ましいとされています。

駐車場の台数が足りない

7つ目は駐車場の台数の少ないタワマンです。

自家用車を利用する世帯では、駐車場の台数が重要ポイントになります。タワマンは、住戸数に対して駐車場の数が不足しているケースが珍しくありません。特に、東京都心部は土地の確保が難しく、駐車場数が不足しがちです。駐車場の契約条件が抽選制となる場合もあります。

駐車場の月極料金や駐車場の位置(平面式か機械式か)も確認しておきましょう。必要な台数の駐車場を確保できない場合、車を手放すか、周辺で別途駐車場を契約する必要が出てきます。

冷静な判断をして後悔のないタワマンライフを

タワーマンションはその圧倒的な外観や自慢したくなる眺望、充実した効用施設が多くの人を魅了しますが、購入前には冷静な判断が求められます。

今回指摘したポイントを踏まえ、物件選びの際には詳細なチェックリストを作成して検討を重ねましょう。将来後悔しないためにも、表面的な魅力に惑わされず、慎重な選択を心がけてください。



筆者:森田 一成

15年間の住宅・不動産専門新聞社の経験、不動産投資セミナーの企画・運営、不動産団体広報誌の企画・取材・原稿執筆などを経て、Webメディア制作・編集、不動産関連のセミナー企画などを行っている株式会社アース・リーグを設立し代表を務める。宅地建物取引士。

(※)国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」

※サムネイル画像出典:photoAC(イメージ)