1. トップ
  2. あえて“視聴速度をいじる”視聴者が続出! 大人気アニメで出来る“斬新な新体験”「禁断」「味わってみよう」

あえて“視聴速度をいじる”視聴者が続出! 大人気アニメで出来る“斬新な新体験”「禁断」「味わってみよう」

  • 2025.6.3
undefined
(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS

篠原健太による漫画を原作としたTVアニメ『ウィッチウォッチ』。第8話では、風祭監志(かざまつりかんし)が若月ニコの魔法によって10倍速になってしまう。ニコたちとの体感速度の断絶が起こるカンシが不憫な一方で、つい笑ってしまうようなコミカルな回となった。また、10倍速のカンシに影響され、視聴速度を変えて楽しむ視聴者も。

かわいそうだけど愛らしい?10倍速になったカンシ

収入を得るため、内職を始めたカンシ。だが、地道な作業は想像以上につらく、ニコに動きを速くする魔法をかけるように頼む。ニコが魔法「クイックイック10倍速」をかけると、カンシは「キャルッ」と高速で喋り始めた。さらに、カンシは脳の感じ方も10倍速になり、ニコと乙木守仁(おとぎもりひと)の言葉も0.1倍のスロー再生で引き伸ばされて聞こえるようになってしまった。

思っていた魔法と違ったカンシは、30日間もこの状態を我慢しなければならないことに気づく。「つらい~」とゆっくり喋り、ニコたちに地獄のような苦しみを訴えるカンシ。加えて、生活リズムも10倍速になったカンシは、1日に何度もご飯を食べるようになってしまった。カンシに同情するニコたちだが、走り寄るニコさえ彼にとってはスローに見え、ホラーに感じる。

undefined
(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS

カンシがただ歩くだけでも、速すぎてかまいたちと勘違いされる始末。そんななか、時間を持て余したカンシは「スロー語」をマスターし、ようやくニコたちとコミュニケーションが取れるようになった。「わし、れんしゅ、したぁ。練習したぁ」とカンシは思わずうれし泣きする。孤独だった彼の気持ちを考えるとこちらまで泣きそうになる一方で、不憫でコミカルな姿が笑いを誘う。

そして、カンシの魔法がついに解けた。元の速度に慣れず「は~や~く~て~こ~わ~い~よ~」と引き伸ばされた声で言うカンシに、「なんだその喋り方!」とモリヒトは突っ込むのだった。第8話についてSNSでは「設定から展開からオチまで反則」「噂通りに面白すぎて腹が痛い」「実に神回だった」「今期一笑えるアニメ」との声があがった。

カンシの言葉が聞き取れる!視聴速度を変えて楽しむ視聴者

アニメを観るとき、設定を変えて1.5倍速や2倍速で視聴している人もきっと多いだろう。ニコの魔法「クイックイック」は、カンシを10倍速にしただけでなく、第8話の視聴速度を変えて観たくなるという思わぬ副産物を生み出した。たとえば、カンシが「つらい」と言うシーンは、モリヒトたちは3回目でようやく聞き取れたが、0.5倍速ほどに速度を落とすと1回目から高音で「つらい」と言っているのがわかる。

undefined
(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS

また、速度を落として観ると、キャラクターの声がゆっくりと引き伸ばされるため、ついふき出してしまうような面白さがある。スローの世界は精神崩壊しそうで、私たちもカンシの地獄を少しだけ味わうことができるのだ。SNSでも「2倍速を使用すれば、禁断のクイックイック20倍速になるんじゃ」「再生速度を遅くすると何言ってるかギリ聞こえて面白い」「カンシの体感してる0.1倍速の世界の片鱗味わってみよう」「ある意味懲役30日」「速度10倍はもうこりごり」と視聴速度をいじって楽しむ視聴者が現れた。

「カンシのバイト日記~ヒーローショー~」「カンシのバイト日記~内職~」の2本立て構成によって“カンシ回”となった第8話。実は、原作ではこの2本は連続したエピソードではない。「カンシのバイト日記~ヒーローショー~」でカンシが生活費に困っているという前フリがあったおかげで、魔法をかけてでも内職して稼がなければならない彼の切実さが伝わるようになっている。

加えて、「カンシのバイト日記~内職~」は人気エピソードランキングで第1位を獲得しており、作中屈指の人気を誇っている。カンシの持ち味が光る回となったのは、彼にまつわるエピソードを1話にまとめたアニメならではの構成もひとつの理由ではないだろうか。


ウィッチウォッチ
ABEMAにて毎週日曜日夜9時より最新話を無料放送
[番組URL]https://abema.tv/video/title/593-12
【(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS】

ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari