1. トップ
  2. “約30年前”では決して見られなかった物語… “大胆すぎる変更”でも視聴者に刺さる理由とは?『真・侍伝 YAIBA』

“約30年前”では決して見られなかった物語… “大胆すぎる変更”でも視聴者に刺さる理由とは?『真・侍伝 YAIBA』

  • 2025.5.30
undefined
(C)青山剛昌/小学館/真・侍伝YAIBA製作委員会

青山剛昌による漫画を原作としたTVアニメ『真・侍伝 YAIBA』。第7話では、巌流島に着いた刃が佐々木小次郎の持つ魔剣・物干し竿の力によって、江戸時代にタイムスリップしてしまう。小次郎と宮本武蔵の過去編は、原作ではさらに後で描かれるエピソードであり、大胆な構成の変更にSNSでは反響が巻き起こった。

まるで別人……若かりしころの“男前”な武蔵と小次郎

鬼丸につかえる八鬼の中で最強のバットガイが倒され、八鬼の残りはクモ男一人になってしまった。クモ男は鬼丸猛の命により、巌流島まで行き武蔵のライバルであり大昔に亡くなった剣豪・小次郎を蘇らせる。そのころ、鉄 刃(くろがね やいば)たちも巌流島に到着した。武蔵が自分のことを馬鹿にしているのを聞き、隠れていたものの思わず飛び出してしまう小次郎。

小次郎はすっかり老人になった武蔵に驚くものの、今も変わらないライバル心もあり早くも勝負に発展。だが、武蔵は昔のままの小次郎の実力と伸びる物干し竿に苦戦する。刃が助太刀に入るものの、小次郎の必殺剣「つばめ返し」に敵わず、「せんぷう剣」もはじき返されてしまう。「やられる!」その瞬間、刃は物干し竿の時空を超える力によって開いた穴に吸い込まれ、400年前の江戸時代にタイムスリップしてしまった。

タイムスリップした先には、若かりしころの武蔵が。現代の老いた姿からは想像つかないほど、武蔵は凛々しく男前だった。また、そこに現れた小次郎もイケメン。若いころの武蔵と小次郎についてSNSでは「武蔵と小次郎がかっこいい」「非常に好みなオトコ」「かっこよすぎ」との声があがった。

武蔵と小次郎は、7日後に勝負を控えていた。そして、クモ男が時空に穴を開けたタイミングから、武蔵が勝負に勝ったところに再び現代に戻れる時空の穴が開くと予想する刃。勝負の日まで武蔵と一緒に稽古する刃だが、わざと遅れたおかげで小次郎に勝った未来を彼に話してしまう。

undefined
(C)青山剛昌/小学館/真・侍伝YAIBA製作委員会

もし勝負の結果が変わってしまったら、現代との矛盾が生まれ刃は元の世界に戻れなくなるだろう。タイムスリップ作品につきものであるタイムパラドックス要素を取り入れ、さらに面白さを加速させた。第7話に対してSNSでは「まさかタイムトラベルまで起こるとは…」「何でもありで本当凄い」「無事に現代に戻る事ができるのか気になる…!」との声があがった。

大胆すぎる“構成変更”は令和版『真・侍伝 YAIBA』ならでは

実は、第7話で描かれた武蔵と小五郎の過去編は、原作ではさらに後で描かれるエピソード。令和版にアップデートされた『真・侍伝 YAIBA』は、時代設定だけでなく構成も大きく変更されているのだ。アニメの再構成についてSNSでは「構成作家さんグッジョブ」「旧アニメ版では見れなかった話」「大胆な構成!」との声が。

武蔵と小次郎の過去編以外にも、『真・侍伝 YAIBA』は原作との変更点がいくつもある。たとえば、今回冒頭で鬼丸の風神剣によって一刀両断されていた東京スカイツリーは、原作では東京タワーになっており、原作漫画『YAIBA』が連載されていた約30年前との時代の移ろいを感じさせた。

第6話で戦いが描かれた八鬼最強の「バットガイ」は、原作では「バットマン」という名前になっている。また、第5話で描かれた温泉旅館のエピソードは、原作では刃の父・鉄剣十郎が登場していたが、アニメではカットされていた。原作改変や構成の大胆な変更によって、『真・侍伝 YAIBA』は原作や旧アニメ版とも違う、新鮮な気持ちで楽しめる作品に生まれ変わっているのだ。

武蔵と小次郎の過去編に突入し、原作の流れとは大きく変わってきた第7話。はじめて作品に触れる新規層も楽しめるうえに、原作や旧アニメ版をなぞるだけではない“新たな試み”がたくさん詰まっているのが、『真・侍伝 YAIBA』なのだ。

undefined
(C)青山剛昌/小学館/真・侍伝YAIBA製作委員会

真・侍伝 YAIBA
ABEMAにて毎週土曜22:30より最新話を無料放送
[番組URL]https://abema.tv/video/title/2-29
【(C)青山剛昌/小学館/真・侍伝YAIBA製作委員会】

ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari