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エンディング後に毎回見られる“たった数十秒”の仕掛け… 最後の瞬間まで目が離せない人気アニメ

  • 2025.6.4
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(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS

漫画原作のアニメ化が成功するためには、なにが必要だろうか。もちろん作品の持つ面白さや話題性も重要だが、制作に携わるアニメスタッフの“作品愛”も大切だと思う。TVアニメ『ウィッチウォッチ』は、オープニングや次回予告に数々の“遊び心”が詰め込まれており、アニメスタッフの作品愛がひしひしと伝わる作品になっている。

飛ばせない?小ネタやオマージュにあふれた“オープニング”

ハイクオリティなアニメーションに加え、物語を感じるような『ウィッチウォッチ』のオープニング映像。そして、YOASOBIによるオープニングテーマ『Watch me!』は、本作の原作者・篠原健太による書き下ろし短編小説『心コロロン』が元になっている楽曲だ。飛ばさずにじっくり観たくなるほど映像と音楽がマッチした、ポップでカラフルなオープニングとなっている。

まるでおもちゃ箱のようなオープニングには、数々の演出が。若月ニコ、乙木守仁(おとぎもりひと)、風祭監志(かざまつりかんし)の3人が原っぱの上で寝転がるカットは、篠原の過去作『SKET DANCE』のエンディングのオマージュのように見える。『SKET DANCE』は篠原の代表作に挙げられるほど人気の高い作品であり、当時アニメを観たり漫画を読んだりしていた『SKET DANCE』世代を中心に、SNSでも大きな話題を呼んだ。

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(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS

他にも、オープニングには本編の要素がふんだんに散りばめられている。たとえば、魔法「メッチャライト」によって体が軽くなり空を飛ぶニコたちや、『うろんミラージュ』のイラストを描く嬉野久々実(うれしのくくみ)といったように、本編に登場するキャラクターや魔法をもとに構成されているのだ。まだアニメでは描かれていないシーンもあり、原作を読んでいるファンは「あの場面か……」とニンマリしてしまうだろう。

そして第3話では、ニコがオープニングをパワーアップさせようとしてかけた魔法が大失敗したバージョンとして、なんと色がついていない状態である原撮の特殊オープニングが流れた。さまざまな小ネタや特殊オープニングによって、本編が始まる前から視聴者を楽しませている。「今後もまたなにかやってくれそう」という期待が、『ウィッチウォッチ』のアニメスタッフには自然にわいてくるのだ。

エンディングの後も必見!遊び心満載の“次回予告”

オープニングだけでなく、エンディングの後に流れる次回予告も見逃せない。『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の今なお語り継がれるネタバレ次回予告「次回、城之内 死す」や、『サザエさん』の3本立て次回予告のパロディを取り入れたのだ。次回予告はたった十数秒ほどの尺だが、この短い時間でもクスッと笑ってしまう面白さがある。

また、第2話で流れた次回予告では、ニコ役を務める川口莉菜が「友達たくさんできたのよ~」とアドリブで『友達たくさんサンバ』というタイトルの歌を披露。歌を聞いたモリヒト役の鈴木崚汰は「うまっ!」と驚いており、アフレコ現場の和気あいあいとした様子が伝わってくるようだ。第5話で流れた次回予告では、YouTubeの「ジャンプチャンネル」にて公開されている『ウィッチウォッチ』のボイスコミックについても触れられた。

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(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS

本作のX(旧Twitter)アニメ公式アカウントでは、アフレコNGシーンの動画も投稿されている。「面白いことならなんでもしよう」と言わんばかりのアニメスタッフの気概は、作品に対する愛から生まれるもののように思う。アニメの垣根を越えたパロディや小ネタの数々は、遊び心満載。ボイスコミックやSNSといった他のコンテンツも追いたくなる魅力が、アニメスタッフの作品愛が詰まった『ウィッチウォッチ』にはあるのだ。


ウィッチウォッチ
ABEMAにて毎週日曜日夜9時より最新話を無料放送
[番組URL]https://abema.tv/video/title/593-12
【(C)篠原健太/集英社・ウィッチウォッチ製作委員会・MBS】

ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari