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元局アナ・河野景子さん59歳&永井美奈子さん59歳が振り返る【バブル期の女子アナ事情】

  • 2024.6.17

‘86年12月〜’91年2月と言われるバブル期はテレビもキラキラ輝いていた時代。そこで大活躍していたのは花形職業だったアナウンサーたち。あれから社会の環境も大きく変わって働き方改革なども進み、当時とは隔世の感があリますが、あのころ華やかな世界の中心にいたトップアナウンサーは当時を振り返ってどう感じているのでしょうか。河野景子さん、永井美奈子さんのお2人にバブル時代を振り返っていただきました。

休暇に入ると声が出なくなり、 本番の掛け声で声が出るのが “バブルアナウンサーあるある”!?

河野 美奈子ちゃんは1歳年下だけど、局アナ時代も一緒にゴルフに行ったりしたわよね。
永井 よく雑誌の取材で会ったりしましたね。そしてフリーになってからは子供が同じ学校で。
河野 子どもの年齢は違うけどね。そうそう、こないだなんかスーパーでバッタリ会ったもんね。
永井 本当に不思議なご縁です。それにしてもあのころは……よく働いていました(笑)。私は週に8本、レギュラー番組があって。
河野 8本! それはすごい。テレビで美奈子ちゃんを見ない日はなかったものね。日テレは美奈子ちゃんが背負ってた!
永井 景子ちゃんもフジテレビでは突出した存在でした。
河野 そんなそんな(笑)。
永井 今思えばすごいことなんだけれど、残業しすぎて基本給の2倍の残業代をいただいてたんですよ(笑)。
河野 ええっ! 本当に?

河野さんのバブル時代の1枚。ファッション誌「CanCam」の撮影で行ったニューカレドニアでのオフショット

永井 寝る時間もないほど過酷だったけど、なぜか乗り切れましたね。
河野 でも休みになると急に体調不良にならなかった? 私は夏休みをいただくと熱が出るの(笑)。
永井 そうなの! 私も忘れもしない、入社2年目で初めて取らせてもらったまとまったお休みに、友達とハワイに行ったんです。そこで初日からひどい風邪をひいてしまって。声が出なくなって。
河野 大事な商売道具の声が?
永井 アナウンサー生命終わった、と思いましたね。でも帰国したらなぜか急に回復して声が出るという……。
河野 無意識に体が「今は休みだから喉を休ませよう」と判断したのね。プロすぎるわ(笑)。
永井 不思議なことに、どんなに疲れていても生放送では立っていられるんですよ。特番シーズンに椎間板ヘルニアで真っ直ぐに立っていられなかった時期があったんですけど、鍼灸に通いながらMC台にはうように行ってましたね。
河野 もう、ド根性アナよね(笑)。でもあのころって誰も辛い顔は見せなかった。弱音を吐くと置いていかれそうで。寝てない自慢はするけれどね。バブルの空気感でアドレナリンが出ていたのかも。
永井 忙しくて大変なのは自分一人じゃなかったですしね。制作陣が一丸となって面白いテレビを、いいエンタメを作り出そう!という気迫に満ちていた気がします。
河野 確かに!

永井さんのバブル時代の1枚。「入社当時、日本テレビの玄関で。毎日があっという間に過ぎていきました」

永井 若かったからというのもあるけど、基本的に「私は会社員」「会社から与えられた仕事を全力でやるのは当然」という意識が強かったんだと思う。
河野 あのころからよね、女性アナウンサーの仕事の幅が広がりはじめたのは。
永井 そうですよね。そしてSNSの時代になって、今はもともとポテンシャルのあるタレントさんやアイドルだった方がアナウンサーというキャリアも身につけるというのが選択肢の一つ、キャリアの一つとして考えられる時代になった気がします。
河野 時代が違うのよね。
永井 私のようにTHE 会社員体質の人間は、フリーになるなんて考えもしなかったし、なってからもどうしていいか分からなくて。
河野 そんなこと言わないで〜(笑)。

20代の頃の肌は壊滅状態。50代後半の今やっと自分なりのお手入れがわかってきました

河野 気力も体力も鍛えられたバブル時代だけれど、肌には皺寄せきたわよね。
永井 本当に! 私はもともとアトピー体質で敏感肌だったのが一日18時間労働でさらに悪化して。
河野 一度どん底に落ちた肌を、試行錯誤していろいろなコスメや美容法を試してなんとかリカバリーさせました(笑)。
永井 私は肌が弱くてたくさんは試せなかったけれど、年を重ねて少しは丈夫になってきたかな。とにかく何事も「やりすぎない」ことを心がけて。
河野 私はね、シンプルケアに徹して自分の手を信用してお手入れするようにしたら、50歳過ぎたころから肌が変わってきたの。
永井 えっ、どんなふうに?
河野 肌が丈夫になってきたって感じ。
永井 私もアレルギー反応が鈍くなって肌荒れしづらくなったかも。老化も良いことがあるな、と前向きにとらえています。

永井 あと、私は口に入れるものには結構気を遣っているんです。30年くらい無添加の食べ物が中心で、市販のお肉の加工物は買わないで、ベーコンなんかは家で作っていますし。
河野 手作りベーコンを? さすがね。
永井 そういうこともあって、肌の治安が安定してきたのかも。
河野 お母さん手作りのベーコンを食べられるなんて、お子様は幸せね。
永井 そんな(笑)。うちの子はそれが当たり前だと思ってるから特になんの感謝もありませんよ。でも私は自分が食べるものより、子供のお弁当のことばかり考えていた20年でしたね。今夜自分が何を食べるかよりも、明日の子供のお弁当のことばかり気にして生きてきたから。
河野 美奈子ちゃんって家庭的なのよね。
永井 自分の仕事のメインは主婦だと思っていますから。日テレ時代に自分はイチ会社員だという意識オンリーだったころからあまり変わっていないのかも(笑)。
河野 そういうひたむきなところが美奈子ちゃんの良いところだと思うわ。
永井 いえいえ、不器用なんだと思います!

《衣装クレジット》
【河野さん分】ブラウス¥17,600(ルーニィ) スカート¥18,700(anuans) イヤーカフ[右]¥14,300、 イヤーカフ[左、上]¥9,900、 イヤーカフ[左、下]¥14,300(ともにete) リング[右、薬指]¥13,200(ともにJouete) リング[右、人差指]¥24,200 、リング[左、人差指]¥59,400(ともにete bijoux) 靴スタイリスト私物
【永井さん分】ジャケット¥133,100 、プルオーバー¥46,200 、パンツ¥46,200(セブンティ ヴェネツィア/サン・フレール)イヤリング¥ 13,200( ラクア/チェルキ)バングル¥16,500(ギャレッタ/チェルキ)パンプス¥71,500(ペリーコ/アマン)

撮影/峠雄三 ヘア・メーク/久保フユミ(ROI) スタイリスト/青木貴子(WHiTEBOX)【永井さん分】、Toriyama悦代(One8tokyo)【河野さん分】 取材・文/柏崎恵理

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