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【セックスレス AND THE CITY -女たちの告白-】「週4の元夫と離婚後、レスの今夫が幸せ」と語る50歳妻

  • 2024.5.31
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日本では、半数以上の夫婦が陥っていると言われるセックスレス。鍼灸師をしている真理子さん(仮名)は、38歳で離婚するまで、セックスレスとは程遠い生活を送っていました。しかし、離婚・再婚した50歳の現在はセックスレス。ですが、当時の状況に戻りたいとは思わないそうです。

■付き合ってもヒモにはならなかったバンドマン

真理子さんは、都内の大学を卒業後、父親が勤務するカメラメーカーの子会社に就職。ビジネス機器を取り扱う部署で受付や事務の仕事をしていました。
「制服のある一般事務で、薄給でも定時に帰れてボーナスももらえる仕事に満足していました。体力もあったので1人暮らしを始めて、好きなバンドのライブに行ったり生バンドの演奏が聞けるライブバーで週1回アルバイトをしたり、それなりに楽しんでいました」。
そんな店で知り合ったのが、最初の夫で6歳年上の伸春さん(仮名)。
「インディーズながら音楽雑誌にも掲載されたことのある実力派バンドのキーボード担当で、音大時代はピアノを専攻していたピアニストでした」。
バンドのマスコットキャラ的な存在だった伸春さんは、もじゃもじゃヘアとヒゲがトレードマークの男臭いルックス。それでいてどことなく言動がフェミニンで品があり、「いじられキャラ」として周囲にかわいがられていたそう。
「最初彼は、私の女友達を口説いていたんです。でもその子に彼氏がいるとわかると、お酒を持って『真里ちゃん失恋しちゃった。相談に乗ってー』と私の家に押しかけてきて……。そのままズルズル付き合うことになっちゃいました」。

若い頃は、「バンドマンと付き合うと、女性が養って男はヒモになるという若干失礼なイメージを持っていた(笑)」という真理子さん。しかし伸春さんの実家は息子を音大に行かせるだけあって裕福で、父親は金融機関の重役。本人も音楽系メディアの社員という昼間の仕事を持っていました。
「私が28歳、彼が34歳で『ほどよい年齢』だったこともあり、同棲を始めた勢いで籍を入れました。私もライブバーのバイトですから、彼がそれなりにチャラいことは知っていましたが、『さすがの俺ももうすぐ四捨五入したら40だから落ち着くよ』という言葉を信じて突っ走ってしまったんです」。

■結婚10年経っても週に1回は性交渉があった

結婚式は親族だけでハワイで行い、日本ではバーを貸し切って友達だけのライブパーティーで盛り上がった新婚時代。楽しいイベントを終えた後、真理子さんは専業主婦生活に突入。仕事にライブに忙しい伸春さんを支えるために料理を習い、鍼灸師の資格を取るために専門学校に通うなど、充実した日々を送っていました。
「元々、大学は社会福祉学部だったので、介護施設で鍼灸師をやりたいという気持ちもありました。費用は会社員時代の貯金で賄えましたし、双方の実家の援助を受けて2LDKの賃貸マンションに住んで。快適で幸せでした」。

充実していた夫婦生活には「性生活」も含まれており、結婚当初は週3から週4、結婚から10年経った38歳の頃ですら週1回は性交渉をする習慣があったそう。
「当時の私にしてみれば『なんで不仲でもないのにセックスレスになるの?夫婦どちらかに性欲がないの?』と疑問でしかありませんでした」。
特に避妊していたわけではありませんが、子供は授かりませんでした。それでも無事鍼灸師の資格を取り、婦人科のクリニックで美容鍼や更年期対策の施術をするようになった真理子さんは、自分のことで精一杯で悩む時間はなかったそうです。
「彼は特別性欲が強くてガツガツしているというより、甘え上手なタイプ。よく『妻が母親のようになっちゃって男としてかっこつけられなくなってレスになる』って聞きますけれど、彼は平気で膝枕をねだる『柔らかい女性の体そのものが好きな甘えん坊タイプ』だったので、レスになりにくかったのかもしれません」。

■すがすがしいほどのゲスっぷりに呆れる

そんな真理子さんの元に夫のSNSアカウントを通じて怪文書が届いたのは「そろそろ子作りについて婦人科に相談しようか」と考えていた矢先。
「夫本人のSNSアカウントから、『ご主人の子供を妊娠しています。堕ろすのは嫌なので別れてください』というメッセージが届いたときは現実感がなさすぎて、友達のいたずらじゃないかと思ったほどです。でも、慌てて帰ってきた夫本人が『ごめん。彼女が病んじゃって困っているんだよ』と泣きついてきて『ごまかす気もないのかよ』と全身の力が抜けました」。
蓋を開けてみれば、メッセージを送ってきた女子大生以外にも、バンドのスポンサーをしている化粧品会社経営のマダム、ギタリストの元彼女、そして未成年のおっかけ女子高生まで、伸春さんの浮気相手は複数人いたそう。
「ちょっと調査してみたら出てくる出てくる。夫のことを苦々しく思っていたバーテンダーに聞いたらすぐに教えてくれました。全員同時進行ではなかったみたいですけど、どこにそんな体力があったのかと、ただただ呆れるばかりで……」。

伸春さんの言い分は「恋愛感情はないけど、お酒を飲んだ時にやらせてくれそうな子がいて嫌いじゃなければついつい手を出しちゃう。でもこれからはお酒を控えて気をつける。ごめんなさい」という正直なもの。
「すがすがしいほどのゲスっぷりで、狡猾なところもないし、男友達だったら『バカじゃないの』ですませるところですけど。正直、付き合いきれないと判断して離婚することにしました」。
離婚そのものは、双方の実家への報告やマンションの解約手続きが手間取ったものの、時間はかからなかったそうです。
「夫からは『どうしても別れなきゃだめ?他の子もいいところはあるけど真理ちゃんが一番バランスがいいんだよね』と引き止められましたが、『都合がいいってことだよね』とバッサリ切り捨てました」。
元夫は苦労して「病んでしまった女子大生」と切れたのち、数年後にはスポンサーの年上マダムとバツイチ同士で再婚したそう。

■年下のバツイチイケメンと再婚。欲望は「食べ歩き」に全振りの50代へ

もう独身でいいからできれば鍼灸師として独立したい、と思っていた頃に出会ったのが、勤務先のクリニックに出入りしていたMRの陸さん(仮名)です。1つ年下のバツイチ子持ちで、離婚の原因は義理の母との不和。実家に帰った妻に親権を取られ、養育費は払っているものの、愛する息子との別離で深く傷ついていたタイミングでした。
「第一印象は、優しい目の年下イケメン。子犬のような存在で下心なく飲みに誘ったのですが、思いのほか親しくなって。映画を見たりライブハウスに行ったり連れ回しているうちに『結婚を前提に交際してください』と告白されました」。
40歳の真理子さんと39歳の陸さんは結婚式などは行わず記念にホテルで和装写真を撮るだけでしたが、とても幸せだったといいます。

今は結婚10年を迎え、2人の欲望は「食べ歩き」に全振りしているといいます。セックスは、まだ新婚だった時代にふざけあうように楽しんだ記憶がある程度。でもそれで充分だと真理子さんは話します。
「前の結婚より今の方が断然幸せですよ。でも決してセックスを軽視しているわけじゃなくて、若い頃にお互いに性的魅力を感じて精神的にも肉体的にも深く知っていく過程は本当に素晴らしいものだと思います。ただもし今、同じことをしようとしても、ついつい年を重ねた自分を客観視しちゃって恥ずかしくて没頭はできなさそうです」。
体力はありホルモンが活発だった20代から30代の性生活が充実していたので、今は「性交渉はあってもなくてもいい嗜好品」のようなものと思えているんじゃないかという真理子さん。
「そう考えると、浮気夫との最初の結婚も今の不満のないセックスレス生活の布石になっているのかなと感謝することもあるくらいです」。

※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。

取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA

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