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女優・波瑠が目指したい、理想の女性像とは?

  • 2019.7.30
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優しく儚げな女の子から、芯のある強さをもった女性まで、映画やドラマに登場するたび、さまざまな女性像を見せてくれる波瑠さん。「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」ではしなやかな強さを持ったお嬢様、フローラの声を担当しています。「強くありたい」と理想の女性像を語る波瑠さんの仕事観とは?

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声だけの表現は難しいけど、自由度が高く、何にでもなれる楽しさがある

ー今作では町中の男性たちの憧れを一心に集める富豪のお嬢様、フローラの声優を担当していらっしゃいますが、苦労したり難しかったところはありましたか?

「いっぱいあります。全部! というくらい難しかった(笑)。フローラはお嬢様なんですが芯の強さがあり、だけどしなやかで、女性らしい強さを持っている人なんです。それを声だけで演じるなんて、フローラのビジュアルに助けてもらったとしてもすごく難しいと思いました。私はドラクエをプレイしたことがなかったんですが、ゲームもやってみたいなと思いましたね」

ーー山崎貴総監督からは「こんなキャラクターに」というリクエストはあったんでしょうか。

「私はフローラをおっとりしっとりした女性だと思っていたので、そのつもりで演じました。私が意外に思ったのは、自分が思い描いていたよりも、さらに強いフローラを求められたことです。それが印象的でしたね」

ーー声だけで表現する声優というお仕事の醍醐味みたいなものは感じられましたか?

「普段の映像でのお芝居とは、自由度の捉え方が違うなと思いました。声優のお仕事は見た目が自分ではない分、なれるものの範囲がすごく広がる。でもその分制限も生まれるので、声だけにすべてを乗せるのはすごく難しいと痛感します。『それいけ! アンパンマン』では小さなお姫様の役をやらせていただいたり、今回はお嬢様だったり。そうやって幅広い役ができるのはおもしろいですね」

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この役を波瑠で見てみたいと思っていただき、環境を用意していただけるありがたい仕事

ーー今、演じるというお仕事は波瑠さんにとっては、どんなものになっていますか?

「やらねば! という感じはすごくありますね。もちろんやりたくてやっているけど、年々責任感みたいなものを感じるようになってきました。そして、ひとりではできない仕事だし、こういう役を波瑠で見てみたいと思ってくださる人がいて、そういう環境を用意していただいて初めてできることなので、ありがたい仕事だなと思います」

ーーひとつひとつの役を演じるにあたって、大事なことは何だと思いますか?

「ディスカッションが大事な現場もあれば、自分でたくさん組み立てていくことが大事な現場もあって、100人監督がいたら100通りのやり方があるくらい、それぞれ違うんです。だから新たな現場に入ったら、その環境でできることを自ら探す必要もあって……。そういう作業は自分の意志で楽しもうと思わないと楽しめないと思うので、その姿勢は大事な気がします」

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自分で決めたことなら、失敗してもいい。それが本当の経験値になると思うから

ーー映画では主人公が幼なじみのビアンカと大富豪の娘フローラのどちらを花嫁に選ぶかという究極の選択をすることになりますが、波瑠さんご自身は迷ったり、悩んだりしたときはどうやって選択していきますか?

「大事だなと思うのは、自分で考えて自分で決めることかな。失敗するとわかりきっていても、自分の判断をもって失敗するのと、そうでないのとでは、全然違う経験値になると思うんです。だから自分で決めて、その時自分はこれが良いと思ったのなら、その後失敗したとしても、そこまで嫌な経験にはならないと思うし、それこそ本当の経験値になると思います」

ーー波瑠さんが物事を選ぶときの基準は何ですか?

「それは人それぞれどこに重きを置いているかだと思います。失敗したくないという人は失敗しないほうを選べるだろうし。ただ私は自分で決めたことなら、失敗してもいいと思うんです。自分でも少し意地っ張りだと思うんですが(笑)、自分で考えて決めたことだったら他の誰のせいでもない。私は『自分が決めたい!』という気持ちを大事にしたいですね」

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結婚をすることが人生の最終目標ではないけど、結婚するなら気の合う人

ーーお年頃のTRILLユーザーのいちばんの関心事や悩みごとは結婚ということですが、波瑠さんの理想の結婚観を教えてください。

「結婚について考えることが、年々現実味を帯びてくるというか……(笑)。結婚できるならしたほうがいいよと周りの人に言われたり、自分でも今度結婚のチャンスが訪れたらしたほうがいいんじゃないかと考えたりもします。20歳になったときって、絶対に自分は30歳になるまでに結婚するって思っていたけど、気がついたら8年も過ぎて28歳になっていて。理想とか言ってられないという気持ちもあります。だけど私にとっては結婚をすることが、人生の最終目標ではないから、気の合う人と結婚したいなとも思います」

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自分を決めつけすぎず、周りの人の目に映る自分も大切にする

ーー今、波瑠さんが思う自分らしさとは?

「何でしょうね。自分が思う自分らしさと、普段接している周りの人が私を『こういう人だな』って思うこと、どちらが大事かっていうと、他の人の目に映る自分のほうが、本当の自分だと思います。だから『自分はこうなんだ』って思い込みすぎないことは大事だなって思うようになりました」

ーー周りの人から言われて、これが他の人から見た私なのかって感じたことは?

「言われて『えっ!?』と思ったのは“理屈っぽいですね”です。そう言われたから気をつけるようになりました。そしたら優しいねって言われるようになったので、人間って変わるんだなという発見もありました。人に言われたことを素直に聞いてみるというのも大事ですね」

ーー人から言われたことにも耳を傾けつつ、自分で考えることも大切、ですよね。

「誰のアドバイスを聞くか、ということも重要かなと思います。大人になると『この人の考え方は尊重したい』と思える人を見つけていくことができると思うんです。それも成長だと思いますし、自分への理解を深めていくということはそこにもあるんじゃないかと思います」

ーーでは波瑠さんが将来目指したい理想の女性像を教えてください。

「強くありたいですね。ちょっとやそっとじゃどうってことない、みたいな(笑)。でもそれはフローラみたいなしなやかさや優しさがあってのことだと思うので、極端に強くなりたいということではなく、人間的な強さみたいなものを持てればと思います」

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Photographs: Yutaka Matsumoto
Writing:Yuko Sakuma
Edit:TRILL編集部

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