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【第15回】自分を幸せにできるのは自分しかいない

  • 2019.3.3
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アラフォーで初めて自分らしさに気づいた私

これまでこの連載では、私が婚活でうまくいかず世界婚活なるものにいたったことや、その体験での出会いや気づきを紹介してきました。

30歳を直前に失恋、失業でお先真っ暗になった私が安易に飛びついたのが結婚です。「結婚さえすれば幸せになれる」からの「結婚できないと死ぬ!」とまで思い込んで猛進した苦しい婚活。

その中で手探りながらも気がついたのは、そもそも「自分がどうあれば幸せなのか?」を考えないと、結婚しようがしまいがいつまでたっても不安と焦りは消えず、人と比べて幸せになれないままだということでした。

世界婚活の末にパリに住み、日本人とは全く違う生き方や考え方を持つパリジャンたちを目の当たりにしながら、なんとかこうとか時間をかけてようやく手にした「自分の基準」や「自分らしさ」。そのおかげで、もうすぐアラフォーの私は人生でこれまでにないほど肩の力を抜き、楽に生きることができています。

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「王道の生き方モデル」が消滅し、生きづらくなってきた日本

この連載を続けながらも日本のニュースや出来事を遠くから眺めていると、今の日本というのは「自分の基準」を持っていない人にとって、ますます生きづらい時代になってきたなと感じています。

その理由は、これまで何度かお話してきた「王道の生き方モデル」が本格的に消滅しはじめているからです。いい学校に進学し、いい企業に就職し、結婚、出産して良き母になる……。

何も考えなくても目指していればよかったこんなモデルは一昔前のこと。具体的な一例として「父親が外で働き母親が家を守る」そんなスタイルだって崩れはじめて共働きしないと生活がしづらい時代なのはよく知られていると思います。

さらに最近では「多様化」なんて言葉もよく聞かれるようになりました。これまでの王道スタイルではなくて、人それぞれ多様な生き方があっていい、という風に変化してきていることを表しています。

ただ、私たちは「自分の頭で考える」という教育を受けて育ってきていません。教えられたことを記憶し、教えられたマニュアルに従ってさえいればいい点数をとって、いい学校に入って、就職し、結婚し……、という王道スタイルで生きる方法しか身につけていないわけです。

「はい、世の中は多様化してきました。あなたは、あなたらしく生きていいですよ」と、今風のTVコマーシャルやネット・メディアを通していわれたところで、意味がよくわからないとフリーズしてしまうのが当然でしょう。

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他人と比べることで、ますます不安になっていく

「自分らしく」生きていいなんていわれたって、それまで「○○してさえおけば大丈夫」だと思っていた生き方モデルがなくなる状態というのはまるで、無意識に毎日使っていた道案内のGPSを紛失してしまったような感覚です。

「じゃあこれから一体何を頼りに生きていったらいいのよ!?」と不安になってしまう。これは実際に私がパリに住むようになってはじめて気がついた深い不安(参照:【第6回】結婚だけじゃない!?別の生き方とは)と同じです。

そんな状態で異常に目につくのは、周りの同僚や友人たちが自分に持ってないもの、できてないことをしていること。最悪の場合、不安が炸裂して「ねたみ・嫉妬」のネガティブ感情に変わってしまう。つまり、欲求不満な状態に陥ってしまうのです。

これをはっきり表しているなと思うのがワイドショーです。有名人の不倫ニュースが毎日執拗に報道され、社会常識のルールから外れた人を徹底的にさらす。それに興味を持って見続ける視聴者たち。

日本から一歩引いて見ている私からすると、これはまた日本独特の現象で他人の非を欲求不満な人間がうっぷん晴らしのはけ口にしているよう。みんな欲求不満で自分が幸せじゃないから、他人が不幸に陥るのをじっくり見たい。そんなドロドロな本心と感情が透けて見えてしまうのです。

こうした先が見えない不安が引き起こすもう1つの現象としては、この連載でも紹介した「【第4回】結婚できないと死ぬ死ぬ病」というものです。

これだけ「結婚」というものがメジャーなものではなくなる傾向があるのに、「結婚しないと死ぬ!」と言ってしまう女性が減らないのは、不安がゆえについつい、一昔前の「王道の生き方」にしがみついてしまうのが原因だと思います。

不安だと視野が狭まって自分を見失ってしまう恐さがあるのも、これまで詳述したとおりです。と、日本の現状をこてんぱんに書きつづっていますが、その不安の泥沼の元住民だったのはこの私自身。そこからなんとか這いつくばって抜け出して今があります。

不安、嫉妬、ねたみの不幸の沼から抜け出す方法

この不安と、嫉妬とねたみの不幸の沼から抜け出すことができた私が、改めて繰り返したいのは「自分の基準」を持つことの大切さです。

これまでの王道の生き方が消滅しつつある今、むしろこれからは「自分の基準」さえ持ってしまえば最高に楽しく生きやすい人生が待っているといえます。だって、これまでの王道の生き方なんて1パターンしかなかったも同然。そんな生き方が、本当に自分がしたいことと違っていたり、合わないなんてことが大ありだからです。

「自分の基準」を持って自分らしく生きるって、それまで無意識にかぶっていた重い鎧を脱ぎ捨てるくらい身軽になれる心地良い体験でもあります。

ただ、「自分の基準」というのはこれまで紹介したとおり、筋トレのようにコツコツと自問自答のトレーニングが必要で、今日明日すぐに身につくものではありません。

振り返ってみると私の場合は、パリという日本とは真逆をいくような価値観や生き方をしている環境に身をおくショック治療も必要でした。

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自分が幸せになる一歩を踏み出すために

「自分の基準」をようやく手にした私が日本に一時帰国する際、ちょっとびっくりするような体験をするようになりました。

それというのは、私より年上の女性の先輩たちが聞いてもいないのに自分の恋愛や結婚の失敗体験談や、現在進行中の幸せな不倫体験などを話してくれることが増えたことです。

パリと違って日本では、あまり自分の体験を(特に失敗体験や本当のところ)口にする人は多くありません。でも、実は身近なところに色んな体験を通したうえで自分を知り、「自分の基準」を持ってしなやかに生きている先輩女性たちがいたのです。

こんなことからもわかるように、「自分の基準」を身につけるには人それぞれの失敗も含む体験があればこそ。これを読んでくれているあなたにも、あなたなりの方法と体験があるはずなんです。

いつもあなたのことを「がんばってるね」「心配しなくて大丈夫」なんて、声をかけてくれる人がいるとは限りません。不安で、孤独でどうしようもなくなることもあるでしょう。そんな時はちょっと自分を甘やかしたり、結果ではなくがんばっている自分をほめてあげることも忘れずに。

不安と焦りで嫉妬やねたみに走らず、ぜひ自分を幸せにする方に一歩ふみ出してみてください。あなたが自分の基準を身につけて自分らしく生きられるよう、私はいつでも応援しています!

▼前回の記事はこちら
【第14回】後悔しない結婚とは?

▼第1回から読みたい方はこちら
【第1回】日本で結婚できなかったので世界で婚活してみた

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Writing:Ayaka Nakamura
Illustration:foxco
Edit:TRILL編集部

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