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【第6回】結婚だけじゃない!?別の生き方とは

  • 2018.12.30
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この連載ではこれまで、私が30歳を目前に婚活をスタートし焦りと不安で「結婚しないと死ぬ死ぬ病」を発症してしまったこと、苦し紛れに世界婚活なるものまでしたことなどを紹介してきました。

世界婚活の果てに訪れた場所のひとつパリでは、「婚活」という言葉すら存在せず自分の基準をもって自由に生きているパリジャンを目の当たりにし、180度視点をかえられる衝撃をうけます。

その結果、婚活をやめて「私も自由なパリジャンのように生きたい!」 とパリへ移住。その直後に恋人も見つけて同棲したりと順調にすすんでいたように見えたものの、婚活時に感じていたのとはまた違う新しい不安に襲われることになったのでした。

あらゆることを自分で考えて決めなければいけない状況

パリ新生活で感じた新しい不安とは?

新しく始まった別世界パリでの生活は、いつも人の目を気にしていた日本での暮らしと違って重苦しい呪縛から解き放たれた感覚でした。さらに自分が本当にしたいと思っていた恋まで手に入れて幸せなはずだったのです。

それなのにいざ自分が好きなように自由に生きようとすると、何から何まで自分の基準で自分が決めることを求められることがわかりました。

朝起きて、何を食べるか、何を着るか、何をして過ごすか。週末の過ごし方からどんな友人と関係を保つのか、これからの恋人との生活はどうしていきたいのか、パリでこのまま生きていきたいのかなどなど、小さなことから大きな人生の選択まで 。

あらゆることを自分で考えて決めなければいけない状態になって改めて、私は「自分の基準」をしっかり持っていないということを思い知ることになります。

「王道モデル」を見失ってしまった

王道の生き方スタイルに依存して

私が「自分の基準」をしっかり持っていなかった原因について、もっと詳しく考えてみましょう。これは私だけでなく多くの人に当てはまることだと思うからです。

日本の社会には「世間や他人の基準」である「王道の生き方」モデルが根強くあります(※以下「王道モデル」)。具体例をあげてみると、いい学校、いい仕事、いい結婚、いい母親になる……といったようなモデルです。

私は朝目が覚めてから1日を終えるまでの生活の中で無意識に「王道モデル」を基準にしながら、「これを選んでおけば無難」「こうしておけば大丈夫」、あるいは「これをしておかないとヤバい人だと思われる」など、色々なことを選択していました。

この「王道モデル」はまるでGPS道案内のように便利なものでもあります。自分の頭で考えずともルートに従ってゴールまで行けばいい。そのルートとゴールから外れない努力さえしていれば、模範解答が得られて不安に思うこともないからです。

私はこの模範解答の1つである「結婚」を果たそうと手に入れられることができずに苦しみました。ところが日本を出ると結婚だけじゃない別の生き方がたくさんあること、模範解答に自分を当てはめずに自分が好きなように生きてもいいということを発見しました。それができそうなパリという街に出会って移住までしたわけです。

多くの人が「自分の基準」を持って自由に生きている街パリに憧れてきたもののいざ住んで生活してみると、当然のごとく日本にあった王道モデルなんてものは見えなくなりました。

「王道モデル」を失ってはじめてこれまで私が30年ちかくの間、無意識にかつ恐ろしいほど「王道モデル」に依存していたかということ、そのせいで自分の基準なんてないも同然で、自分の頭で何も考えずに生きてきたかということを思い知ることになったのです。

こうして「王道モデル」である道案内を失った私は、宙にうかんで足場がない不安な状態でまるで迷子のように心細くなってしまいました。

王道モデルを失ってはじめたこと

迷子になってもパリでの生活はつづいていきます。そこで私は自問自答を始めました。何をするにも何を決めるにも「私はどうしたいの? 私これ好き?これ嫌い?」と、自分に答えを聞いてみるわけです。

とはいえ慣れないことなのでなかなか答えもでないし、なんとなく出した答えに自信がもてない状態がつづきました。それでも自問自答を繰り返しながら、そして不安なまま手探りで進んで行ったのです。

こんな時に参考になったのは、一人として同じ基準を持たない個性的なパリジャンたちの「自分の基準」でした。

客よりも自分と同僚のおしゃべり優先。他人のことを考えないワガママな面があることも見えてきた

例えば大統領選挙が近づくと、学生からお年寄りまであらゆる人たちがあらゆる場所で議論を交わしているのが耳に入ってきます。

「誰に投票する・しない」という話だけでなく、「選びたい候補がいないから投票にはいかない!」と反発する人、選挙そのものや候補者にクレームを伝えたいがために白票(選挙には行くけれど、無効の投票をすること)を選ぶ人の声も聞こえてきたり……。パリでは恋愛・結婚スタイルだけでなく、選挙に対する考え方や投票スタイルにもいろんな選択肢があることを知り驚きました。

こんな風に一人一人が「私はこう思う」という意見をしっかり持っているパリジャンたちですが、それゆえ自分の意見があまりに強くて他人のことを全く考えないワガママな面があることも見えてきました。

車を無視して歩く歩行者、歩行者を無視して突っ切る車にいつもひやひや。
レジに並んでいても割り込み平気。自分に非があってもあやまらない人。
そのレジで働く店員は、客よりも自分と同僚のおしゃべり優先。機嫌が悪い時は、機嫌が悪いまま。無理に笑顔で接客なんてしないetc.……。

良くも悪くも筋金入りの「自分の基準」を持って生きている色々なパリジャンたちを観察しながら、時に反面教師として、時に「ああ、こういう生き方もあるのね、私もこうなりたいかも」「こんな視点もあっていいんだ!」と参考にしては、自分の基準作りにとり込んでいったのでした。

自分の基準が持てるようになったら生きやすくなった

あらゆるパリジャンたちを観察しながら自問自答をつづけた私は数年後にふと自分と他人を比べてむやみに苦しくならないことに気がつきました。

以前であれば「人は人、自分は自分」だと頭でわかっていても腹の底で納得できていなかったことを、「私は私。これでOK!」と、少し自信を持って自分自身に「OK!」と言えるようになっていたのです。

とはいえ、いまでも自分の基準に自信が持てない問題にぶつかることもあります。その都度やることはやはり、自分に色々と質問をしてみる自問自答の繰り返しです。

これができるようになることで、本当に肩に力がムダに入らなくなって楽に生きられるようになったと実感しています。

さて、続く第7回は2019年1月6日(日)配信予定!
次回はもっと詳しく私がどんな風に自問自答をして「人は人、自分は自分」と納得できる考え方ができるようになったのかを紹介してみようと思います。お楽しみに。

▼前回の記事はこちら
【第5回】誰のための結婚なのか?

▼第7回の記事はこちら
【第7回】日本での婚活失敗を経てわかったこと

中村綾花さんプロフィール

Writing:Ayaka Nakamura
Illustration:foxco
Edit:TRILL編集部