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【第14回】後悔しない結婚とは?

  • 2019.2.24

日本の社会常識や価値観が常に正しいとは限らない。ところ変われば世界も変わる!
世界婚活の末、見事フランスで結婚した女性ライター・中村綾花さんが、世界と日本の価値観の違いをお伝えしていきます!

結婚相手はトキメク人?  安心できる人?

結婚のカウンセリングを専門にしている知人いわく、婚活中の女性からよく聞かれる質問に「トキメク相手と、安心できる相手、どちらを選んだらよいのでしょう?」というものがあるそうです。

婚活の際にこんな疑問にぶちあたってしまうのはよくよくわかります。でも、「トキメクor安心」という二択だけで結婚相手を選ぶのは危険だし現実的ではありません。だって人間ってそんなにシンプルじゃないし、ましてや長いこと一緒に生活することになる相手をたったの二種類から選ぶことなんて不可能だと思うからです。

では一体どんな風に相手を選べばよいのでしょう? ということで今回は、婚活中にどんな相手と結婚したらいいのかわからなくなったのち、結婚を意識しなくなった途端に結婚相手と出会えた私の体験を紹介してみようと思います。

Who should I marry...

条件で検索して出会った人にとまどう

前回(【第13回】恋愛格差と不倫の関係ってナニ?)の記事でもお話ししたように、私はネットで婚活をしていたことがあります。

既婚者なのにネットで出会いを求めていた不倫男に遭遇してからというもの、結婚を前提とした人のみ(独身であることを証明するIDの登録が必須)が利用するサイトで婚活をしていました。

まず最初に身長や年齢、年収から将来の親との同居の可能性あり・なしにいたるまで、あらゆる条件を絞って相手を探し出します。そして自分の条件に合う人とメッセージをやりとりして出会った男性がいました。

彼は私よりちょっとだけ年上でお互いの職場も近く、紺色のスーツが似合って清潔感もある人でした。彼は無口だけれど誠実そうな人で、仕事が終わってから彼が選んでくれた下町の居酒屋や焼き鳥屋などで何度か食事をしました。

何度会っても好印象の彼は、きっと結婚相手として悪くない。無口だけれどいい人なのはよくわかる。でもなぜか、つぎに会う約束をすることに義務感を感じてしまう。でも、でも、彼は結婚の相手として条件ピッタリの人。

結婚って、こういう人とするんだろうか? この人でいいんだろうか……?

私がまだ経験したことのない「結婚」を前に、ベストな「条件」で選び出した人に出会ったものの心がついていかない体験でした。
彼と出会って間もなく私は失業。その勢いで世界婚活をやろうと決めて旅立ち、彼とはそのままフェードアウト。

世界婚活中にはじめて訪れたパリで、「婚活なんかやってる場合じゃない。私が本当にしたいのは恋だ!」と気がつくことになります。

go SEKAI KONKATSU

婚活をやめた途端に出会えた相手

条件で結婚相手を探すのはやめて、自分の心と感覚をたよりに恋する相手を探そう。理性を失った恋だっていい。身を焦がしまくって真っ黒こげになったってかまわない。条件なんてもうどうでもいい。 だって結婚が目的じゃないんだもの。さあ、誰でもかかってらっしゃい!

そう決めた途端に自分が解き放たれ、世界中の誰とでも恋ができるような気がしてワクワクしたのを覚えています。そして出会った最初の人が今の旦那さんでした。

パリに移住して恋をする、なんて書くとロマンチックに聞こえるかもしれませんが、彼はこの時住んでいるアパートの家賃も払えず引っ越しを考えていたほど貧乏な失業者です。日本で婚活していた時には条件にすらかすらない、結婚相手として絶対に考えられない相手なのはいうまでもありません。

条件で相手を見ないと決めていた私は、彼がどういう人間なのか?ということをまず見て、自分がどんな風に感じるかを意識していました。

IDEAL HUSBAND

失業者の彼と結婚した決め手

彼とじっくり話をしてみるとなんだか東京にいる男友達らの中にいても違和感がないという印象がありました。 日本から遠く離れた町で出会った人なのに不思議と親近感がわくなぁ、と感じたのです。

そして話せば話すほどもっとこの人のことを知りたい。もっと話がしてみたい。もっともっと一緒にいたいと思うようにもなりました。彼と恋をして同棲するのもあっという間のできごとで、全て自然な流れにまかせた結果でした。

ただ、同棲をして一緒に生活をするということはその人の生活スタイルや生き方も見えてくるもの。

数ヶ月ほど同棲を経たころでしょうか、ふとこの人とこのまま生活を続けていくこともありなのかもしれない。結婚ということもありなのかも、と少しずつ考えるようになったのです。

その考えが固まって結婚を決断するにいたったのには、「結婚相手として絶対にこうあってほしくない点」をクリアしていることが一緒に生活する中で確認できたからでした。そのゆずれない点というのは

・忙しい人
・浮気する人
・子供やお年寄りにやさしくできない人

というものです。これさえクリアしていれば彼が貧乏だろうと、太っちょで私の好きな男性のタイプ(細身のメガネで文系)でなかろうとも案外問題ない。貧乏ならば私が働けばいいよね。ほかはそんなに重要じゃないし後からでもなんとかしようがあるじゃないの。

こう思って私は自分で自分の背中を押し、彼とずっと一緒にいられるために結婚することを決意したのでした。

相手に求めるばかりが結婚じゃない

人それぞれ結婚相手の選び方があるでしょうが、これが私の体験です。

「どんな人と結婚したらいいんだろう?」と自問自答しても、あまりに大きな疑問で答えがみつかりにくいもの。

そこで結婚相手を探す婚活モードを一度シャットダウンして、相手を目の前にした時にその人と「もっと話がしてみたいか?」「もっと一緒にいたいと思うか?」という自分の感覚を意識することをおすすめします。

そう思える相手ならば、その先長く生活するパートナーとして自分が絶対にゆずれない点をもっていないかどうかで判断すればいいのです。

ただ、相手のことはよーく見えても自分の欠点や足りないことは見えないのが人間。全てを望んだって完璧な人はいませんし、自分だって完璧じゃないのは当たり前。それを忘れず全てを相手に求めすぎないことも大切なことだと思います。

さて、続く第15回は2019年3月3日(日)配信予定! お楽しみに。

▼前回の記事はこちら
【第13回】恋愛格差と不倫の関係ってナニ?

▼最終回【第15回】の記事はこちら
【第15回】自分を幸せにできるのは自分しかいない

▼第1回から読みたい方はこちら
【第1回】日本で結婚できなかったので世界で婚活してみた

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Writing:Ayaka Nakamura
Illustration:foxco
Edit:TRILL編集部

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