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「年上ぶるな」と言った年下の彼→数週間後、「今日だけは、年上として聞いてほしい」とお願いされた

  • 2026.11.8
ハウコレ

「今日だけは、年上として聞いてほしい」。数週間前に私を突き放した彼が、正座してそう言いました。ノートに並んでいた質問は、誰のためのものだったのでしょうか。

彼の部屋のローテーブルに、ノートパソコンが開いたままになっていました。画面には、転職サイトの求人がいくつも並んでいます。3つ年下の彼から、仕事を変えたいという話は聞いたことがありませんでした。

求人の画面と彼の一言

お茶を淹れて戻ると、彼は慌てる様子もなく画面を私に向けました。
「転職しようと思ってる」
付き合って2年、彼が仕事の愚痴をこぼしたことはほとんどありません。驚いたのもあって、つい口が先に動いていました。
「辞めるなら、次を決めてからのほうがいいよ」
「年上ぶるな」
彼はノートパソコンを閉じて、キッチンへ行ってしまいました。
3つ年上なのは事実です。それでも、心配して言ったことをそんなふうに返されるとは思いませんでした。マグカップのお茶が冷めていくのを、ただ眺めていたのを覚えています。

数週間ぶりのメッセージ

その日から、彼との連絡は少しずつ減っていきました。こちらから送っても、返ってくるのは短い返事ばかりです。
数週間がたったころ、彼からメッセージが届きました。
「次の休み、少し時間ちょうだい」
年上ぶるなと言われた手前、どう返せばいいのか迷いました。「いいよ」とだけ送ると、すぐに「ありがとう」と届きます。
当日、私の部屋に来た彼は、見たことのない紺のジャケットを着ていました。ローテーブルの前に正座して、鞄からノートを取り出します。
「今日だけは、年上として聞いてほしい」
彼はそう言って、ノートの表紙をめくりました。

ノートに並んだ質問

ノートに並んでいたのは、彼の字で書かれた質問でした。
「スーツは紺とグレー、どっちがいい?」
「初めて会う人に、最初に何て言えばいい?」
「目上の人と話すとき、俺の話し方で直したほうがいいところある?」
グレーより紺がいい、最初は名乗ってからお礼を言う、語尾を伸ばす癖は気をつけたほうがいい。私が答えるたびに、彼は真剣な顔でノートに書き込んでいきました。彼の口から「目上の人」という言葉を聞いたのは、初めてです。
「誰に会うの?」
「それは、まだ言えない」
彼がノートを閉じて鞄にしまうまで、それ以上は聞けませんでした。

そして...

帰り際、彼は玄関で「助かった」と頭を下げました。
年上ぶるなと私に言ったのも、同じ彼です。あの日の言葉と、今日のノート。どちらが本当の彼なのか、まだ分かりませんでした。
年上の私に頼ってまで、彼は誰に会おうとしているのでしょうか。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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