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「3か月だけ、待ってほしい」とエレベーターで頼んだ俺→会社の掲示板に出ていた、自分の部署の知らせ

  • 2026.11.8
ハウコレ

自分の部署がなくなると聞いた日から、俺は彼女に言えないことを抱えていました。エレベーターで頼んだ3か月の意味を話します。

会社の掲示板に、自分の部署を来年で閉じるという知らせが出ていました。学生時代から勤めてきた会社です。その日から俺は、付き合って2年になる彼女の顔を、まっすぐ見られなくなりました。

口にしてしまった一般論

居酒屋で彼女が同期の転職の話を始めたとき、俺は転職サイトの登録を済ませたばかりでした。
「転職する女は落ち着きがない」
自分の焦りを、彼女の話にぶつけるように言ってしまったのです。
「それ、私のこと?」
「一般論だよ」
2回の転職を経てチームを任された彼女が、まぶしく見えていました。
同じ会社にしがみついてきた自分が、急に小さく思えたのです。
駅までの帰り道、彼女が少し後ろを歩いていることには気づいていました。

断り続けた週末

週末の約束を断っていたのは、面接に通うためです。
何社か落ちたあと、転職の仲介会社に紹介されたのが彼女の会社でした。
最終面接で、配属先のリーダーが彼女だと分かりました。
辞退も考えましたが、彼女が働きやすいと話していた職場を、自分の目で見てみたかったのです。
受かったと伝えれば、彼女は喜ぶより先に心配すると思いました。
内定のあと、付き合っていることは人事に正直に伝えました。
試用期間が終わったら改めて届け出て、配属を話し合おうと言われています。

リーダーと呼んだ日

会議室で彼女が扉を開けたとき、どんな顔をすればいいのか分かりませんでした。
「本日からお世話になります。よろしくお願いいたします」
初対面の相手にするように、深く頭を下げました。
名刺を差し出す彼女の手は、少しぎこちなく見えます。
チームの前で親しくすれば、彼女が恋人を引き入れたと思われるかもしれません。
だからその日は、最後まで「リーダー」と呼び続けました。
メッセージに「あとで」としか返せなかったのも、職場でやりとりするのが怖かったからです。

そして...

エレベーターで2人きりになって、階数の表示を見上げたまま、ようやく口にしました。
「3か月だけ、待ってほしい」
試用期間が終わったら全部話して、届け出を出すつもりでいます。
そのあと配属が変わることになっても、構わないと思っています。
1階で先に降りたのは、彼女の前でうまく説明できる自信がなかったからでした。
落ち着きがなかったのは、彼女の背中を追いかけて、会社まで変えてしまった俺のほうでした。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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