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キム・カーダシアンがまとった貴重なアーカイブルックに注目! 90年代を象徴するアメリカ人デザイナー

  • 2026.11.4
Getty Images

ゼンデイヤの専属スタイリストとして知られるロー・ローチは、ファッション歴史のマニアだ。今年、彼は新たなクライアントにキム・カーダシアンを迎え、さまざまなアワードショーやイベントにて彼女の新たな一面を引き出している。そして彼はまた、セレブウォッチャーの好奇心を刺激した。

メキシコで行われた『オールズ・フェア』シーズン2のプロモーションツアーに登場したキムは、1980年代から90年代にかけて活躍したアメリカ人デザイナー、トッド・オールダムのルックを身にまとった。1994-95年秋冬コレクションで発表された、ボーダーごとに異なるカラーとプリントがあしらわれたボディコンシャスなタンクトップドレスを着用。ローは、キムのドラマティックな装いを通じて、いまこそ学ぶ価値のある歴史を持つデザイナーへと私たちの目を向けさせた。

1961年にテキサスの田舎町で生まれたオールダムは、DIY精神が単なる趣味を超えた家庭環境で育った。棚は自分で作り、配管は自分で直し、服も自分で縫って修繕するような環境だ。17歳でダラスに移り住んだ後、彼はファッションの夢をスタートさせるために両親から50ドルを借りたという逸話が残る。その資金で白いコットン生地を購入し、祖母に買ってもらった染色キットを使ってドレスに仕立て上げた。彼の作品はすぐにニーマン・マーカスの目に留まり、このテキサス拠点の老舗百貨店がドレスを取り扱い始めると瞬く間に完売。そこからの躍進は目覚ましく、80年代後半から90年代初頭にかけて、トッドはこのものづくりの精神を原動力にファッション帝国を築き上げた。

Todd Oldham Fall ‘94 Getty Images

オールダムのルックの多くは一見すると非常にシンプルだが、それは徹底した緻密な仕立ての賜物だ。彼は手の込んだ染色やプリント、カッティング技術を駆使し、複雑なビーズワークや刺繍を施すことで知られていた。ボタンダウンシャツも、実際にはシルクシャルムーズに伸縮素材を織り込み、水着のように身体にフィットしてドレープを描くよう作られていた。ベルベットのブレザーには巧妙にゴールドのスタンプ加工が施され、質感が劇的に変えられ、自身が集めていたケーキデコレーション本へのオマージュであるケーキ柄のスカートは、熱と圧力、時間をかけて染料を直接素材に移すデジタルプリント技術「昇華転写プリント」によって生み出されていた。

ローが選んだドレスが発表された1994-95年秋冬コレクションは、ダニエル・ブーンのアライグマの毛皮帽と、それにまつわる荒野のエネルギーをインスタレーション源に掲げた。トッドはレースアップのウルトラスエードパンツ、グラデーション染めのベルベットスーツ、フリンジがあしらわれたチェック柄のガウンなどを発表。多くのショーがそうであったように、そのランウェイも豊かな個性に満ちあふれていた。シンディ・クロフォード、ステファニー・シーモア、タイラ・バンクス、ケイト・モスといった当時のスーパーモデルたちが笑顔でランウェイを闊歩し、DJ兼アーティストのビリー・ビヨンドのようなニューヨークのダウンタウンシーンを象徴する人物たちも並んだ。服もプレゼンテーションも、遊び心に満ちた反骨精神を湛えつつ、心からの祝祭感に満ちていた。

オールダムの影響力はランウェイにとどまらず、MTVの『ハウス・オブ・スタイル』内で「トッド・タイム」と題した短いDIYコーナーのホストも務めた。しかし次第にファッション業界に幻滅を感じるようになり、90年代後半に服作りを休止。インテリアデコレーション、出版、写真など、他のクリエイティブな表現へと舵を切った。

Todd Oldham Fall ‘94 Getty Images

ローがオールダムを引用したのはこれが初めてではない。2022年のアカデミー賞授賞式で、彼はヴァレンティノのピエールパオロ・ピッチョーリがデザインした特注のツーピースをゼンデイヤにセレクトした。これは、トッド・オールダム1995-96年秋冬コレクションでシャローム・ハーロウがまとった、スワロフスキー・クリスタルのメッシュスカートとバスト下でカットされたサテンのボタンダウンシャツへのオマージュだった。

キムとのタッグを結成して日は浅いものの、ローはすでにファッション通を唸らせる引用で彼女を着飾っている。ロサンゼルスのルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アートのオープニングナイトで披露された初タッグのルックは、トム・フォードが手掛けたイヴ・サンローランの2004-05年秋冬コレクションから、スパンコールを散りばめたチャイナ風のタイトなガウンだった。数週間前のアカデミー・ミュージアム・ガラでは、1951年のバレンシアガによる、レイヤーケーキのように段重ねで装飾されたストラップレスガウンをまとった。さらに、1986年のイヴ・サンローランによるレオパードプリントや、1997年のマーク・バウアーによるドット柄のルックも登場している。

過去のアーカイブへの探求を通じて、ふたりは彼女の代名詞であるスキムズ的なしなやかでセクシーな美学を進化させている。キム・カーダシアンを象徴するボディコンシャスなシルエットに、過ぎ去った時代の優雅さを吹き込んでいるのだ。トッド・オールダムの引用はこれまでで最も遊び心に満ちており、ファッションとは本来楽しいものであるべきだという事実を改めて思い起こさせてくれる。実用性という厳格な縛りから解放されるレッドカーペットの上であれば、なおさらだ。彼らが次にどんなルックを生み出すのか、期待せずにはいられない。

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