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コンビニでお釣りを毎回募金箱に入れる彼。店を出て「またいい人やってる」と言った私に返ってきた一言

  • 2026.11.1
ハウコレ

レジ横の透明な箱に、小銭が落ちる軽い音がしました。お釣りを受け取った彼が、いつものように募金箱へ入れた音です。付き合って1年、何度も聞いてきた音なのに、映画の帰りに寄ったその日は、妙に耳に残りました。

「なんとなく」で済ませる彼

彼と出かけると、帰りに必ずコンビニに寄ります。飲み物や翌日のパンを買って、受け取ったお釣りの小銭は、そのまま募金箱へ。10円でも、80円でも同じでした。

付き合い始めの頃は、えらいなと思っていたんです。けれど毎回となると、だんだん引っかかるようになりました。

「それ、毎回入れてるよね」

ある日そう聞くと、彼は財布をポケットにしまいながら答えました。

「うん、なんとなく」

なんとなくで毎回、というのがどうにも腑に落ちません。気づけば、レジでの彼をつい観察するようになっていました。店員さんに「ありがとうございます」と言われると、彼は軽く頭を下げます。その様子が、褒められるのを待っているように見えてしまったのです。

店を出てから、つい口にした一言

決定的だったのは、映画の帰りに寄ったコンビニでした。私は早く帰りたくて、袋を提げて待っていました。それなのに彼はまた小銭を箱へ落とし、店員さんに会釈をしています。

自動ドアを出たところで、私の口から言葉が先に出てしまいました。

「またいい人やってる」

冗談めかしたつもりでしたが、自分でも声がとがっているのが分かりました。彼は足を止めて、振り返りました。

「そういうのじゃないよ」

いつもの穏やかな声より、少し低い声。

「じゃあ何なの?」

聞き返すと、彼はコンビニの明かりのほうに目をやり、何かを言いかけて口を開きました。

返ってきたのは「今度」

けれど、彼から返ってきたのは短い一言だけでした。

「今度ちゃんと話すから」

それきり彼は前を向いて歩き出し、私は半歩うしろをついていくしかありません。駅までの道で交わしたのは、翌日の天気の話くらいでした。

ちゃんと話すほどのことが、あの小銭にあるのでしょうか。いい人だと言われたいのを見抜かれて、話を先延ばしにしただけなのでは。帰りの電車でそう考えるほど、彼への気持ちが少しずつ冷めていくのが分かりました。

そして...

次のデートの帰りも、彼はいつものコンビニに寄りました。お釣りを受け取り、迷う様子もなく募金箱へ。小銭が落ちる軽い音を、私はレジの横で黙って聞いていました。

「今度」は、まだ来ていません。格好つけじゃないのなら、彼は何のために、あの小銭を入れ続けているのでしょうか。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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