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「彼女には内緒で頼みたいんだけど」帰りの電車で届いた彼の一通は私宛てではなかった→返ってきた答えは

  • 2026.11.1
ハウコレ

帰りの電車で、つり革を持ったままスマホの通知を開きました。画面に出ていたのは、付き合って2年近くになる彼からの新しいメッセージ。ところが、開いた文面は、どう読んでも私に宛てたものではありませんでした。

宛先を間違えた1通

彼とは電車で30分ほど離れた街に、それぞれ住んでいます。普段のやりとりは、仕事終わりの他愛ない報告がほとんどでした。その日届いたのは、こんな文面です。

「彼女には内緒で頼みたいんだけど、この前教えてくれた店、今度一緒に行ってくれない?」

彼女、というのは私のことでしょう。宛先は明らかに私ではなく、誰か別の相手。つり革を握り直して、もう一度頭から読みました。

「この前教えてくれた店」が何の店なのか、文面からは分かりません。分かるのは、私に知られたくない用事があり、それを誰かに頼もうとしていることだけでした。

送るか迷った返信

気づかなかったふりをして、いつもどおりのメッセージを送ることもできます。けれど、それではこの一通をずっと気にし続けることになりそうでした。

最寄り駅のホームに降りて、ベンチの端に腰かけてから短く打ちました。

「これ、私宛てじゃないよね?」

送信してすぐ、彼からの返事が届きます。

「ごめん、友達に送るつもりだった」

友達と聞いて浮かんだのは、彼の大学時代からの友人の顔でした。私も何度か一緒に食事をしたことがある人です。その友人になら頼めて、私には言えないこと。

ホームに次の電車が入ってくる音を聞きながら、もう一通だけ送りました。

「内緒って、何のこと?」

返ってきたのは短い約束

今度は、返事が来るまでに時間がかかりました。ホームの人の流れが途切れたころ、ようやく画面が光ります。

「今度会ったとき、ちゃんと話す」

それ以上は何も書かれていません。聞きたいことはいくつも浮かびましたが、問い詰めても同じ答えが返ってくるだけだと思い、こう返しました。

「わかった」

ベンチから立ち上がり、改札へ向かいます。次に会う約束は、数日後の記念日の食事でした。

それまでの間も、彼からのメッセージはいつもと変わらない調子で届きました。帰り道で見かけた猫の写真も、仕事の愚痴も、普段どおり。変わらないからこそ、あの一通だけが画面の中で浮いて見えました。

そして...

約束の日、待ち合わせの改札へ向かう電車の中で、もう一度あの一通を開きました。

「彼女には内緒で頼みたいんだけど、この前教えてくれた店、今度一緒に行ってくれない?」

友人と行く店と、私には話せない用事。いい知らせなのか、そうでないのか、どちらにも読めてしまいます。

改札の向こうに、彼の姿が見えました。手を上げた彼は、いつもと同じ顔をしています。

予約していたレストランの席に着くと、彼は鞄から小さな布の袋を取り出しました。そして、内緒にしていた用事を順番に話してくれました。悪い知らせではないと分かって、私が返したのは一言だけ。友人と行くはずだったあの店には、次は2人で行く約束をしています。

用事の中身は分かりました。けれど、どうして私にだけ言えなかったのか。彼の説明だけでは、まだ腑に落ちていません。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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