1. トップ
  2. レシピ
  3. 【知識をアップデート!ビタミンC】①「風邪を引いたらビタミンC」「ビタミンCがしみを消す」これって実はどうなの?

【知識をアップデート!ビタミンC】①「風邪を引いたらビタミンC」「ビタミンCがしみを消す」これって実はどうなの?

  • 2026.10.30

美肌づくりや風邪を引いたときにはビタミンC。でもそれって、「なんとなくよさそう」というイメージだけかも……? 知っているようで知らないビタミンC、あらためておさらいしておきましょう。ビタミンCの働きや、日常的にどれだけ摂取できているのかなどについて、食いしん坊倶楽部メンバーで医師の三浦雅臣さんにうかがいました。

【知識をアップデート!ビタミンC】①「風邪を引いたらビタミンC」「ビタミンCがしみを消す」これって実はどうなの?

■そもそも、ビタミンCとはどんなビタミンなのか

ビタミンとは、3大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の働きをスムーズにする「潤滑油」として働く栄養素です。全部で13種類(A、B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、C、D、E、K)あり、ほとんどが体内では合成できないため、食事でとる必要があります。
中でもビタミンCは、「美容にいいビタミン」、「風邪を引いたときに効くビタミン」として知られています。またレモンのようにすっぱくてさわやかなイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
今回はこの「なんとなく体によさそう」と思っている人も多いビタミンCについて深掘りしてみたいと思います。

ビタミンCの働きで代表的なものは皮膚や細胞をつくるたんぱく質、コラーゲンの合成を助けることです。
大航海時代、長い航海を続ける船乗りたちを苦しめたのが「壊血病」という病気でした。これは船の上では新鮮な野菜や果物を補給できずにビタミンCが不足し、コラーゲンが充分につくられなかったことが原因だったといわれています。
またビタミンCは白血球など、免疫細胞の働きにも関わります。「風邪にはビタミンC」といわれるのもこのため。さらに、強い抗酸化作用があり、美肌づくりに働いたり、老化に関わる酸化ストレスをおさえる働きもあります。鉄の吸収を高めるのもビタミンCの大きな働きのひとつ。植物性の食品に含まれる非ヘム鉄を効率よく吸収するのを助けます。

■風邪を引いたら、ビタミンCをたっぷりとれば治る?

錠剤を受ける手
錠剤を受ける手

免疫細胞の働きにビタミンCが関わっていると書きましたが、ではビタミンCを大量にとっていれば免疫力が強くなり、風邪を引かないのでしょうか。また風邪を引いたらサプリメントなどでビタミンCを積極的にとった方がいいのでしょうか。
実際にはそれほど単純ではありません。
日常的にビタミンCを多めにとっている人のほうが風邪の治りが早い、といったデータは確かにあるのですが、風邪を引いたからといってビタミンCをとればすぐさま治るわけではありません。ビタミンCは健康を維持するために欠かせない栄養素ではありますが、「風邪を治す薬」ではないのです。

高濃度のビタミンCを投与する治療も存在しますが、それは通常摂取する量の何百、何千倍という濃度ですし、まだ研究段階です。風邪を引いたら、ではなく、日頃から意識してビタミンCをとるように心がけておくことが大切です。
美肌についても同様で、ビタミンCはメラニンの生成を抑制したり、メラニンを薄くする働きがありますが、たくさんとったからといって、できてしまったしみは消えません。ビタミンCはサプリメントなどで過剰摂取すると、胃腸に負担がかかったり、下痢をする可能性もあるので、気をつけてください。

ビタミンCを一度に大量にとるより、こまめにとることがすすめられるのは、ビタミンCが水溶性であることも関係しています。必要な量以上のビタミンCを摂取したとしても、体内に蓄積しておくことはできません。余分は尿として体外に排出されてしまいます。またビタミンCは適量であれば吸収率は高いのですが、一度に過剰摂取すると吸収率が低下することがわかっています。

■現代人にビタミンCは不足している?

厚生労働省が定める成人1日あたりのビタミンC推奨摂取量は、100mgです。推定平均必要量は80mgで、平均摂取量は85mg(*)といわれていますので、必要量は満たしているかもしれないけれど、推奨量には届いていないのが現実です。通常の食事をしていれば不足することはあまりないかもしれませんが、健康を維持するためにも、日々積極的にとることをおすすめします。
またたばこを吸う人はビタミンCの消費量が多いため、100mgよりも多めに見積もっておいた方がよいと言われています。外食が多く、野菜や果物の摂取量が少ない人なども、平均摂取量に満たない場合もありますので、特に気をつけてください。

*令和六年国民健康・栄養調査のデータ

次回はビタミンC補給に有効な食品や効率的なとり方などについてお話しします。


――教える人

「三浦 雅臣先生」

ジョスリン糖尿病センター リサーチフェロー。2014年東京大学医学部医学科卒業。2021年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了・卒業、2023年東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科 助教。糖尿病や肥満症を専門に、最近では老化や睡眠、味覚についても探究を深める日々。


編集:出口雅美(maegamiroom) 文:久保木 薫 写真:Shutterstock

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ