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庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」

  • 2026.10.27

緑豊かな庭を望む縁側や、広々とした和室。どこか時間の流れが違う、のびやかな空気がただよう「ブック&カフェ 坐坐奔奔(ざざほんほん)」。本棚には、文化人類学や民俗学など、ふだんはなかなか出会わないテーマの本が並びます。コーヒーを片手に本をひらいたり、イタリアの郷土菓子を味わったり。読書を楽しみたい秋に、本や食を通して知らない世界にふれるひとときを過ごしてみませんか。

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」

本や音楽とともに、思い思いに過ごせるブックカフェ

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
2025年11月にオープン

小田急線・狛江駅から10分ほど住宅街を歩いていくと、大きな邸宅が見えてきます。敷地に入り、建物の間を抜けて奥へ進んだ先にあるのが、「ブック&カフェ 坐坐奔奔」です。

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
玄関の引き戸を開けて奥へ。「坐坐奔奔」のさらに奥には、整体の道場も
庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
ことりっぷ

玄関の引き戸を開けると、広々とした和室に本棚や喫茶スペースが。スピーカーからは音楽が心地よく響いています。かつて邸宅で使われていたランプや置物なども残り、長い時を重ねてきた家ならではの穏やかな空気に包まれます。

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
庭を眺めながら読書ができる

縁側には、緑豊かな庭を眺めながら過ごせる席も。畳の上で本をひらいたり、音楽に耳を傾けたり、庭を眺めながらぼんやりしたり。気の向くままに過ごせる場所です。

野口整体の歴史が息づく邸宅

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
お茶を楽しむためにつくられたという一室

こちらの邸宅は、野口整体の創始者・野口晴哉が1958年に建てたもの。同じ敷地内には「野口晴哉記念音楽室」もあり、現在も野口晴哉にゆかりのある場所として大切に受け継がれています。

「坐坐奔奔」のある一室は、もともとお茶を楽しむためにつくられ、その後は道場を訪れた人が待つ場所としても使われてきたのだそう。

野口晴哉は、整体を体だけのことではなく、人の暮らしや営み全体につながるものとして捉え、多くの著作も残しました。出版社「全生社」を営み、自らの考えを言葉にして伝えることも大切にしていたのだとか。こうした本や言葉にまつわる歴史をもつこの場所に、新たに「ブック&カフェ 坐坐奔奔」が誕生しました。

新刊から古本まで約700冊がそろう本棚

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
新刊の棚から一冊を手に取る店主の長本さん

店内には、新刊と古本を合わせて約700冊が並びます。新刊は文化人類学や民俗学、芸術などを中心に、店主・長本さんの興味が色濃く反映されたラインナップ。古本は小説から漫画、エッセイ、絵本まで幅広くそろいます。

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
古本の棚。あえてPOPを置かず、先入観なく本を手に取れるようにしている

一見すると少し難しそうなテーマでも、写真や図版が豊富なものが多く、眺めているだけでも楽しい本がたくさん。

「イマココを“別のイマココ”に」というお店のコンセプトにもあるように、本を通して知らなかった文化やさまざまな価値観にふれられます。

「旅」をテーマに選んでもらった2冊

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
遠い国や過去の人々の暮らしとつながる感覚や、ワクワクする要素を大切に選書している

長本さんに、旅をテーマにおすすめの2冊を選んでもらいました。
まずは、『人類4000年のレシピ バビロニアのごちそう・アステカの主食・華麗な宮廷料理──食の歴史をたどる65皿』。世界各地の料理を、その歴史やレシピとともに紹介する一冊です。
「料理を見ると、その土地の暮らしや国の状況まで見えてくるのが面白い」と長本さん。普段から娘さんと世界各地の料理動画を楽しんでいるのだそう。食を通してその土地の暮らしや文化を知ることが好きな長本さんならではの選書です。

もう一冊は、『中国手仕事紀行』。「みんげいおくむら」が、中国各地の少数民族を訪ね、民藝や工芸品を探し歩くなかでの出来事をつづったエッセイです。
器や布、アクセサリーなど、その土地で使われてきたものから、現地の文化や人々の営みが見えてきます。

和の空間でイタリアの郷土菓子を

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
「カボチャのガット」730円

読書のおともには、コーヒーやカフェラテ、紅茶などのドリンクと、イタリアの郷土菓子を。イタリア料理に親しんで育った長本さんが、お菓子にもその土地の文化を感じられるものをと選んだのが、イタリアの郷土菓子。焼き菓子は、渋谷で南イタリア料理店「ピノサリーチェ」を営んでいた方が手がけています。

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
左「カントゥッチ」250円、右「ココナッツのビスコッティ」250円

焼き菓子は、季節や手に入る素材に合わせて2週間ほどで種類が変わるそう。訪れるたびに新しいお菓子に出会えるのも、楽しみのひとつです。

庭を望む邸宅で、本の世界を旅するひととき。小田急線沿線「ブック&カフェ 坐坐奔奔」
「カフェラテ」650円

ドリンクは、長本さんが好きなイタリアのバールのように、毎日飲んでも飽きないシンプルなものを中心にそろえています。カフェラテは、シチリアの家族経営のロースターによるエスプレッソを使い、ふわふわに泡立てたミルクを合わせた一杯です。

店名の「坐坐奔奔」には、「適度に座り、適度に走る」という意味が込められています。お店が大切にしているのは、頭で知るだけでなく、感覚や身体を通してものごとに出会うこと。本を読むこともひとつの体験と捉え、遠い国や過去の人々の暮らし、知らなかった文化へとつながっていける場所です。

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