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もっと文学を知るためのミュージアムガイド。〈函館市文学館〉〈松本清張記念館〉etc.

  • 2026.10.26

10世紀に書かれたと伝わる日本最古の日記文学から、近現代文学、今なお刊行が続く人気シリーズまで。各地で花開いた多彩で多様な日本文学。文学者を育み、作品の舞台となった土地を訪ねてみよう。

text & edit: Hikari Torisawa

函館市文学館の展示室
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歴史的建造物で北の文学と文学者を知る

函館市文学館(北海道/函館市)

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函館、札幌、小樽、釧路に暮らし、「死ぬときは函館へ行って死ぬ」と書き残した石川啄木。詩に短歌、評論、小説も著した啄木を中心に、今東光、久生十蘭、長谷川四郎、宇江佐真理、辻仁成ら、函館にゆかりのある文学者の直筆原稿や愛用品などの資料や著書を展示する。伝統的な建造物が多く残る街並みに調和するレンガとコンクリート造りの文学館。1921年から残る旧第一銀行函館支店を補修、改装して93年に開館した。市の景観形成指定建築物に指定されている。

石川啄木の石膏像。〈函館市文学館〉2階で来館者を出迎える。

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函館市文学館の外観
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函館市文学館(北海道/函館市)

函館市中央図書館に啄木の書簡などが保管されている。

住所:北海道函館市末広町22-5
TEL:0138-22-9014
営:9時〜19時(11月〜3月は〜17時)
休:休館日はHP、SNSで確認
料金:一般300円

近代短歌を確立した歌人の故郷の名建築

斎藤茂吉記念館(山形/上山市)

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近代短歌に新風を吹き込み日本文学に大きな影響を与えた斎藤茂吉。アララギ派の歌人、精神科医として知られ、妻の輝子とともに2028年度前期NHK連続テレビ小説『ほんのモキチ』のモデルとしても注目される歌人を顕彰する。茂吉が多くの時間を過ごした蔵王(ざおう)連峰麓のみゆき公園内に1968年に開館。茂吉の肉声による短歌朗詠、復元居室など約15,000点の資料を収蔵、展示。未発表作品であれば誰でも投函できる茂吉短歌ポストを設置するなどユニークな取り組みも。

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斎藤茂吉記念館の庭
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斎藤茂吉記念館(山形/上山市)

茂吉揮毫(きごう)の色紙、書画なども収蔵する。谷口吉郎が設計、1989年には谷口吉生の設計により改修。

住所:山形県上山市北町字弁天1421
TEL:023-672-7227
営:9時〜17時
休:水曜
料金:一般600円

芸術のための場として地域に溶け込む

いわき市立草野心平記念文学館(福島/いわき市)

いわき市立草野心平記念文学館の内観
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蛙を主題とした活版印刷の詩集『第百階級』などで知られる草野心平。阿武隈山系を間近に望むこの地で生まれ育ち、石、富士山などを主題に多くの作品を書いた詩人を顕彰するため1998年に開館した。生涯を辿るドーム状展示やかつて営んだ居酒屋〈火の車〉の復元も。文学研究にとどまらず、音楽、美術など芸術活動のための場も備えた生涯学習施設としても利用される。来館者の詩作用の原稿用紙も準備。4㎞ほど離れた場所には見学可能な詩人の生家もある。

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草野心平記念文学館の外観
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いわき市立草野心平記念文学館(福島/いわき市)

25,000㎡超の敷地には講堂や図書館もある。

住所:福島県いわき市小川町高萩字下夕道1-39
TEL:0426-83-0005
営:9時〜17時(7月〜8月は土〜20時)
休:月曜
料金:一般440円

大正10年から残る洋館が文学館に

栃木市立文学館(栃木/栃木市)

提供:栃木市立文学館

2022年に開館した新しい文学館。エメラルドグリーンと白のコントラストも鮮やかなハーフティンバー様式が美しい。政治家としても活動した作家の山本有三、少女小説や家庭小説のジャンルで活躍した吉屋信子、“100歳の詩人”と呼ばれた柴田トヨなどの資料や著書を収蔵、常設展時する。2階建ての館内には建物の歴史や、ビール麦栽培の礎を作った農学者・田村律之助をはじめ郷土の先人を紹介するコーナーも。1921年築の木造建築は市の有形文化財に指定されている。

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栃木市立文学館の外観
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栃木市立文学館(栃木/栃木市)

町役場、市役所として長く使われていた。栃木市立美術館に隣接して立つ。(提供:栃木市立文学館)

住所:栃木県栃木市入舟町7-31
TEL:0282-25-5400
営:9時30分〜17時
休:月曜・祝日の翌日
料金:一般220円

明治以降、文士たちが多く暮らした場所

田端文士村記念館(東京/田端)

提供:田端文士村記念館

明治後期から、若い芸術家たちが集まり芸術家村となっていった田端。二葉亭四迷、直木三十五に続き、大正から昭和初期には芥川龍之介、室生犀星、平塚らいてう、菊池寛、林芙美子、堀辰雄、萩原朔太郎、小林秀雄などの小説家や詩人、評論家も移り住み、文士村として知られるようになった。彼ら・彼女らの初版本、肉筆原稿、書簡などを収蔵、展示。さらに散策会などのイベントを通じて100名を超える田端ゆかりの文士と芸術家の業績と暮らしの一端を伝える。

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田端文士村記念館の外観
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田端文士村記念館(東京/田端)

2027年夏には、徒歩5分ほどの距離に〈北区立芥川龍之介記念館〉が開館予定。作家の旧居跡地の一部。
(提供:田端文士村記念館)

住所:東京都北区田端6-1-2
TEL:03-5685-5171
営:10時〜17時
休:月曜
料金:無料

横浜の中心で文学の息吹を未来に伝える

神奈川近代文学館(神奈川/横浜市)

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国内最大規模の文学館として、港の見える丘公園に1984年に開館。近代文学や児童文学に関する原稿、創作ノート、愛蔵品など135万点を超える資料を収蔵する。コレクションの中核である夏目漱石と中島敦の肉筆資料はデジタルアーカイブでも公開。展覧会に加えて、講演会、朗読会も開催する。建物は淡い緑青銅板の屋根と万成石の外壁も美しい、浦辺鎮太郎による設計だ。原稿用紙を模したガラス扉、万年筆のペン先を象(かたど)った照明などのディテールも楽しめる。

山手・関内文学散歩地図模型。〈神奈川近代文学館〉展示室に常設。

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神奈川近代文学館の外観
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神奈川近代文学館(神奈川/横浜市)

バラや桜など四季折々の花が美しい港の見える丘公園内には〈大佛次郎記念館〉も。(撮影:今井卓)

住所:神奈川県横浜市中区山手町110
TEL:045-622-6666
営:9時30分〜17時
休:月曜
料金:一般310円

歴史ある城下で高知の文学に浸る

高知県立文学館(高知/高知市)

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平安時代の『土佐日記』から、井伏鱒二、安岡章太郎、清岡卓行、倉橋由美子に、『しゃばけ』シリーズで知られる現役作家の畠中恵まで。高知県にゆかりのある文学者と文学にまつわる資料を収蔵し、時代やジャンル、テーマごとに紹介する。幼少期に高知に暮らした物理学者・随筆家の寺田寅彦と、高知出身の宮尾登美子は特別室も設けられている。常設展示は数ヵ月ごとに入れ替わり、年間を通してほぼ無休で開館。地域に開かれた文学館として愛されている。

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高知県立文学館の外観
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高知県立文学館(高知/高知市)

高知城のある高知公園の一角。近隣にはマンガに特化した図書館や歴史博物館などが集まる。

住所:高知県高知市丸ノ内1-1-20
TEL:088-822-0231
営:9時〜17時
休:無し
料金:一般400円

戦後日本を代表する国民的作家を顕彰

北九州市立松本清張記念館(福岡/北九州市)

提供:北九州市立松本清張記念館

幼少期から小倉に暮らし、1953年に『或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞した松本清張。『点と線』『ゼロの焦点』『砂の器』など推理小説ブームを牽引したベストセラー作品、『黒革の手帖』『天城越え』など幾度も、そして2020年代にも映像化された作品など、四十数年の作家生活で1,000編以上を発表。その創作活動の全容と82年の生涯を辿る常設展示では、オリジナルドキュメンタリー映像も上映。書斎や書庫の忠実な再現家屋も展示され、全国から愛読者を集める。

約700の書影が並ぶ〈松本清張記念館〉のパネル展示。圧巻!提供:北九州市立松本清張記念館

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松本清張記念館の外観
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北九州市立松本清張記念館(福岡/北九州市)

館がある勝山公園内には、磯崎新が設計を手がけた〈北九州市立文学館〉も立つ。
(提供:北九州市立松本清張記念館)

住所:福岡県北九州市小倉北区城内2-3
TEL:093-582-2761
営:9時30分〜18時
休:月曜
料金:一般600円

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