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【医師解説】RSウイルスは大人も感染する?赤ちゃんの重症化サインと予防法

  • 2026.10.12

赤ちゃんが重症化しやすいRSウイルス感染症の特徴や、大人が感染した際のリスクと注意点を医療法人社団博雅会草ヶ谷医院院長の草ヶ谷英樹先生に詳しく伺いました。早期発見につながる症状のポイントと正しい予防策を理解しましょう。

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RSウイルス感染症は、「RSウイルス(RSV)」によって起こる呼吸器の感染症です。

「RSウイルス」と聞くと、赤ちゃんがかかる病気というイメージがあるかもしれません。実際、乳幼児、とくに生後間もない赤ちゃんでは注意が必要な感染症です。
とはいえ、子どもだけが感染するウイルスではありません。大人も感染しますし、一度かかったからといってその後感染しないわけでもなく、年齢を問わず生涯にわたって感染を繰り返すことが知られています。生後1歳までに半数以上、2歳までにはほぼすべての子どもが一度は初感染するとされ、その後も再感染を重ねます。年長児や健康な成人では、鼻水や咳などの軽いかぜ症状で済むことが多いです。

赤ちゃんが重症化しやすいのはなぜ?

ポイントは、RSウイルスが鼻やのどだけでなく、気管支のさらに奥にある細い「細気管支」まで炎症を起こすことがある点です。乳児では感染が下気道まで広がると、細気管支炎や肺炎につながることがあります。
赤ちゃんの気道はもともと大人より細いため、炎症による腫れや分泌物で気道が狭くなると呼吸が苦しくなりやすく、「鼻水だけ」「軽い咳だけ」と思っていたのが数日で咳が強くなったり、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音や呼吸の速さが目立ってきたりすることがあります。
とくに生後6か月以内の乳児は重症化のリスクが高い時期です。この月齢では、はっきりした発熱や咳がなくても、哺乳量が減る、元気がない、呼吸が苦しそうといった形で症状が現れることがあり、無呼吸がみられる場合もあるため注意が必要です。

どんな症状が出るの?

潜伏期間は2~8日程度、典型的には4~6日とされます。
初期には
●鼻水
●咳
●発熱
●のどの症状
など、一般的なかぜとよく似た症状が出ます。多くは軽症のまま経過しますが、乳幼児では下気道に感染が広がり、気管支炎、細気管支炎、肺炎などを起こすことがあります。
症状が最初から重いとは限らず、普通の風邪のように始まって数日後に咳が悪化するという経過をたどることも珍しくありません。次のような様子が見られたら、呼吸状態の悪化を疑ってください。
○咳がどんどん強くなる
○ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸になる
○呼吸が速くなる
○息を吸うたびに胸やみぞおちがへこむ
○ミルクや水分を十分にとれない
○ぐったりしている

乳児では、発熱の有無だけで重症度を判断しないことも大切です。月齢の低い赤ちゃんでは、熱が目立たないまま呼吸状態や哺乳状態が悪化することがあります。

大人が感染したらどうなる?

大人も感染しますが、健康な成人が再感染した場合は、鼻水や咳などのかぜ症状や気管支炎程度で済むことが多く、乳児ほど重症化するケースは多くありません。
一方、高齢者や、慢性の呼吸器疾患・心疾患がある方、免疫機能が低下している方などでは、肺炎を起こしたり、もともとの病気が悪化したりして重症化することがあります。RSウイルス感染をきっかけに肺炎を起こしたり、もともとの呼吸器疾患が悪化したりすることがあります。乳児では重症化を防ぐこと、大人や高齢者では重症化しやすい人への感染を広げないことの両方が大切です。
また、主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。感染した人の咳やくしゃみで出た飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付着した手や物に触れた手で鼻や口を触ったりすることでうつります。
家庭では、大人や年長の子どもが「ただの風邪かな」と思っている症状から赤ちゃんにうつることが少なくありません。厚生労働省も、再感染した年長児や成人ではRSウイルス感染症と気づかれないまま乳幼児に広げてしまう可能性があるとして、呼吸器症状があるときはできる範囲で乳幼児との接触を避けるよう勧めています。

予防するには?

基本は一般的な感染対策です。手洗いや手指衛生を行い、赤ちゃんが日常的に触れるおもちゃや手すりを清潔に保ちます。家族に鼻水や咳などの症状がある場合は、マスクを着用できる年齢の人はマスクをつけ、できる範囲で赤ちゃんとの濃厚接触を避けましょう。
また現在は、重症化予防を目的としたワクチンや抗RSウイルス抗体製剤も利用されています。日本では2026年度から、妊婦を対象としたRSウイルス母子免疫ワクチンが定期接種となりました。このほか、成人を対象としたRSウイルスワクチンや、乳幼児に投与する抗体製剤もあります。対象となる年齢や条件が異なるため、必要性については医療機関で相談してください。
感染したらどうする?
RSウイルス感染症にはウイルスそのものを直接治す特効薬はなく、治療は症状に応じた対症療法が中心です。水分補給や解熱などを行い、重症化して呼吸状態が悪化した場合は、酸素投与や点滴、必要に応じて呼吸管理などが行われます。ウイルス感染症のため、抗菌薬は効きません。ただし、細菌による感染症を合併している場合には、抗菌薬が必要になることがあります。
軽い鼻水や咳程度で、普段どおり水分や食事がとれていれば、まず自宅で様子をみることもできます。ただし、乳児、とくに生後6か月以内の赤ちゃんや早産児、心臓・肺などに基礎疾患がある子どもでは重症化に注意が必要です。
呼吸が苦しそう、ゼーゼーが強い、呼吸のたびに胸がへこむ、ミルクや水分を十分にとれない、ぐったりしているといった様子があれば、早めに医療機関へ相談してください。唇や顔色が青紫色になる、呼吸が止まるように見える、呼びかけへの反応が悪い、強い呼吸困難があるといった場合は、緊急性の高い状態の可能性があります。

参考・引用情報
厚生労働省「RSウイルス感染症」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rsv.html

厚生労働省「RSウイルスワクチン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/rs/index.html

国立健康危機管理研究機構(JIHS)「RSウイルス感染症とは」
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/topics/040/index.html

公益社団法人 日本小児科学会「RSウイルス感染症」
https://www.jpeds.or.jp/general/prevention/yobo-kansensho/kansensho03-23.html

公益社団法人 日本小児科学会「2026年4月からの妊婦を対象としたRSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ®筋注用)の定期接種化にあたって」
https://www.jpeds.or.jp/society-activities/pediatric-medical-care/vaccination/opinion/post-155697.html

※本記事は一部生成AIを活用して記事のチェック・校正を行っています。最終的な内容確認およびファクトチェックは、実績のある専門医が実施しています。

執筆者

プロフィールイメージ
草ヶ谷英樹
草ヶ谷英樹

草ヶ谷医院 院長/医療法人社団博雅会 理事長。医学博士。総合内科専門医、呼吸器専門医・指導医、アレルギー専門医。

静岡市で、咳・喘息・COPD・睡眠時無呼吸症候群・肺炎・肺がんCT検診・非結核性抗酸菌症・間質性肺炎など、呼吸器・アレルギー疾患を中心に幅広く診療している。地域のかかりつけ医として日々多くの患者さんと向き合いながら、専門的な医療をできるだけわかりやすく、身近に届けることを大切にしている。

クリニックの理念は「医療を通じて関わる全ての方の笑顔と元気に貢献する」。
診療だけでなく、YouTubeやWeb記事監修、講演活動などを通じて、患者さんや一般の方が正しい医療情報に触れ、不安を少しでも減らせるよう情報発信を続けている。

医療法人社団博雅会 草ヶ谷医院

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