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京都・東本願寺の国指定重要文化財「大玄関」で矢後直規氏のグラフィック展開催。屏風や着物など職人と協働した作品を展示

  • 2026.11.5

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撮影:瀧本幹也[/caption]

Pangraphicsは、11月1日(日)~8日(日)の期間、京都・東本願寺の国指定重要文化財「大玄関」において、グラフィックデザイナー/アートディレクターの矢後直規氏によるグラフィック展「Pangraphics(パングラフィクス)」を開催している。入場は無料だ。

同展は、日本の伝統的な表現や思想を通じてグラフィックデザインを捉え直し、アート表現へと昇華させる試み。歴史的な建築空間を舞台に、屏風、掛け軸、着物、団扇など、各分野の職人との協働によって制作された作品群を展示している。

テーマは「不完全さの受容」

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撮影:瀧本幹也[/caption]

同展のテーマは「不完全さの受容」だ。

矢後氏が制作において一貫して掲げる「Humane Error(ヒューメインエラー)」は、にじみや汚れ、制作時の補助線といった、人間的なミスやエラーをあえてデザインに取り込む考え方。それは、人間を不完全な存在として受け入れる浄土真宗の「凡夫性」という思想にも通じている。

現代のグラフィックデザインが均一化しつつあるなかで、人の手による表現や偶発性、自然と人間の関係に目を向け、グラフィックデザインが持つ本来の可能性を問いなおす。

展覧会タイトル「Pangraphics」は、「グラフィックデザインのすべて」を意味している。

作品と建築が関わり合う展示空間

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撮影:瀧本幹也[/caption]

会場となる東本願寺 大玄関は、1867年に建立された国指定重要文化財だ。

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撮影:瀧本幹也[/caption]

同展では、通常のギャラリーや美術館とは異なる宗教的・歴史的空間に、矢後氏が描いた桜や紅葉、孔雀、四季折々の花々をモチーフとする作品を展開している。

日本の伝統的な建築空間に、表具、染織、木工など多様な工芸技術によって形づくられた作品が並び、作品と建築、素材、光が相互に関わり合う展示空間が広がっている。

伝統工芸との協働で生まれた作品群

同展では、矢後氏の手描きによる図像を起点として、日本各地の職人や工房と協働して制作した、多様な作品を展示。グラフィックデザインを紙やデジタル上の視覚表現にとどめず、素材や技法、身体性を持った作品へと広げることで、その新たな可能性を探る。

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淡墨桜余花図屏風 (撮影:瀧本幹也)[/caption]

小説家・宇野千代氏ゆかりの「淡墨桜」をモチーフにした『淡墨桜余花図屏風』は、京表具井上光雅堂との協働による六曲半双の大屏風。約3.8メートルにおよぶ画面に、桜の儚さと生命力を表現している。

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淡墨桜文様訪問着(撮影:瀧本幹也)紅守|朴造(撮影:瀧本幹也)[/caption]

同じ淡墨桜の図像は、銀座もとじとの協働により、伝統的な手描き友禅を用いた一点ものの訪問着にも展開。平面の図像を、人が身にまとうことで完成する着物へと転換する過程では、染織の職人たちとの対話を重ね、図案や表現を練り上げた。

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新鳥獣図|青孔雀(撮影:瀧本幹也)[/caption]

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新鳥獣図 |白孔雀 (撮影:瀧本幹也)[/caption]

このほか、掛け軸、

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桃蕾図団扇 (撮影:瀧本幹也)[/caption]

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蒲公英図団扇 (撮影:瀧本幹也)[/caption]

団扇から着想を得た作品などを展示している。

矢後直規氏のプロフィール

矢後直規氏は、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。博報堂を経てSIXに所属し、2025年に、ビジネスプロデューサー/ストラテジストの琴浦義通氏と共同でPangraphicsを設立。ブランドデザインを中心とするクライアントワーク、アートワーク、子どもたちに向けた教育活動を展開している。

矢後氏は、東京ADC賞、JAGDA新人賞、D&AD、New York ADC、One Showなど国内外で受賞。ZIPAIRやSENSAI、Laforet HARAJUKUなどのアートディレクションを手がけながら、アートワークを発表している。

また、2020年ラフォーレミュージアム原宿での個展「婆娑羅」、香港PMQでの「Imitative Behaviour」など、国内外で展覧会を開催。さらに、2026年秋放送予定のNHK連続テレビ小説『ブラッサム』にて、タイトルロゴおよびビジュアルデザインを担当している。

歴史的空間に伝統工芸との協働で生まれた作品が並ぶ「Pangraphics」に足を運んでみては。

■矢後直規 グラフィック展 Pangraphics 会 期:11月1日(日)~8日(日) 会 場:真宗大谷派 東本願寺 大玄関(国指定重要文化財) 所在地:京都府京都市下京区烏丸通七条上る 時 間:10:00〜16:00(最終入場15:30) 入場料:無料 詳 細:https://pangraphics.jp/exhibition2026

矢後直規Instagram:https://www.instagram.com/yagonaonori Pangraphics公式サイト:https://pangraphics.jp

(Higuchi)

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