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写真家・トヤマタクロウが約5年間のスナップを編集した『Ventilate』を発表。収録作品の展示も開催

  • 2026.11.8
昨夏、浅草の公園で観光客が休憩している様子

内と外の空気が行き来する換気口のようなもの

新作『Ventilate』は、見慣れた日常の景色に“別の何か”を見出すことから始まった。フィルムを原点とするトヤマタクロウは、2021年頃にデジタル撮影へと移行。前者では埋もれていた被写体の質感が、後者だと際立って感じられ、日々のスナップに興じた。23年に瀬尾夏美らと共作した写真詩集『New Habitations: from North to East 11 years after 3.11』も転機に。震災から11年後の東北を撮影するうち、新たに建てられた住宅や道路、周囲から浮いて見える人工的な建材や風景が目を引いた。

「以降は普段見ている風景を形作る素材にも意識的に。木に見せかけた樹脂素材など、何かを模倣したはずが別物になっているといったズレが面白く感じられた」

レンジのガラスに反射する光景が西洋画のように見えた瞬間
レンジのガラスに反射する光景が西洋画のように見えた瞬間。
海外の湖畔を思わせる風景
海外の湖畔を思わせる風景だが。「昨夏、浅草の公園で観光客が休憩している様子です」

やがて撮る行為自体にも関心が向く。人は絵画や映画など、頭の中にあるイメージに似た光景に出会うと写真を“撮らされる”が、そこに実際に写るのは、元のイメージからズレた別物だと考えた。

「現実と虚構、オリジナルとコピー。境界を行き来する感覚で題を“換気する”の意味に。今の自分には写真は内と外をつなぐ換気口的なもの。取り込んだイメージがいろんなものと混ざり外へ出ていく行為です」

Information

『Ventilate』を開いた様子

『Ventilate』

今作に収録した作品を多数展示。会場では新作のプリント作品の展示と販売、これまでに制作された写真集の販売も。

会場:〈CURIOSITY〉
住所:神奈川県茅ヶ崎市元町15-11
期間:2026年10月31日から11月15日まで。
営:10時~18時(土曜・日曜)、13時~18時(水曜・金曜)
休:月曜・火曜・木曜

profile

トヤマタクロウ

1988年宮崎県生まれ。2012年より出版、展示を通して作品を発表し、主に美術、音楽、ファッションなどの分野を中心に活動。近年の作品に『DEVENIR』など。
Instagram:@takurohtoyama

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