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酔った友人の「時効だから言っちゃうね」→否定も笑いもせず「知ってたよ」と返した俺が、彼女に黙っていたこと

  • 2026.10.10
ハウコレ

酔った友人の言葉を、否定も笑いもせずに受け流した俺。その理由を帰り道の彼女に話せなかったのは、大学時代に交わしたある約束があったからでした。

開いたメニューの文字は、ひとつも頭に入ってきませんでした。

学祭の後片付けの日に聞いた言葉

彼女の友人から気持ちを打ち明けられたのは、大学2年の学祭の後片付けの日です。人の減った教室で、段ボールを畳んでいたときでした。

「ごめん、好きな人がいる」

そう返すと、友人は少し黙ってから「このこと、誰にも言わないで」と言いました。俺はうなずき、好きな人が誰なのかは最後まで口にしませんでした。

その頃にはもう、彼女のことが気になっていたからです。1年の合宿で、帰りのバスに乗り遅れかけた俺の荷物を、先に網棚へ上げておいてくれた人でした。

付き合い始めてからも、友人が彼女にだけ棘のある冗談を言うのには気づいていました。そのたびに彼女の隣へ座るようにしてきたものの、理由は話せないままでした。

「知ってたよ」としか言えなかった理由

半年ぶりに5人で集まった店で、友人はハイボールを何杯も空けていました。

「ねえ、もう時効だから言っちゃうね」

嫌な予感のとおり、友人は彼女に向けてあの話を始めます。

「彼のこと、私も好きだった」

「先に言ってたら、今ごろ隣にいたの私だったかもね」

実際には、友人は先に言っていました。そして俺は、そのとき断っています。けれど皆の前でそれを話せば、約束を破ったうえに、酔った席で友人に恥をかかせることになります。かといって黙って笑えば、彼女の前であの言い方を認めることになります。

男友達が止めに入る声を聞きながら、俺は口を開きました。

「知ってたよ」

友人にだけ伝わればいいと思って、それだけを返しました。友人がグラスをテーブルに戻し、「なーんだ、つまんないの」と言ったのを見て、意味は届いたのだと分かりました。

そのまま店員さんを呼び、「すみません、レモンサワーひとつ」と頼みました。彼女がいつも2杯目に選ぶものです。けれど運ばれてきたグラスに、彼女は最後まで手を伸ばしませんでした。

守ってきた約束と、帰り道の彼女

駅までの道で、彼女に聞かれました。

「知ってたって、いつから?」

「前に、本人から聞いた」

「それだけ?」

「ごめん。それ以上は、俺からは話せない」

約束を守るのが正しいと思ってきました。けれど、暗い顔をしているような彼女の方を見て、その考えが揺らぎます。俺が何年も守ってきたのは友人の秘密で、彼女の安心は後回しにしていたのかもしれない。帰りの電車で肩に寄りかかってきた彼女は、いつもより少し遠慮がちでした。

そして...

翌日、友人にメッセージを送りました。

「あの頃の約束は守る。でも、昨日みたいな言い方はもうやめてほしい」

既読はついたものの、返信はまだありません。

その日、仕事帰りに会った彼女へ切り出しました。

「あいつの話はできない。でも、俺の話なら全部できるよ」

彼女は少し間を置いてからスマホを伏せ、「じゃあ、聞かせて」と言いました。俺は1年の合宿の、帰りのバスの話から始めました。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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