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「1日だけ、彼女のふりしてくれない?」と元カノに送った俺、その前に打って消したのは「もう1回会いたい」だった

  • 2026.10.8
ハウコレ

既読をつけたまま、言い訳ばかりを打っては消していました。元カノから届いた返事を何度も読み返した翌日、俺はずっと避けていた電話をかけます。

母から届いた誕生日の食事の案内には、店の地図と一緒に、4人で予約したと書いてありました。父と母と俺と、もう1人。1年前に別れた元カノの分です。別れたことを、俺はまだ母に話せていませんでした。

送信する前に消した文面

元カノとは2年付き合い、1年前に振られました。母は2度会っただけの元カノをずいぶん気に入っていて、電話のたびに「あの子は元気?」と聞いてきます。そのたびに「元気だよ」と答えて、話を変えてきました。口にしたら別れが本当に終わってしまう気がして、言えなかったのです。

案内を読んだあと、元カノとのチャットを開きました。最初に打ったのは「もう1回会いたい」。送信ボタンは押さずに、全部消しました。

断られたら、今度こそ終わる。頼みごとの形にすれば、断られても頼みが通らなかっただけで済む。そう計算して打ち直したのが、あのメッセージでした。

「急にごめん」と前置きして、母の誕生日の食事のことを書き、最後に「1日だけ、彼女のふりしてくれない?」と送りました。送った直後から、ずるいやり方だという自覚はありました。

既読のまま送れなかった言い訳

しばらくして、返事が届きました。

「別れて1年たつのに、まだお母さんに言ってないの?」

すぐに開いたので、既読はついたはずです。母が楽しみにしている、店も予約してある、1回だけでいいから。打つ文面はどれも、自分の都合を並べたものばかりでした。消しては打ち直し、また消す。その間、向こうには既読のマークだけが見えているのだろうと思うと、余計に送れなくなりました。

結局送ったのは「言えなかった。ごめん」だけ。言い訳を全部消したら、それしか残らなかったのです。

母に先に話したこと

次に届いた返事を、何度も読み返しました。

「ふりはできない。話したいことがあるなら、ちゃんと自分の言葉で言って」

別れ際に言われた「何を考えてるのか、ずっと分からなかった」が、そこに重なりました。本音を言わずに、相手に察してもらう。1年たっても、同じ頼り方をしていたのだと思います。翌日、母に電話をかけ、別れたことも、ふりを頼んだことも話しました。母は少し黙ってから、こう言いました。

「なんとなく、そうじゃないかと思ってた」

「謝りたいなら、ふりなんて頼まないで自分で会いに行きなさい」

それから2日かけて、元カノに送る文面を考えました。会いたいとは、まだ書けませんでした。先に書けたのは、謝りたいという気持ちのほうです。

「母さんには本当のことを話した」

「ちゃんと謝りたいから、1回だけ会えないかな」

そして...

返ってきたのは「駅前のカフェでいいなら」という返事でした。

母には予約を3人に変えてもらい、誕生日カードの送り主の欄には自分の名前だけを書きました。前に贈ったときは、2人の名前が並んでいた欄です。あのとき消した一言は、まだどこにも送っていません。

(20代男性・営業職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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