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車椅子を理由に旅行を避けてきた小説家が「プチハネムーン」で広島へ! ふたりで踏み出した新しい一歩を描いた純愛BLの続編【書評】

  • 2026.10.6

【漫画】本編を読む

『もう少しだけ、そばにいて A Little Journey』(白野ほなみ/リブレ)は、小説家の晴人とサラリーマンの晃、人生をともに歩むパートナーとなったふたりの「その後」を描いた純愛BL。前作で大きなすれ違いを乗り越えたふたりが今回挑戦するのは、ちょっと特別な「ふたり旅」だ。

車椅子で生活する晴人は、これまで旅行を避けてきた。行きたい場所へ自由に行けるとは限らない。移動はできるのか、泊まる場所は大丈夫なのか。旅に出れば、普段の生活以上にさまざまな不自由と向き合わなければならないからだ。しかし、そんな晴人が遠く離れた広島へ行くことを決意する。きっかけは、パートナーである晃との「プチハネムーン」だ。大切な人と一緒に旅行したいという思いが、これまで避けてきた遠出へと晴人の背中を押す。

車椅子で旅をするからこその不安や戸惑い、相手のことを大切に思っているからこそ遠慮してしまうことを包み隠さず描いているところが本作の魅力だ。ふたりは何か起こるたびに互いの気持ちとしっかりと向き合いながら、一緒に旅を続けていく。誰かと人生をともにするということは、楽しいことだけを共有することではない。できないことや苦手なこと、不安や弱さも含めて知ったうえで、それでも「一緒にいたい」と思うことが一番大切だ。晴人と晃の旅を見ていると、そんな当たり前のことにあらためて気づかされる。

そして「一緒に行こう、どこへでも」という言葉が、とてもあたたかく胸に響いてくる。「どこへでも」と言っても、実際には行けない場所や簡単には越えられない壁にぶつかることがある。それでも、ひとりではなく、ふたりでならば行ってみようと思えるし、仮に目的地にたどり着くことができなくても、一緒に行くことこそがふたりにとって大事なことなのだ。

前作でふたりの恋を見守ってきた人は、この旅がより愛おしく感じられるだろう。「もう少しだけ、そばにいて」から、「一緒に行こう、どこへでも」へ——。ふたりの関係が一歩先に進んだことを感じられる、優しくてあたたかな続編だ。

文=富野安彦

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