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「仕事休んで昼寝できていいな」とソファから言った夫→「じゃあ、土曜。1日お願いね」と娘を任せた私

  • 2026.10.6
ハウコレ

カップが空になる頃に届いた通知には、夫からの、付き合っていた頃以来の長い文が並んでいました。

哺乳瓶を洗い終えた手を拭く前に、娘がまた泣き出しました。つけっぱなしのテレビは、さっきと同じ番組の途中です。ソファで横になっていた夫が、体を起こさないままこちらを見ました。

ソファから届いた言葉

「仕事休んで昼寝できていいな」

娘は生後半年を過ぎています。生まれてから一度も、続けて8時間眠ってくれたことがありません。ずりばいを覚えてからは、家具の角や床に落ちた小さなものから目を離せなくなりました。抱っこの合間に洗濯物をたたみ、食事を作り、気づけば自分の分を立ったまま食べています。仕事をしていた頃のほうが楽だったと、本気で思う日もありました。

返事をせずに泣いている娘を抱き上げると、夫が続けました。

「休みなんでしょ。俺も昼寝したい」

蛇口を止めて、娘の背中を軽く叩きながら夫の顔を見ました。

「じゃあ、土曜。1日お願いね」

「1日?」

「1日」

夫はそれ以上何も言わず、テレビに顔を戻しました。

止めなかった出かける支度

前の晩、ミルクの時間と危ない場所を書いたメモを冷蔵庫に貼りました。

当日、玄関で娘を夫に渡すと、眉が寄ったのが見えました。口を開きかけて、閉じる。嫌なのだろうなと思いましたが、そのまま靴を履きました。

「行ってくるね」

駅までの道は、久しぶりに自分の歩幅で歩けました。街のカフェで頼んだコーヒーは、冷める前に飲み切れる。その当たり前に、少しだけ笑ってしまいました。

それでも、スマホは何度も裏返しては表に戻していました。泣いていないだろうか。引き出しは閉めてくれているだろうか。想像のほうが先に走ります。

画面に並んだ長い文面

通知が届いたのは、カップが空になった頃でした。夫からです。

「今日1日で分かった。昼寝なんてできる時間、どこにもなかった。仕事休んでいいなって言ったこと、ごめん。帰ったらちゃんと言う」

読み終えてから、もう一度最初から読みました。夫からこんなに長い文が届いたのは、付き合っていた頃以来です。

返信を打っては消し、結局短く送りました。

「わかった。もう少しで帰る」

コーヒーのおかわりは頼まずに、店を出ました。

そして...

鍵を開けると、夫が娘を抱いたまま玄関に立っていました。

「ごめん」

娘ごと、頭を下げます。

リビングに入ると、シンクには哺乳瓶とお皿が山になっていて、おむつの袋が3つ並んでいました。昼寝はできなかったんだね、と言うと、夫は首を横に振りました。

次の週末、冷蔵庫のメモの余白に、夫の字で書き足された行が増えていました。

(30代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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